余白の理由
アイドリング 年度末、一年間の活動成果を報告するためのちいさな展覧会を開いている。会期はずいぶん前から決まっていたはずなのに、いつも直前になってドタバタする。すでに十数年続けてきたが、毎年、この展覧会を終えると学生たちは達成感にひたる。その…
キッチン 私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。どこのでも、どんなのでも、それが台所であれば食事をつくる場所であれば私はつらくない。 吉元ばななの『キッチン』は、出てすぐに読んだので、もう30年ほど前のことになる。たしかに、キッチンは…
「余白」から考える 案内してもらうつもりで待っていると、奥から店員がやって来た。そして、席が空くまでしばらく待つことになると告げられた。店のなかを見渡すと、いくつも空席が見える。満席ではないはずなのに、ぼくは、店の前で待たされることになった…