まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

大垣キャンプ(ドキュメント)

ビデオでふり返る

2019年5月24日(金)から26日(日)の成果報告会までを記録した、ダイジェストビデオです。このビデオは、現地にいるあいだに撮影と編集を済ませ、「キャンプ」のプログラムのなかで上映・鑑賞する「リアルタイム・ドキュメンテーション」の試みです。26日の成果報告会のなかで上映しました。

◉撮影・編集:木村 真清・高島 秀二郎

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2019年5月26日(日)ビデオ上映のようす

 

大垣キャンプ(ポスター)

ポスターをつくる

ポスターづくりのプロジェクトをはじめて、もうすぐ10年。これまで、全国をめぐりながら、みんなで(学生たちは毎学期入れ替わりますが)500名近くの人に出会い、話を聞く機会に恵まれました。一人ひとりの暮らしの一場面をポスターにして、それを眺めながら語る。人やまちを理解するための方法として、態度として、続けてきました。
今回は、8名のかたがたにインタビューをおこない、ひと晩かけてポスターをつくりました。“ポスター展のポスター”をふくめて9枚。取材にご協力いただいた(いただいている)みなさん、ありがとうございました。

大垣の人びとのポスター展
  • 日時:2019年5月26日(日)12:00ごろ〜
  • 会場:ちょいみせキッチン(〒503-0887 岐阜県大垣市郭町1-34 1F)

* 26日(日)12:30〜 成果報告会をおこないます。13:30ごろ〜 ふり返りビデオ鑑賞・まとめと講評成果報告会は終了しました。ありがとうございました。

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今回の滞在中につくったポスターは、「ちょいみせキッチン」の平塚さんのご厚意で、下記のとおり展示されることになりました。(2019年5月27日追記)

  • 日時:5月29日(水)、31日(金)、6月1日(土)、2日(日)、5日(水)、6日(木)、8日(土)、9日(日)11:00〜18:00ごろまで(変更の可能性あり)
  • 会場:ちょいみせキッチン

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 ポスター展のポスター

 

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2019年5月26日(日)|成果報告会のようす(ちょいみせキッチン)

 

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 堤 飛鳥・比留川 路乃

 

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 森部 綾子・パナヨティドゥ, クリスーラ

 

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加藤 夏奈・牧野 岳

  

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 染谷 めい・久慈 麻友

 

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日下 真緒・大門 俊介

 

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 田村 糸枝梨・スパンタリダー ピッチャー

 

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坂本 彩夏・太田 風美

 

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安藤 あかね・矢澤 咲子

 

 

 

exploring the power of place - 031

【本日発行】️ 😉あたらしいメンバーとともに、あたらしい時代をむかえています。早いもので、春学期も中盤へ。加藤研のウェブマガジン “exploring the power of place” は、第4期(4年目)のはじまりです。第31号(2019年5月20日号)『余白のものがたり(1)』をお届けします。→ https://medium.com/exploring-the-power-of-place/tagged/031

◎ 第31号(2019年5月20日号):余白のものがたり(1)
  • たまぁの片付け(笹川陽子)
  • 「めい」を名乗る(染谷めい)
  • その大きさを“かえて”(木村真清)
  • 動きとともに生まれゆく(森部綾子)
  • ぶかぶかの制服(坂本彩夏)
  • キッチン(加藤文俊)
  • 太郎の日曜日(佐藤しずく)
  • 「ふところ」の広い文字(矢澤咲子)

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余白の理由(2)

キッチン

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。どこのでも、どんなのでも、それが台所であれば食事をつくる場所であれば私はつらくない。

吉元ばななの『キッチン』は、出てすぐに読んだので、もう30年ほど前のことになる。たしかに、キッチンは大切な場所だと思う。つくるときのふるまいや、心のありようのなかに、食べること以上の価値を見出せるのかもしれない。「カレーキャラバン」の活動が7年も続いているのは、一緒につくることが楽しいだけでなく、もっと大事な〈何か〉を感じているからだろうか。友人とのやりとりのなかで、あらためて確認したのだが、調理をしながらのコミュニケーションはとても気楽だ。一緒に並んで調理台に向き合っているので、目と目を合わせずに話がすすむ。手を動かしながらだと、ごく自然に緊張も和らぐ。(料理を仕上げるという)目標をきちんと共有しているから、別々のことをしていても、ばらばらではない。ほどよい距離を感じながら、時間が流れる。

キッチンは、食べたり飲んだりする前後の時間を過ごす場所だ。つまりそれは、もっぱら準備や片づけのための場所である。ふだんはさほど意識しないが、キッチンでは、食卓を囲む時間を想像しながら、あるいはふり返りながら過ごすことが多い。実際に食べている時間とくらべると、キッチンで過ごすほうがはるかに長いとさえ思う。誰かと一緒なら、おしゃべりしながら野菜を刻んだり、皿を洗ったりする。一人で過ごすときでも、いろいろなことを考えつつ、じぶんと語る。

あたらしい年度になって、大掃除をした。いま職場でつかっているのは「共同研究室」ではあるものの、シャワーやキッチンが併設された「ハウス」として設計されている。もっと早くに片づけておけばよかったと、少しばかり後悔しながら、思い切って不要なモノを処分する。単純なことながら、モノを減らすと空間に余裕ができて、その分、気持ちにもゆとりが生まれてくる。

キッチン周りも整理して、調理台をつくることにした。これまでつかっていたデスクは、立って作業をしているとすぐに腰が痛くなった。DIYの簡単なものだが、少し高めのサイズにしただけで、料理をしようという気になるから不思議だ。無理のない姿勢でいられるので、おのずと長居するようになる。つくって間もないが、まずまず好評のようだ。せっかくなので、できるだけこの調理台をつかってもらいたい。それでこそ、こしらえた甲斐があるというものだ。キッチンに誰もいないと、ちょっと寂しい。

調理台は、いつも綺麗にしておきたい。清潔であることはもちろん、つかうたびに、きちんとモノを片づけておこう。というのも、またいつでも食事をつくることができるように、調理台は「空いている」ことが大事だからだ。広びろとした調理台に、ぼくたちは誘われる。モノが置かれていない「空いている」天板は、「(調理人たちを受け入れる)準備ができている」という合図だ。キッチンで、一緒に調理台を囲む。準備をしていると、少しずつ食材や調味料が置かれて、調理台は何もない「空いた」状態から変化してゆく。調理台の上が賑やかになっていくのと呼応するように、ぼくたちのコミュニケーションのリズムも刻まれる。他愛のない話も真面目な話も、レシピの一部になるかのようで、ぼくたちは、「間」を埋めることなど気にせずに語ることができる。いい時間がうまれる。キッチンは、それを絶妙に後押ししてくれる場所なのだ。調理台の前だと話しやすくなる、もうひとつの理由は、「空いている」ところからはじまるからなのかもしれない。

『キッチン』の細かな内容は忘れてしまったが、時間の流れを、つまり人とのかかわりを見つめる場所として描かれていた。あらためて、そのことに気づいた。(つづく)
 
◎この記事は、加藤研究室のウェブマガジン exploring the power of place 第31号(2019年5月号)に掲載されました。 キッチン - exploring the power of place - Medium

大垣キャンプ

大垣で考える・つくる

ぼくたちの「キャンプ」は、いつも幸運な出会いではじまります。2019年度春学期は、あたらしいメンバーをむかえて、大垣市(岐阜県)に出かけることになりました。まちの人びとを対象に取材をおこない、その結果をもとに滞在中にポスター/ビデオなどを制作する予定です。

ここ数年、地域活性学会の研究発表大会でIAMAS情報科学芸術大学院大学)の金山先生にお目にかかる機会があり、そのたびに「何かでご一緒できるといいのですが」「大垣に行きたいです」などと言いながら、なかなか実現できずにいました。そして、ようやく「大垣キャンプ」の実施へ。IAMASつながりといえば、ずっきーこと鈴木さん(ごぶさたしています)をはじめ、知り合いがたくさんいます。カレーキャラバンのことで、(ちょっとだけど)やりとりしたとみ像さんとか。最近だと島影さんも。他にも、仕事やアートプロジェクトなどでも、IAMAS出身者に出会う機会が多いのですが、実際に大垣でフィールドワークをおこなうのは初めてのことです。
年度末はなかな調整できず4月になって、ドタバタと下見に行ってきました。大垣駅前(南口)界隈を中心に歩いて、宿泊先や作業スペースのことなどを話しつつ、まちのようすが(わずかながらも)わかりました。やっぱり歩いてみないと。そして、大垣駅のそばで「ちょいみせキッチン」を主宰している平塚さんにもつないでもらいました。下見の日にはお目にかかれなかったのですが、作業や成果報告会(ポスター展)の場所として「ちょいみせキッチン」を利用できるよう調整をすすめています。

4月7日の時点で、まだまだ調整が必要なことがたくさんありますが、なんとかなるでしょう…。「大垣キャンプ」が、36か所目。ぼくたちのポスターづくりのプロジェクトは、今年の9月で10周年をむかえます。

わずかな滞在時間ですが、まちを歩くこと、人と出会うこと、「ちいさなメディア」をつくること/流通させることの可能性や意味について考えてみたいと思います。最終日(26日)には、ポスター展と成果報告会をおこなう予定です。 

  • 日時:2019年5月24日(金)〜26日(日)(原則として現地集合・現地解散)
  • 場所:大垣市(岐阜県
  • 本部(作業):ちょいみせキッチン(予定)(〒503-0887 岐阜県大垣市郭町1-34 1Fhttp://choimise.net/
  • 参加メンバー(加藤文俊研究室):19名(大学院生 3名・学部生 15名・教員 1名)
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📢プレスリリース:大垣キャンプ(フィールドワーク)について(2019年5月16日) → http://vanotica.net/ogkp/pr_190516.pdf

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2019年4月5日(金)

スケジュール

5月24日(金)

  • チェックイン
  • 18:00〜18:30 集合:ちょいみせキッチン(〒503-0887 岐阜県大垣市郭町1-34 1F
  • 19:00〜 交流会

5月25日(土)

  • 10:00ごろ〜 フィールドワーク・インタビュー(グループごとに行動・取材先に応じて随時スタート):2名のグループで、インタビュー先に出かけて話を聞きます。もちろん、写真も撮ります。
  • 14:00ごろ〜 アイデア出し・デザイン作業(グループごとに行動):フィールドワークで集めてきた素材をもとに、ポスターのデザイン/編集作業をすすめます。
  • 17:30ごろ 夕食
  • 19:00ごろ〜 アイデア出し・デザイン作業(つづき)

5月26日(日)

  • 8:00 ポスターデータ入稿:データ提出(時間厳守)→ 印刷へ
  • 10:00〜 展示準備・設営 会場:ちょいみせキッチン(〒503-0887 岐阜県大垣市郭町1-34 1F
  • 12:00ごろ〜 「大垣の人びとのポスター展」
    (12:30〜 成果報告会;13:30〜 ふり返りビデオ鑑賞・まとめと講評)
  • 14:00ごろ 片づけ・解散

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2019年4月5日