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まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

場のチカラ プロジェクト

「場のチカラ プロジェクト」(愛称:バノチカ)は、2003年春にスタートしました。


何が起きるかわからない…。ぼくたちは、変化に満ちた時代に暮らしています。

たとえば、じぶんの身近な生活空間について考えてみると、まちや地域をめぐる、暗い話題は絶えません。実際に、“シャッター通り”と呼ばれるような商店街は、閑散としていて、寂しい気分になります。何らかの方策を求める声が、聞こえてくるのも確かです。しかしながら、ここ数年、みんなで全国各地を巡っていて、あらためて気づいたのは、そのような不安(あるいは不満)、問題に向き合いながらも、明るくてエネルギッシュな人びとが、確実にいるということです。そこに、“何があっても、どうにかなる”という、人びとの強さを感じます。また、諸々の問題を抱えながらも、ぼくたちを笑顔で迎えてくれる優しさにも出会います。それが、リアルです。

この圧倒的なパワーを持って、目の前に現れるリアリティに、どう応えるか。それはまさにコミュニケーションに関わる課題であり、ぼくたちが「場のチカラプロジェクト」として考えてゆくべきテーマです。お決まりの調査研究のスキームに即して、「報告書」を書いているだけでは、ダメなのです。つぶさな観察と、厳密な記録、さらには人びととの関わりをもふくめたかたちで、学問という実践をデザインすることに意味があるのです。

このプロジェクトでは、〈コミュニケーション〉という観点から「場」というコンセプトについて考えます。地域コミュニティのなかで、創造性に富み、活気のある「グッド・プレイス(good place)」はどのように生まれ、育まれてゆくのか…。まずは、じぶんの足で歩くことからはじめます。五感を駆使してまちをじっくりと眺め、気になった〈モノ・コト〉をていねいに「採集」することを大切にします。それは、つまるところ、ひととの関係性を理解することであり、じぶん自身と向き合うことでもあります。ケータイをはじめとするさまざまなモバイルメディアは、センサー(観測装置)の集まりなので、ぼくたちの身体感覚を拡張させる「装備(gear)」として携行し、フィールドでの体験を記録します。

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「場」は、たんなる物理的な環境ではなく、人と人との相互作用が前提となって生まれます。つまり、上述のとおり、「場」は、コミュニケーションのための〈空間と時間の整備〉(つまり、ファシリテーション)として、アプローチする必要があります。さらに、人びとが「状況(situation)」をどう理解するかは、個人的な問題であると同時に、社会的な関係の理解、環境との相互作用の所産として理解されるべきものです。関わる人びとの数によって、「場」の性質は変わるはずです。単発的に生まれ、一度限りで消失する「場」もあれば、定期的・継続的に構成され維持されていく「場」もあります。

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こうした人びとの暮らしや生活を理解するための「しかた」(調査・学習・表現に関わるさまざまな考え方・道具・実践)をデザインし、実際にフィールドに出かけて、その有用性を試すこと、意味づけをおこなうことが、このプロジェクトの中心的な活動になります。