まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

Thai Camp (Shop with your ฿500)

Shop with your ฿500|500バーツでショッピング

Saturday, March 10, 2018 at Chatuchak Weekend Market

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Our exploration continues!  We went to Chatchak Weekend Market on the third day of the program.  There, each member was asked to shop around and dig out one's fancy in two hours, with a budget of 500 (500 Bahts).  Here are the bargains of the day.  Some succeeded in lowering the price, while others had to accept the figures shown on the price tags.  Markets are full of "souveniers," and our explorations in the market often become "stories (heroic stories)" and delivered to friends after the travel.

3日目はチャトゥチャック・ウィークエンドマーケットに出かけた。各自、2時間ほど歩き回って、500バーツ(およそ1,700円)の予算でショッピングをしてみることにした。値切るのに成功したり拒まれたり。マーケットは「おみやげ」の宝庫でもある。その体験は、しばしば「みやげ話(武勇伝)」となって、帰国後に語られることが多い。

Case 1: ฿265
  • Dried herbs for tea ハーブセット ฿170
  • Handmade pierce ピアス ฿75
  • Geometric drawing toy おもちゃ(定規) ฿20

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The last time I remember coming to the market was 5-8 years ago, back when ‘shopping’ was a chore for me, a mundane activity of following my mother as she goes on the hunt for the best bargains. Fast forward to the present, it was nostalgic for me to see the clock tower and alleys: the things they sold now weren’t that different from the last time I remembered. In this challenge, I wasn’t on lookout for anything in particular, but bought things with several people in my mind: my friends in Japan, my brother, and a little something for myself.

Case 2: ฿295
  • Bracelet ブレスレット ฿125
  • Pochette ポシェット ฿40
  • Illumination lights 電飾 ฿130

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たくさんモノが買えるのだろうと期待いっぱいで向かった、500バーツミッション。実際は、そんなに買えなかった。結果買ったモノは3つ。提示された値段から、旅行者パワー全開で価格交渉を行う。どんどん進んでいくうちに、店員さんによって価格交渉に応じてくれるか、そうでないかのタイプが分かってきた。最終的に2時間のミッションで分かったことは、マーケットの奥に進むほど交渉が難しくなる(気がする)ことだった。

Case 3: ฿460
  • T-shirt Tシャツ ฿80
  • Key ring キーホルダー ฿80 (was ฿100)
  • Watch 腕時計 ฿300 (was ฿350)

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値切るという行為は馴染みがないので躊躇われるが、向こうの人は割と応じてくれたりする。どう値切れば良いのかわからないが、きっと値切るときは、どうしても欲しいという姿勢を見せるよりは、買うか分からないという態度を見せるといいだろう。そう思っていたら、どうしても欲しい時計を見つけたしまったので、ダメ元でひと押ししたら50バーツも値引きに応じてくれた。お互いの気持ちいいラインで買うには、買う側の姿勢も問われているのかもしれない。

Case 4: ฿465
  • Pants パンツ ฿120
  • Hunglay Curry Spice スパイス ฿15
  • Peeler パパイヤ専用ピーラー ฿199
  • Spoon アルミスプーン ฿16 (฿8×2) 
  • Small plate 皿 ฿50
  • Plate ホーローの皿 ฿25
  • Fruit ポメロ(ザボン) ฿40

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タイのまちを歩いていると、色鮮やかなビニール袋が目に入る。日本にはない色づかい。途中、業務用ビニール袋の束を売るお店を見つけた。その時は迷い、また欲しくなったら出会うだろうと思って購入しなかったのだが、結局、出会うことはなかった。少し後悔。広大なマーケットで買い物をするときは、これはと思ったら購入するべきなのだ。購入した商品は全部、私がマーケットで出会ったものたち。

Case 5: ฿480
  • Cigarette lighter ライター ฿100
  • T-shirt Tシャツ ฿100
  • Shot glass ウイスキーショットグラス ฿170
  • Hat カエルの帽子 ฿110(*not shown)

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僕らは値切ることを心がけていたので、常に数字を意識していた。マーケットのお店の人々は、観光客相手に英語でうまく商売する人がいる一方、そんなのものともせず、タイの言葉で押し切る人もいた。中には120をトゥエルブと言う人もいたが、やはりお金のやりとりをする分、数字だけはしっかりしていた。原価に近いゾーン、利益をかなり上のせしてるゾーン、2時間という限られた時間だが、少しマーケット内の特性が見えた気がする。

Case 6: ฿490
  • Bracelet (a set of three) ブレスレット(3つセット) ฿100
  • Bracelet ブレスレット ฿50 (was ฿60)
  • Sandals サンダル ฿200
  • Bag カバン ฿140 (was ฿150)

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タイ滞在3日目、ようやく現地での生活に慣れたところ。物価が安いと気づきはじめ、また市場での買い物であるから、500バーツだとたくさんの物が買えると想像していた。東南アジアらしい柄物の小物や服、日本ではあまり買えそうにない物を安く手に入れることに胸を躍らせた。けれども、本命のサンダルを買ってしまうと、一気に手持ちのお金が半分ちかく減ってしまう。少し躊躇しながらも、手作りであること、現地でしか買えない、そんな「海外だからいいや」という思いにのって買い物をつづけた。

Case 7: ฿490
  • Skirt スカート ฿100
  • Pierce ピアス ฿20
  • Cups コップ ฿170
  • Small containers 小物入れ ฿100
  • Tanktop タンクトップ ฿100

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わたしは普段から物に対して実用性能と機能性を求める。だから日本でする買い物ではわたしはいつも慎重に物を選び、衝動買いなんてことはしない。そんな私にとって2時間で500バーツを使って買い物をするというのは難易度の高いものだった。しかし旅の開放感と高揚感から、慎重になりすぎる自分を少しだけ封印した。行ったことのないところに行くと、新しい自分を知ることができる。これは旅の醍醐味なのかもしれない。

Case 8: ฿500
  • Lunch box ホーローの弁当箱 ฿330
  • Pouch (iPad sleeve) ポーチ(iPad用?) ฿150
  • A pad of recipt 領収証 ฿20

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すべて値札どおり。あきらめるのが早すぎたのかもしれないが、値切っても応じてもらえることはなかった。500バーツという予算ぴったりの額に収めることを意識しすぎたためか、後半は、モノよりも値札を見ながら歩いてしまった。とはいえ、時間制限があってよかった。このマーケットは、とうてい2時間で回れきれるような場所ではないからだ。とくに雑貨の類いはカラーバリエーションが豊富で、あちこちが虹色になっていた。

Thai Camp (Video)

Video|ビデオ

Thursday, March 8 - Monday, March 12|Thai Camp

Here is a video clip summarizing our "Thai Camp," a 5-days project, conducted in Thailand.  A part of this video was shared after the presentation session on the final day.

「特別研究プロジェクトB:コミュニティリサーチのデザインと実践」の一環でおこなった、タイでの活動をまとめたダイジェストビデオです。

Video: Nuey Pitcha Suphantarida

マイペンライでゆこう(5)

Day 5:2018年3月12日(月)

あっという間に最終日をむかえた。いつもは、インタビューの対象になった本人にもう一度会って、目の前でポスターを披露するのだが、今回は、それがかなわなかった。それでも、それぞれのペアがどのようにポスターづくりに取り組んだのか、その経過を共有する時間は大切だ。なるべく記憶が新鮮なうちに、ことばにしておく(誰かに投げかけておく)のがいい。(完成したポスターを目にしたときの本人たちのリアクションについては、ヌイが何らかの方法で記録してくれることになった。)
10時ごろ、ホテルの部屋に集まって、ちいさな成果報告会を開いた。ノボさんにも参加してもらうことができた。順番に、どのように話がすすんだのか、どのようなことを考えながらポスターをつくったのかについて紹介した。ポスターは、印刷されたものではなく、ディスプレイのなかで。今回は、いつもとくらべると、いろいろと勝手がちがうことがたくさんあったはずだ。まずは、無事に完成したことを素直に喜びたい。
3枚のポスターには、一人ひとりの個性が表れている。だが、話をしているうちに、共通点があるようにも思えてきた。いつもぼくたちは、インタビューをとおして、できるかぎり、人びとの自然な表情をとらえることを目指している。ぼくたちは、ことなる(社会的な)役割を自覚しつつ、さまざまな文脈で(意識的にも無意識的にも)「ふさわしい」と思われる「顔」を見せようとしている。それは日常的に「あたりまえ」にくり返されているので、さまざまな「顔」を切り替えていることにはあまり気づかないのだ。

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ぼくたちは、フィールドワークという方法で人びとの日常に「お邪魔する」ことで、その「あたりまえ」を揺さぶろうとする。形式ばったやり方ではなく、なるべくリラックスしながら話をしていると、ふとした拍子に相手の表情が変わることがある。職場では、当然のことながら、それぞれの役割をまっとうする表情があるはずだが、たとえば、ふと「おかあさん」になる。あるいは、休日を一緒に過ごす「仲間」になり、ごくふつうの「二十歳の女性」になる。今回のポスターは、いずれも表情が「ゆるむ」場面をとらえているように見える。

さらに、お互いにどのような「顔」を見せ合っているかという話から、興味ぶかい議論になった。たとえば、職場で「おかあさん」の表情を見せるのは「よいこと」なのか。あたえられた役割に「ふさわしい」表情を見せることが求められるのではないか。上司は上司らしく、部下は部下らしく、リーダーはリーダーらしく。規律が求められる職場であるならば、なおさらのことだ。「オン」と「オフ」をきちんとわきまえることが大事だとするならば、表情が「ゆるむ」場面をポスターにすることに、どのような意味があるのだろうか。もしぼくたちがつくったポスターが、工場の掲示板に貼られたとしたら、ポスターのなかの表情を見た同僚たちは、どのように反応するのだろうか。「ふさわしい」と感じるだろうか。

ぼくは、学生たちの発表を聞きながら、ポスターの「ふさわしさ」について、ぼんやりと考えていた。ノボさんは、タイで暮らしていた経験をふまえて、「いわゆる“political correctness”のようなことは、タイではさほど重要視されていないかもしれない」と言った。なるほど、「ふさわしいかどうか」よりも、「ふさわしさを問うこと」自体について、あらためて考えてみたほうがいいということか。
ここのところ、ぼく自身は、さまざまな場面で「黒か白か」「1(イチ)か0(ゼロか)」「オンかオフか」というように、くっきりと区別や選択を求めがちなことに、ちょっとした違和感をおぼえている。ぼくたちは、現実的には、そう簡単に決められないことに直面することが少なくないからだ。なのに、ぼくはなぜ「オンかオフか」を気にかけ、ポスターのなかの表情が「ふさわしいかどうか」を問いかけたのだろう。

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全体をとおして、今回の「キャンプ」はゆるやかにデザインされていた。「ノープラン」ではなかったが、現場を見ながら決めた部分が少なくなかった。ぼくとしては、ちょうどいい具合だったと思う(参加した学生がどのように感じていたかについては、あとで聞いてみよう)。
あまりにも緻密に計画を立てると、そのとおりにこなすことが目的になってしまう。もちろん、計画どおりにすすんだかどうかで「キャンプ」を評価することは大切だ。だが、予期せぬハプニングに出会い、いろいろな調整や判断が必要になったときこそ、ぼくたちの知恵や工夫が試される。そもそも、天気や体調のことは、あらかじめ計画できる性質のものではない。すべては、事前の計画を、現場の状況とつき合わせながら、まさに行動のなかで理解していくしかないのだ。

今回も、いろいろな人に助けられて「キャンプ」が実現した。ひとまずこれで「タイキャンプ」は終了。ぼくは、ベトナム経由で帰るので、その旅程に合わせてひと足先にバンコクを発つ。まだ少し時間に余裕のある学生たちは、残されたひとときを楽しむべく、まちに出かけた。ありがとう。お疲れさまでした。🐊
(おわり)

おまけ:タイで食べた(3月8日晩〜12日昼)

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Thai Camp (Posters)

Posters|ポスター

Thursday, March 8 - Monday, March 12|Thai Camp

These posters were created as a part of "Special Research Project B: Design and Practice of Community Research," conducted in Thailand, March 8 - 12, 2018. In this project, Keio students interviewed factory workers in casual (informal) fashion, worked on poster designs, and made presentations on the final day.

We thank Nuey and her family members for their warm support toward a joyfull completion of the project. ขอบคุณค่ะ 🙇‍

今回の滞在中に制作したポスターです。加藤研の学生は、ペアでバンコク郊外の工場ではたらく人びとを訪ね、施設見学をしながらインタビューをおこない、最終日のプレゼンテーションに向けてポスターのデザインをすすめました。 

 

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Nao Kokaji and Yudai Matsumuro

 

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Michino Hirukawa and Mariko Yasuura

 

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Yoshinori Hanawa and Rito Tajima

 

 

マイペンライでゆこう(4)

Day 4:2018年3月11日(日)

4日目。きょうは、35℃くらいまで気温が上がるみたいだ。少しずつ疲れも出てきたし、ポスターづくりの時間も必要なので、全員で行動するのは午後からにして、それまでは、自由に過ごすことにした。
そう言いながら、ゆっくり寝ている気分にもなれず、とくにまだ朝の涼しいうちに、少しでもまちを歩いておこうと思った。ヌイとなおと一緒に、近所のカフェで朝ごはん。善し悪しはともかく、とても「いまふう」のカフェだ。店内の設えも、家具も照明もメニューも、店内に入るとバンコクにいること感じさせない、「最近よくあるカフェ」の雰囲気だった。でも、これが“ユニバーサル”であるはずもなく、なんとなくぼくたちが「最近よくあるカフェ」に慣れてしまっただけのことだ。(英語が通じることもふくめて)ある種の安心感はあるが、どこに行っても同じような(とてもよく似ている)場所を求めてしまうのは、ちょっと寂しい気もする。

ほんの数ブロック歩くだけでも、新旧が混在しているようすがわかる。まちは、変化している。そのあと、ホテルのそばにあるBangkok Art and Culture Center(bacc)まで出かけた。時間がなくて展示を見ることはできなかったが、建物のなかをぐるっとめぐって、ブックストアでしばらく過ごした。数年前に日本を主題に開かれた展示のカタログや日本にかんするガイドブック(+エッセイ) を購入。
Tシャツや文房具、雑貨など、「日英タイ」が記されているモノもあった。うまく表現できないのだが、それは「無国籍」というよりは、いくつもの文化がブレンドされて「タイ流」になっているような感じだ。いろいろな形で、日本の文化(それも、すでに多文化がブレンドされたものかもしれないが)がしみ込んでいる。

正午。みんなで集まって、旧市街地のチャルンクルン通り(Charoen Krung Road)へ。Thailand Creative & Design Center(TCDC)を目指した。TCDCは、かつての場所から旧バンコク中央郵便局に移転し、昨年の5月にオープンした施設だ。古い建物のなかに、コワーキングスペースやライブラリー、ショップ、ギャラリーなどがある。フロアプランには、メイカースペースやMaterial & Design Innovation Centerという表示もある。この界隈は「Creative District」として位置づけられ、このTCDCを中心に整備される計画があるという。

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まずは屋上に上がって、バンコクのまちを眺めてみた。手前には旧市街地の古い建物が見えて、その後ろには工事中の高層ビルが並ぶ。ここでも、新旧が混在しているようすを見てとれた。
コワーキングスペースを眺めてから、1Fのギャラリーへ。“Dear Elders”という展示を見た。タイトルどおり、高齢化社会をテーマにした展示で、とても面白かった。タイでは、まもなく高齢者の数が子供の数を上回るという。その現状をさまざまな観点から調査し、まちなかの空間(ストリートファニチャー)、人間関係(住まい方)など、未来に向けてどのような再編成が可能かという問題意識ですすめられたプロジェクトが紹介されていた。コンパクトな展示だったが(ギャラリーがもう少し広くてもいい?)、ゆっくりと時間を過ごした。いろいろ、参考になる。

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ホテルのそばまで戻って、遅めの昼ごはん。そのあとは、もう昼寝をするしかなかった。
結局、滞在中に残された「作業」のことを考えて、晩ごはんはホテルで食べることにした。近所の屋台などで料理やくだものを買ってきて、大きな部屋(本当に広い)にみんなで集まった。海外で「キャンプ」を実施するときは、ふだんと条件がずいぶんちがう。それでも、滞在中に成果をまとめることができるかどうかが課題だ。「作業」の時間を確保するために簡単な食事にするつもりだったが、むしろアットホームな感じで、のんびりと過ごしてしまった。楽しい食事だった。早いもので、もう明日が最終日。🌶

(つづく)

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