更新記録
UPDATED(2025年7月9日)「3 方法と態度」を追加(前に書いた文章をもとにしているので、確認しつつ、適宜修正します)。
(2025年7月7日)「2025年度秋学期のおもな活動(案)」にちょっとだけ加筆しました。
(2025年7月4日)「履修したいと思ったら」に課題を登録し、ページの上方に移動しました。
(2025年7月3日)「履修したいと思ったら」「2025年度春学期のおもな活動」「2025年度秋学期のおもな活動(案)」に追記しました。
(2025年6月19日)シラバス(詳細版)入力中です。随時更新するので、マメにチェックしてください。
大学のオフィシャルサイトにある「研究会シラバス」をかならず確認してください。
もくじ
※ 加藤研メンバー(2025年6月19日現在):大学院生 7名(博士課程 2名・修士課程 5名)・学部生 14名(4年生 6名・3年生 5名・2年生 3名)
1 はじめに
ぼくたちは、絶えずコミュニケーションしながら暮らしています。
ワツラヴィックらは、『人間コミュニケーションの語用論』(二瓶社, 2007)のなかで「コミュニケーションにおけるいくつかの試案的公理」について述べています。その冒頭に挙げられているのが、「We cannot NOT communicate(コミュニケーションしないことの不可能性)」です。つまり、ぼくたちは、いつでも、どこにいても、コミュニケーションせざるをえない。非言語的なふるまいはもちろんのこと、沈黙もまたメッセージであることに、あらためて気づきます。
そして、コミュニケーションについて考えることは、(いつ・どこで・だれが)集い、(何を・ どのように)語らうのかを考えることだと理解することができます。つまり、コミュニケーションへの関心は、必然的に「場所」や「場づくり」への関心へと向かうのです。この研究会では、コミュニケーションという観点から、人びとの「移動」や人びとが集う「場所」の成り立ち、「場づくり」について実践的な調査・研究をすすめています。
いま述べたとおり、人と人とのコミュニケーション(ヒューマンコミュニケーション)が主要なテーマです。既存の学問分野でいうと社会学や社会心理学ということになりそうですが、ぼく自身は、学部を卒業後は「コミュニケーション論/コミュニケーション学」のプログラムで学びました。
何が起きるかわからない…。ぼくたちは、変化に満ちた時代に暮らしています。とくにこの4年近くのあいだはCOVID-19に翻弄され、これまで「あたりまえ」だと思っていたことを諦めたり手放したりする場面にいくつも遭遇しました。哀しい出来事にも向き合い、また不安をかかえながら不自由な毎日を強いられることになりました。でも、そのような不安(あるいは不満)、問題に向き合いながらも、明るくてエネルギッシュな人びとが、確実にいるということにも、あらためて気づきました。そこに、「何があっても、どうにかなる」という、人びとの強さを感じ ます。また、諸々の課題に向き合いながらも、ぼくたちを笑顔で迎えてくれる優しさにも出会います。それが、リアルです。
この圧倒的なパワーを持って、ぼくたちの目の前に現れるリアリティに、どう応えるか。それはまさにコミュニケーションにかかわる課題であり、ぼくたちが「研究会」の活動をとおして考えてゆくべきテーマです。お決まりの調査研究のスキームに即して、「報告書」を書いているだけでは、ダメなのです。つぶさな観察と、詳細な記録、 さらには人びととのかかわり(ときには、長きにわたるかかわりの「はじまり」に触れていることもある)をもふくめたかたちで、学問という実践をデザインすることに意味があるのです。
ぼくたちの活動は、たとえば「まちづくり」「地域づくり」「地域活性」といったテーマと無縁ではありません。でも、いわゆる「処方箋」づくりにはさほど関心がありません。 そもそも「処方箋」などつくれるのだろうか、と問いかけることのほうが重要だと考えます。「ふつうの人びと」の暮らしにできるかぎり接近し、その強さと優しさに光を当てて可視化するのです。そこまで行ければ、じゅうぶんです。あとは、人びとがみずからの暮らしを再定義し、そこから何かがはじまるはずです。ぼくたちのコミュニケーションのなかにこそ、たくさんのヒントがあります。
2 履修したいと思ったら
2025年度秋学期に「研究会」の履修を希望するひと
いくつかのステップを経て、履修者をえらびたいと思います。ちょっと面倒かもしれませんが、お互いのためです。結局のところは「えらび、えらばれる」という関係が大事だからです。大まかな流れは以下のとおりです。
*2025年度春学期に「研究会」を履修しているひとには、別途連絡します。
【Step 1】7月初め〜中旬
まずは、「研究会」についてあれこれと調べてみてください。参考資料を眺めたり、いくつか読んでみたりすると、内容についての理解が深まるはずです。
(0) 加藤のうごきをSNSでのぞいてみる。 https://www.instagram.com/frogleap/
(1) まず、このシラバスをじっくり読む(随時更新中です)。質問などあったら、25f [at] fklab.net 宛てに連絡する。*s(エス)は小文字、[at] は@に変える(以下同様)。
(2) 「研究会」を見学してみる(火曜日4-5限:7月8日・15日を残すのみ)。
(3) あるいは、「説明会」「成果報告会」などに参加してみる。
- 7月9日(水)16:45〜 XD説明会(τ11)
- 7月17日(木)・18日(金)18:15〜 研究会新歓(ε12, 21, 22, 23)
- 7月19日(土)昼ごろ カレーを食べてみる(オラ・ネウボーノ)くわしくは、このサイトをチェックしてください。→ https://curry-caravan.today/dates
【Step 2】7中旬〜8月中旬
よく検討した上で、履修したいと思ったら、課題に取り組んでください。ここ数年、ZINEや印刷物(紙媒体)について、あらためて注目していますが、その方向性との接点を知ることができるような課題を考えてみました。
(4) 課題に取り組む。下記リンク先の課題文をよく読んで、期限までに回答を送信してください。
【課題 A】→ https://forms.gle/sKpbyajLsUMM7gZf6
提出期限は2025年8月18日(月)23:59 です。
【Step 3】8月下旬
いちど、会って話しましょう。8月18日(月)以降、日程調整をします。できれば8月中にメンバーを決めたいと思っています。
(5) 面談します。面談というほど大げさなものでもなく、実際に会って、課題のことや関心領域などについて話をしてみたいと思います。
3 方法と態度
(履修のための必須条件にはしていませんが)「研究会」での活動にあたっては、学部の開講科目「フィールドワーク法」「インプレッションマネジメント」「リフレクティブデザイン」などの履修経験があることが望ましいでしょう。人と人とのコミュニケーションについて考えるために、フィールドワークやインタビューに代表される定性的(質的)調査法を活用します。また、現場に密着しながら活動し、その成果を世に問うためにワークショップを実施したり、展覧会を開いたりします。
フィールドワーク
ぼくたちは、フィールドワークやインタビューに代表される質的調査(定性的調査)を重視していますが、COVID-19の影響下での暮らしを経て、方法そのものの再定義・再編成が必要となりました。とりわけ、人びとの暮らしに接近し、能動的にかかわりながらその意味や価値を理解しようという試みは、対面での「密な」コミュニケーションを前提として成り立っており、あの時期は、研究会の活動そのものが大きな制約を受けていました。
いっぽう、会議や講義のオンライン化の試みをとおして、あらたな〈現場観〉が醸成されつつあります。さまざまなメディアを駆使し、さらに時間・空間を再編成することによって、定性的調査のありようはどのように変化するのか。オンライン環境における質的調査について検討することも、引き続き大切な課題になるでしょう。
観察と記述
つぶさな観察と詳細な記述からはじまるフィールドワーク(その先にはインタビューやワークショップなどを構想・実施)をとおして実践的に考えてみたいのは、たんなる調査の方法ではありません。従来からある「問題解決」(ビジネスモデル的発想)を志向したモデルではなく、「関係変革」 (ボランタリーなかかわり)を際立たせた、あたらしいアプローチを模索しています。より緩やかで、自律性を高めたかたちで人びとと向き合い、その「生きざま」 を理解し描き出すことを目指します。
つまるところ、ぼくたちは「調査者」という、特権的に位置づけられてきた立場をみずから放棄し、人びとの日常と「ともに居る」立場へと向かうことになります。その動きこそが、変革のためのよき源泉になると考えているからです。
2006年の秋ごろから「キャンプ」をコンセプトに、「研究会」の活動をデザインしていくことにしました。そもそも、「キャンパス」も「キャンプ」も、広場や集まりを意味する「カンプス (campus)」が語源です。大学の「時間割」によって組織化される時間・空間を再編成して、いきいきした「場」づくりを実践する。その実践こそが、活気のある「グッド・プレイス(good place)」はどのように生まれ、育まれてゆくのかを考えるヒントになるはずです。
「キャンパス」と「キャンプ」
「キャンプ」は、ぼくたちのコミュニケーションや社会関係のあり方を再認識し、再構成してゆくための「経験学習」の仕組みです。
「キャンプ」と聞くと、多くの人は、テントを持って出かける、いわゆる「アウトドア」の「野営」活動を思い浮かべるかもしれません。本格的ではないにしても、ぼくたちの多くは、おそらく、幼い頃に何らかの「キャンプ」体験をしているはずです。たとえば、林間学校や野外学習などの一環として、仲間とともに、飯盒でごはんを炊いたり、星空を見上げたり、火を囲んで語ったりした思い出はないでしょうか。ここで言う「キャンプ」は、必ずしも、こうした「アウトドア」の活動を指しているわけではありません。
「キャンプ」は、ぼくたちに求められている「かかわる力」を学ぶ「場所」として構想されるものです。さほど、大げさな準備は必要ありません。「キャンプ」は、日常生活のなかで、ちょっとした気持ちの切り替えをすることで、ぼくたちにとって「あたりまえ」となった毎日を見直し、「世界」を再構成していくやり方を学ぶためにあります。それは、道具立てだけではなく、心のありようもふくめてデザインされるもので、思考や実践を支えるさまざまなモノ、そして参加者のふるまいが、相互に強固な関係性を結びながら、生み出される「場所」です。
「キャンプ」に集約される「研究会」での活動にあたっては、以下のようなふるまいが求められます。
フィールドで発想する
「キャンプ」では、現場(フィールド)での直接的な体験から、〈モノ・コト〉を考えるスタイルを大切にします。もちろん、本・論文を読むこと、理論的な枠組みをしっかりとつくることも重要ですが、まずはじぶんの目で見ること・じぶんの身体で感じることを重視します。近年、「フィールドワーク」ということばが一般的に使われるようになりましたが、「フィールドワーク」には、地道に観察・記録をおこなうこと、時間をかけてデータの整理や解釈を試みることなど、知識を生成するための「技法」としてのトレーニングには(それなりの)時間とエネルギーが要求されます。まち歩きを愉しむことは重要ですが、一人前のフィールドワーカーとして、足(と頭)を動かすことが求められます。
カレンダーを意識する
忙しいことは悪いことではないと思いますが、じぶんの〈やりたいこと〉と〈やること〉とのバランスを上手く取らないと、すべてが中途半端になります。他の授業やサークル、アルバイトなど、さまざまな活動とともに研究会を大切にすることを強く望みます。言いかえるならば、〈望ましさ〉と〈実現可能性〉をつねに意識するということです。これはやる気、能力、チャンスなどと関連していますが、スケジュールや時間のマネジメントが重要である場合が少なくありません。中途半端にならないように、研究活動のカレンダーをきちんとデザインすることが重要です。
じぶんを記録する
フィールドワークを基本的なアプローチにする際、調査の対象となる〈モノ・コト〉への感受性ばかりでなく、テーマに取り組んでいるじぶん自身への感受性も重要です。つまり、じぶんが、いったいどのような〈立場〉で〈モノ・コト〉を見ているのか…をどれだけ意識できるかということです。また、その〈立場〉をどのように明示的に表現(=つまりは調査結果の報告)できるかが大切です。フィールドワークをおこなう際には、現場で見たこと・発見したことを書き留めるためにフィールドノートを書くのが一般的ですが、研究会の時間をふくめ、日々のじぶんを記録します。
コミュニケーションの練習
ことばを大切に正確につかいたい。つねにそう思いながら活動することを心がけています。たとえば「地域活性化」「まちづくり」「コミュニティ」など、 それっぽくて、その気になるようなキーワードはできるかぎり排除して、慎重にことばをえらびたいと考えています。つまり、コミュニケーションに執着するということです。「わかったつもり」で、ことばをえらばないこと。そして、相手(受け手)を考えて丁寧に語る/表現する姿勢を執拗に求めることです。
その練習のために、ジャーナリング(日々の活動日誌)、スケッチや図解、エッセイなどをおこないます(詳細は開講時に説明します)。
4 2025年度春学期のおもな活動
すべてを網羅することはできないのですが、活動のタイプは大きく3つに分けて整理することができます。(1) 研究会メンバー(ときには大学院生もふくめて)全員で取り組むもの、(2) グループワーク(学部1〜3年生)、(3) 卒業プロジェクト(4年生)の3つです。
「研究会」は1週間に1回(2コマ続き, 180分)で開講しています。くわえて、週末にフィールドワークやワークショップ(「キャンプ」)をおこなったり、それぞれの計画に応じてグループワークをすすめたりします。
研究会メンバー全員の取り組み
たとえば2025年度春学期は、研究会メンバー全員での取り組み(フィールドワーク、ワークショップなど)として、以下のような活動をおこないました(計画中のものをふくむ)。
(1)パスタキャンプ(ぷちキャンプ)(2022年4月)
あたらしいメンバーも加わったので、そのオリエンテーションをかねて、滞在棟(SBC)でワークショップをおこないました。
- パスタキャンプ(パスタ対決) → https://camp.yaboten.net/entry/pasta
- パスタキャンプのふり返り → https://camp.yaboten.net/entry/pasta_reflection
(2)双海キャンプ(2022年5月)
47都道府県の踏査を目指して、20年近く前にはじまった「キャンプ」というワークショップ型のフィールドワークはいよいよ「コンプリート」に近づいています。今学期は双海町(愛媛県伊予市)対象地に2泊3日の「キャンプ」を実施しました(ダイジェストビデオを観ると、雰囲気が伝わるはずです)。
(3)A Day in the Life 11(2025年7月)予定
〈ある一日〉を決めて、その日の一人ひとりの生活の「細片」をビデオにまとめるプロジェクトです。もともとは、リドリー・スコットらのプロジェクト「Life in a Day」(2010, 2020)に触発されて、一昨年度から半年ごとに実施しています。
「A Day in the Life(2020年7月)」「A Day in the Life 2(2021年1月)」「A Day in the Life 3(2021年7月)」「A Day in the Life 4(2022年1月)」「A Day in the Life 5(2022年7月)」「A Day in the Life 6(2023年1月)」「A Day in the Life 7(2023年7月)」「A Day in the Life 8(2024年1月)」「A Day in the Life 9(2024年7月)」「A Day in the Life 10(2025年1月)」と同様に、〈ある一日〉を記録・編集する予定です。
以下は「A Day in the Life 10」(2025年1月25日)です。(今年のバージョンが完成したら差し替えます↓)
2025年1月25日
(4)五島キャンプ(2025年9月)(特プロ実施予定)
現在、詳細については調整中ですが、9月初めに五島(長崎県)でポスターづくりのワークショップを計画しています。
- 特別研究プロジェクトB(コミュニティリサーチのデザインと実践) → https://camp.yaboten.net/entry/tkpr2025
- 五島キャンプ (準備中)
グループワーク(学部1〜3年生)
2025年度春学期は“ささやかな抵抗”というテーマでグループワークをすすめています。成果は、冊子にまとめたりウェブで公開したりするほか、ORF(2025年11月)や「フィールドワーク展XXII」などで展示する予定です。→ ウェブ (準備中)
(参考)
グループワークについての考え方については、これも参考になります。
フィールドワークの課題をデザインする - まちに還すコミュニケーション
卒業プロジェクト(学部4年生)
2026年3月に卒業予定の4年生は、7名です。それぞれの「卒業プロジェクト」については、2026年2月に開催予定の「フィールドワーク展XXII」で展示されます。
- 「卒プロ」のまとめ(2025年春学期) → 8月中旬に公開予定です。
- 2025年4月から「卒業プロジェクト」に取り組んでいるメンバーは、その進捗を記録するためのメディア『そつある日々 3』を毎月発行しています(毎月20日発行)。 → 「そつある日々 3」(Medium)
5 2025年度秋学期のおもな活動(案)
詳細については調整中(随時更新)です。これまでと同様に活動のタイプは大きく3つに分けて整理することができます。(1) 研究会メンバー(ときには大学院生もふくめて)全員で取り組むもの、(2) グループワーク(学部1〜3年生)、(3) 卒業プロジェクト(4年生)の3つです。
「研究会」は1週間に1回(2コマ続き, 180分)で開講します。くわえて、週末にフィールドワークやワークショップ(「キャンプ」)をおこなったり、それぞれの計画に応じてグループワークをすすめたりします。
研究会メンバー全員の取り組み
もろもろ、準備中です。
(1)キャンプ(ぷちキャンプ)
2025年10月 調整中
調理する?ZINEをつくる?
(2)キャンプ
2025年11月7日(金)〜9日(日) *調整中
(3)オープンリサーチフォーラム(ORF205)
2025年11月22日(土)・23日(日)出展予定
(4)A Day in the Life 12
2026年1月25日(日) 実施予定
(5)フィールドワーク展XXII
2026年2月
毎年、研究室の活動成果を報告するための展覧会を開いています。2005年2月にはじまった「フィールドワーク展」は、今年度22回目となります。まちで考えたこと・学んだことを、もういちど「まちに還す」ための試みです。キャンパスで成果発表をおこなうのとはちがって、まちの人びと(通りがかりの人もふくむ)、家族や友人たちにも、研究室の活動を紹介する機会として継続してきました。今年度は、以下の日程で開催することになりました。
写真:昨年度の「フィールドワーク展XXI:綴」のひとコマ(2025年2月・横浜)
「研究会」の活動をわかりやすく整理し、「世に問う」場として、展示の会場づくりをすすめます。例年のことですが、秋学期は「フィールドワーク展」の企画や準備に時間とエネルギーを使うことになります。展示に向けて、合宿(キックオフミーティング)を計画しています(詳細は未定)。
- 日時:2026年2月6日(金)〜8日(日)
- 会場:(未定)
グループワーク(学部1〜3年生)
2025年度秋学期のテーマは少し時間をかけて考えるつもりですが、現時点で思い浮かべているキーワードを挙げておきます。
- ささやかな抵抗 2(今学期の内容を何らかのかたちで継承。つまりあいまいな領域の生態を知ること、「グレーゾーン」をどうデザインするかという問題。)
- ルーズとタイト(上記とおなじ)
- ロマンとそろばん(夢を追いたい気持ちと損得勘定をどう按分するかという問題。私・共・公についての向き合いかた。)
- おいしさ(「一緒に食べよう」(2023年度春学期)の続き。やはり「共食」には興味があるので。調理実習をやりたい。)
成果は、冊子にまとめたりウェブで公開したりするほか、「フィールドワーク展XXII」などで展示する予定です。
卒業プロジェクト(学部4年生)
2026年3月に卒業予定の4年生は、引き続きそれぞれの「卒業プロジェクト」に取り組みます。成果は、合同卒プロ発表会(予定)や2026年2月に開催予定の「フィールドワーク展XXII」で展示されます。
- 「卒業プロジェクト」の進捗を記録するためのメディア『そつある日々 3』は、引き続き毎月発行予定です(毎月20日発行)。 → 「そつある日々 3」(Medium)
イベントカレンダー(仮)
- 2025年10月中旬 ぷちキャンプ(予定)
- 2026年1月 展覧会のための合宿(SBCを予定)
- 2026年2月6日(金)〜8日(日) フィールドワーク展XXII(予定)
6 履修にあたって
シラバス(大学のオフィシャルサイト版)に記載しているとおり、以下を「履修条件」として挙げています。
- フィールドワークやインタビューなど、現場での活動を「がっつり」やってみたい
- コミュニケーションの理論・実践に関心がある
- 文章を書くのが好き(ことばの難しさを実感している)
- 紙メディアの編集(製本・印刷のことなどをふくめ)に興味がある
- 展覧会の企画・運営を体験してみたい (追加)
また、加藤が担当する「フィールドワーク法」「インプレッションマネジメント」「リフレクティブデザイン」「SBC実践(出版)」のいずれかを履修していることが望ましいでしょう。
フィールドワークは、時間を必要とします。地道にコツコツと積み上げてゆく方法と態度を学ぶための「研究会」です。サークル、アルバイト、インターンシップ、就職活動など、やること・やりたいことがたくさんあるのはよいことですが、週1回の「研究会」の時間(時間割に表れる時間)以外に、多くの時間を供出することが条件です。それができない場合には履修をおすすめしません。フィールドに出ること、観察したモノ・コトについて文章に綴ること、たくさん語ること、そのための時間とエネルギーを惜しまないひとの履修を期待しています。
- 2025年度春学期に「研究会」を履修したひとは、上記の履修条件をもういちど確認してください。記載事項は半年前とほぼおなじですが、今学期をふり返って、履修する(履修できる)かどうかをよく考えてください。継続が難しい場合もあります。
- 原則として、7セメスター目からの新規履修は認めていません。また、2025年度秋学期が6セメスター目の場合、「研究会」の履修が「卒プロメンター」の引き受けを約束するものではありません。「研究会」と「卒プロ」は、別のもの(履修上も別科目です)なので、よく考えて行動してください。
資料
フィールドワークや学習環境の設計にかんする考え方については、下記を読んでみてください。
- 加藤文俊(2025)「コモニング」という場づくり:共食の実践から考える『The KeMCo Review』03(特集:コモンズ — コモンズ的実践)pp. 39-50.(慶應義塾ミュージアム・コモンズ)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kemcoreview/3/0/3_3-5/_pdf/-char/ja
- 加藤文俊・諏訪正樹・石川初(2023)フィールドワークの学と術 桑原武夫・清水唯一朗(編)『総合政策学の方法論的展開(シリーズ 総合政策をひらく)
- 加藤文俊(2022)態度としてのフィールドワーク:学会誌の「外」へ 『認知科学』第29巻4号, pp. 661-667.
- 加藤文俊(2020)デザインというかかわり『デザイン学研究』特集号(社会実践のデザイン学)102, Vol. 27-2, pp. 42-47.
- 加藤文俊(2017)「ラボラトリー」とデザイン:問題解決から仮説生成へ『SFC Journal』第17巻第1号 特集:Design X*X Design: 未知の分野における新たなデザインの理論・方法の提案とその実践(pp. 110-130)
- 加藤文俊(2014)まちの変化に「気づく力」を育むきっかけづくり(特集・フィールドワーカーになる)『東京人』5月号(no. 339, pp. 58-63)都市出版
読んでおきたい本(抜粋)
- 荒井良雄ほか(1996)『都市の空間と時間:生活活動の時間地理学』古今書院
- ジョン・アーリ(2015)『モビリティーズ:移動の社会学』作品社
- 海野弘(2004)『足が未来をつくる:〈視覚の帝国〉から〈足の文化〉へ』洋泉社
- アンソニー・エリオット+ジョン・アーリ(2016)『モバイルライブス:「移動」が社会を変える』ミネルヴァ書房
- ケネス・ガーゲン(2023)『関係の世界へ:危機に瀕する私たちが生きのびる方法』ナカニシヤ出版
- ケネス・ガーゲン(2020)『関係からはじまる:社会構成主義がひらく人間観』ナカニシヤ出版
- 加藤文俊(2018)『ワークショップをとらえなおす』ひつじ書房
- 加藤文俊(2016)『会議のマネジメント:周到な準備、即興的な判断』中公新書
- 加藤文俊(2009)『キャンプ論:あたらしいフィールドワーク』慶應義塾大学出版会
- 佐藤郁哉(2006)『フィールドワーク(増補版):書を持って街に出よう』新曜社
- 清水義晴・小山直(2002)『変革は、弱いところ、小さいところ、遠いところから』太郎次郎社
- 橋本義夫(1978)『誰にでも書ける文章:「自分史」のすすめ』講談社現代新書
- ドロレス・ハイデン(2002)『場所の力:パブリックヒストリーとしての都市景観』学芸出版社
- エドワード・ヒュームズ(2016)『「移動」の未来』日経BP
- ケン・プラマー(2021)『21世紀を生きるための社会学の教科書』(ちくま文庫)
- ケン・プラマー(1991)『生活記録の社会学:方法としての生活史研究案内』光生館
- パウロ・フレイレ(1979)『被抑圧者の教育学』亜紀書房
- ウィリアム・ホワイト(2000)『ストリート・コーナーソサエティ』奥田道大・有里典三(訳)有斐閣
- ジョン・ヴァン・マーネン(1988)『フィールドワークの物語:エスノグラフィーの文章作法』現代書館
- 宮本常一・安渓遊地(2024, 増補版)『調査されるという迷惑:フィールドに出る前に読んでおく本』みずのわ出版
- ポール・ワツラヴィックほか(2007)『人間コミュニケーションの語用論:相互作用パターン、病理とパラドックスの研究』二瓶社
リンク
その他、活動内容や日々の雑感についてはブログや研究室のウェブ、SNSなどで随時紹介しています。
- 加藤文俊研究室 https://fklab.today/
- 300moji https://300moji.frogleap.net/
- the first of a million leaps https://medium.com/the-first-of-a-million-leaps
- 場のチカラ プロジェクト https://camp.yaboten.net/
- Instagram https://www.instagram.com/frogleap/
- Facebook https://www.facebook.com/fumitoshi.kato.5