まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

朝まで語ろう:「論文を書く」ということ

2023年11月19日(日)

JST-SPRING「未来社会のグランドデザインを描く博士人材の育成」という慶應義塾のプロジェクトでは、「Art/Design/Communication(ADC)」というコアプログラムを、全塾13研究科の後期博士課程学生に提供している。博士課程になると、一人ひとりが博士論文に向けた研究に勤しむので、受給者どうしを出会わせるための仕組みだと理解することもできるだろう。たしかに、たくさんの大学院生がいるのに、横のつながりをつくる機会は(ぼくの知るかぎり)ほとんどなかった。

研究科委員長として、JST-SPRINGの企画・実施にかかわる委員会の末席にくわえていただき、昨年度は社会学研究科の科目のなかで「岩淵町界隈を歩く:人と暮らしに近づく」というまち歩きを実施した。
くわえて、SFCのβヴィレッジ(滞在棟)で「朝まで語る」ような時間を設けたいと考えていた。やはり寝食をともにする経験は大切だし、学生と教員がじっくりと「腹を割って」話をすると、研究のこと(そしてその前提となる生活のこと)も不思議と整理され、その後のコミュニケーションも円滑になる。これは、じぶん自身の体験からもいえることだ。

この滞在棟での企画は、1年くらい前から提案はしていたものの、COVID-19の影響で施設利用に制限があったり、夏はあまりにも暑いので涼しくなるのを待とうと思ったり。結局のところ、9月末に研究科委員長としての役目を終えてから実現することになった。

概要

あらかじめ、以下のような内容を案内していた。

朝まで語ろう:「論文を書く」ということ

  • 参加教員:
    • (企画・準備)加藤 文俊(政策・メディア研究科委員 環境情報学部教授)
    • 岡原 正幸(慶應義塾大学 名誉教授)
    • 高汐 一紀(政策・メディア研究科委員長 環境情報学部教授)
  • 日時:2023年11月18日(土)〜19日(日)*現地集合・現地解散:18日16:00ごろ集合→19日10:00ごろ解散
  • 場所:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス βヴィレッジ 滞在棟1(β1) https://b-village.sfc.keio.ac.jp/b1/

スケジュール(暫定版)

11月18日(土)

  • 16:00くらい 集合(SFC滞在棟1)
    • 自己紹介・オリエンテーション(施設利用について、など)
    • 食事の準備
  • 18:00くらい 会食(食べる・飲む・話す)*いちおう、テーマは 〈「論文を書く」ということ〉ですが、いろいろ話をします。
  • 時刻未定 就寝(「朝まで」は、たぶん体力的に無理なのでまぁ常識的なところで寝ることにします)

11月19日(日)

  • 8:30くらい 朝食
  • 9:00ごろ 片づけ→解散
経過

2023年11月18日(土)〜19日(日)にかけて、「朝まで語ろう」を実施することを決め、滞在棟1を予約した。もともと「集まって、飲んで食べてしゃべる」という、ただそれだけの集まりをひらきたかったのだが、「企画」として成り立つかどうかわからず、〈「論文を書く」ということ〉をテーマに掲げた。10月22日(日)にJST-SPRINGのSlackで案内し、参加者を募った。

最終的には大学院生 3名、JST-SPRINGメンター(かつての受給者で、すでに修了)1名、教員・チューター 3名というちいさな集まりになった。残念ながら、ADCの中心的な存在である岡原さん(じつは、この企画を楽しみにしていた…)は参加がかなわず。

11月18日(土) 

16時過ぎに滞在棟を開けて、少しずつ夕食の準備。暑い夏が終わって、朝晩が冷え込むようになってきたので、温かいものを食べようと決めていた。夜から参加する予定だった1名をのぞいて、全員が集合。

あらかじめ、〈「論文を書く」ということ〉というテーマを設定していたが、ほぼフリーなかたちで時間を過ごした。なにより、研究室やセミナールームで向き合うのとはちがう。おでんの鍋を囲みながら、そして終電を気にしてソワソワすることもなく、のんびりと語らっていた。結果的には、人数もちょうどよかったように思う。
18時ごろから食べはじめて(語りはじめて)、日付が変わって午前2時近くまでしゃべっていた。ふり返ってみると、その間、スマホやPCを確認することはほとんどなく、いわゆる「デジタルデトックス」にもなった。ぼく自身も、ふだんならたくさん写真を撮ったはずなのだが、ほとんど撮らなかった(この記事に載せているのは参加者が写したもの)。
ずっと、他愛のないおしゃべりだった気もするが、それぞれの大学院生としての日常に触れることができたので、個人的にはとても面白かった。堅苦しくない自然な感じが、よかった。

11月19日(日)

学部の研究会や授業で、たびたび滞在棟を利用しているが、きちんと眠れたことがない。かならず何名かの学生たちが夜通し(それなりに大きな声で)しゃべっていて、寝ている人への配慮はない。
今回は、みんな「おとな」だったのでよかった。ひとしきりしゃべって、寝ようかという頃合いが午前2時くらいではあったものの、そのあとは静かに、よく眠ることができた。早起きして、近所の遠藤笹窪谷公園まで、朝の散歩。
8時ごろにはみんな起き出して、朝食の準備。テーブルを囲みながら、またのんびりとおしゃべりをしていた。チェックアウトの時刻を気にしなければ、そのまま数時間は話していたかもしれない。片づけをして10:00ごろには解散。

解散したあと、所属や名前を確認する連絡をしたところ、学生たちからは以下のようなコメントとともに情報が送られてきた。おおむね、楽しく過ごしてもらえたようだ。

ありがとうございました。本当に楽しい週末を過ごせました。…大学院から入学すると他のプログラムとの交流がほとんどないのでこのようなイベントに参加できて幸せでした。次回も楽しみにしています!(D1)
めちゃくちゃ楽しかったです!全く違う領域を研究している人たちと繋がれて、先生方とも贅沢にどっぷり話せて最高でした!!次回もよろしくお願いします!(D2)
短い間でしたが、ありがとうございました。久しぶりにパソコンから離れ、ゆっくりできました。(D1)

 

追記:

11月22日(水)

さらに数日後、参加者の一人からビデオのファイルが送られてきた。今回の2日間のダイジェストになるとともに、こうした反応があったこと自体、この企画が、大学院生の日常生活に多少なりとも潤いをもたらしたことの表れなのだと思う。

玉名キャンプ

玉名で考える・つくる

更新記録
(2023-11-15)きっかけ|つながりの系譜を加筆
(2023−11−10)打ち合わせ・下見で玉名へ
(2023-8-1)玉名キャンプ(熊本県)の準備を開始。

フィールドワーク型のワークショップを「キャンプ」と呼んで、学生たちとともに全国のまちを巡っています。まちで出会った人びとに話を聞いて、ひと晩でポスターをつくります。やや荒削りではあるものの、まちに暮らす人びとの姿をできるかぎり自然に映しとり、ことばを添えます。「まちに還す」ことの大切さと面白さを味わいながら、ポスターづくりのプロジェクトは15年近く続いています。


◎キャンプ(2004〜)2023年11月1日現在 → 地域別インデックス 

https://camp.yaboten.net/entry/area_index

 

【きっかけ|つながりの系譜】

COVID-19のせいで動きを止められていましたが、白地図を塗りながら続けているこのプロジェクト、47都道府県の踏査まで、残り6府県です(つまり、今後は、まずは塗られていない場所を優先しながら順番に出かけて行くことになります)。今回は、平野利和さん(玉名市役所)との接点から、熊本県に出かけることになりました。調べてみたら、最初に平野さんからメールが届いたのは2016年の3月、7年以上前のことでした。最初のコンタクトは、ぼくたちがすすめている「カレーキャラバン」の活動がきっかけで、玉名でカレーをつくろうというお話でした。
そのときは、出かけていくことができず、その後は、2019年8月に「特別研究プロジェクト」として、「玉名キャンプ」(ポスターづくりのワークショップ)を計画していたのですが、天候不順のため実施することができませんでした。
そして、ようやく熊本行きが決定。今年の8月ごろからオンラインでやりとりしつつ、準備をすすめてきました。話しているなかで、今回は、玉名市天水町の界隈で実習をおこなう段取りになりました。そして、11月10日・11日に、ごあいさつと下見のために玉名へ。

空港(阿蘇くまもと空港)から熊本駅経由で玉名までは(バス+電車で)90分ほど。玉名駅で平野さんと中島健太さん(玉名市地域おこし協力隊)と落ち合って、市役所(地域振興課)でごあいさつ。そのあとで、逗留先となる天水山荘へ。あいにくの雨でしたが、晴れていたら美しい景色を眺めることができるはずです。ただし、クルマがないと、移動はなかなか難しそう。
ポスター展の会場は、おそらくは「草枕温泉てんせい」のエントランスの辺りになりそうです。杉森幸四郎さん(副支配人)にお目にかかって、プロジェクトの概要について話しました。このエントランスの部分は、もともとは展示スペースとして整えられていたようで、ポスターを掲出するためのボードも使わせていただけそうです。
そういえば、これまでにも温泉で展示(成果報告会)をおこなったことがあるのを思い出しました。2013年(10年前!)に北杜市(山梨県)の「増富の湯」で、そして2016年に深浦町(青森県)の「不老ふ死温泉」でポスター展を開きました。なので、温泉での「ポスター展」は3度目となります。
夕方は、平野さん中島さんとともに玉名の「兆治」で一献。食べて飲んで、「玉名キャンプ」の感触を味わっていました。雰囲気だけでえらんだ「HIKE」は、簡素ながら居心地のいい宿でした。翌朝は、博多経由で戻って来ました。

参考までに、これまでに実施した九州・沖縄地方での「キャンプ」は、以下のとおりです。

玉名キャンプ
  • 日時:2023年12月8日(金)〜10日(日)(現地集合・現地解散)*8日は移動日
  • 場所: 玉名市(熊本県)
  • 参加メンバー:加藤文俊研究室 20名(学部生 18名・大学院生 1名・教員 1名)*11月10日現在

📢  プレスリリース:玉名キャンプ(フィールドワーク)について(2023年11月11日)→ https://vanotica.net/tmn/pr_231111.pdf

スケジュール(暫定版)

12月8日(金)
  • 18:00 集合:草枕山荘(〒861-5401 熊本県玉名市天水町小天511-1)(予定)
  • 20:00 オリエンテーション(仮)
12月9日(土)
  • 10:00 オリエンテーション
  • 10:30ごろ〜14:30ごろ インタビュー/フィールドワーク(グループごとに行動・取材先に応じて随時スタート)
  • 15:00ごろ〜 デザイン作業(グループごとに行動):インタビュー/フィールドワークで集めてきた素材をもとに、編集作業をすすめます。
  • 18:30 夕食(食後も引き続きデザイン作業)
12月10日(日)
  • 00:00 ポスターデータ提出(時間厳守)
  • 10:30ごろ〜 ポスター展準備 会場:草枕温泉 てんすい(〒861-5406 熊本県玉名市天水町小天511-1)
  • 12:30ごろ〜 「玉名の人びとのポスター展」
  • 成果報告会 12:30ごろ〜(ふり返りビデオ上映 13:00ごろ〜)
  • 14:30ごろ〜 解散

2023年11月10日・11日|打ち合わせと下見