まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

exploring the power of place - 020

【本日発行】🚲「フィールドワーク展XIV:いろんなみかた」は、無事に終わりました。そして、加藤研のウェブマガジン “exploring the power of place” は、2017年度の最終号。

今回(2018年2月20日号)のお題は「荷づくり」です。→ https://medium.com/exploring-the-power-of-place/tagged/020
あたらしいシリーズは、5月からお届けする予定です。ありがとうございました。🙇

◎ 第20号(2018年2月20日号):荷づくり📦
  • 家を離れて(塙佳憲)
  • 世界の家族(金美莉)
  • Weekday Strangers(Nuey Pitcha Suphantarida)
  • 連れていくもの(松室雄大)
  • ちょうどいい(比留川路乃)
  • 大切なもの(望月郁子)
  • Life out of a suitcase(クリスーラ パン)
  • ままならないパッキング(矢澤咲子)
  • 進むために、置いていく(大川将)
  • とっておき(加藤文俊)

f:id:who-me:20180219231747j:plain

Thai Camp

タイで考える・つくる 🇨🇷

ヘルシンキ(2012)、香港(2015)につづく、3回目の「海外キャンプ」は、タイへ。2018年春季「特別研究プロジェクトB|コミュニティリサーチのデザインと実践」として実施します。参加者は、タイ(バンコク郊外)でのフィールドワークをおこない、成果をスケッチ(風俗採集)、ポスター、ビデオなどのフォーマットでまとめる予定です。

This project aims to explore the idea of "community research" through a series of lectures and field research. This year, we will make a short trip to Thailand in order to conduct our fieldwork. There, students will interview local residents in casual (informal) fashion, together with various site visits, and will organize research results toward presentations on the final day. Currently, we plan to make a set of posters to summarize the research results. A poster is like a mirror, but what it illustrates is not a mere reflection of oneself. Rather, it is a reflection of how an individual has been "seen" by others (outsiders). A poster will contribute, to some extent, to create a moment at which one can reflect upon him/herself, and to recognize the relationships with others.

Theoretical motivations of the present project are in tune with "Mobile Methods" Project (http://mobile-methods.net/) offered in the Graduate School of Media and Governance.

f:id:who-me:20180216135422j:plain

f:id:who-me:20180216151822j:plain

[Photos: Nuey]

 

On the idea of "camp": A "camp" is a mode of participartory learning, in that participants seek to understand the resources available, and attempt to expand their capacities to organize their ideas within given situations.  It is an attempt to design a place at which we can reflect upon things that are regarded as 'taken-for-granted' in our day-to-day activities.

f:id:who-me:20120318101015j:plain

I suggest that such form of learning may promote communication among participants, through the set of goals, roles, and rules that constructs the situation.  This year, we will make a short trip to Thailand.  For Keio students (preregistration required), it will be offered as a "Special Research Project B" for the Spring Semester, 2018.

  • Dates (Thai Camp): Thursday, March 8 - Monday, March 12, 2018
  • Venue: To be announced
  • Participants (Keio University): [Students] Yoshinori Hanawa, Michino Hirukawa, Nao Kokaji, Yudai Matsumuro, Nuey Pitcha Suphantarida, Rito Tajima, Mariko Yasuura; [Faculty members] Fumitoshi Kato, Takuya Onishi (Special guest)

スケジュール (tentative)

🇯🇵東京

Day 0: Friday, March 2

キックオフ(ブリーフィング):出発前のオリエンテーションをおこないます。

  • スケジュールの確認
  • 成果のまとめかた・滞在中の動きについて
  • その他(懇親会)

🇨🇷タイ:※2018年3月8日(木)〜3月12日(月)* 原則として現地集合・現地解散です。

Day 1: Thursday, March 8

  • Check-in: Arriving at Thailand
  • 18:00 Get together - Meeting in brief
  • 19:00 Dinner

Day 2: Friday, March 9

  • 9:00-10:00 Introduction
  • 10:00 Leave for Nuey's
  • 11:00 Walk through/tour around the vicinity
  • 12:30 Lunch
  • 14:00-16:30 Casual interview/Modernological observation (1)
  • 16:30-17:30 Wrap-up
  • 18:00 Dinner
  • 19:00- Designing posters/web articles

Day 3: Saturday, March 10

  • 10:00- Site visits (to be arranged)
  1. Bangkok Art and Culture Centre (bacc)
  2. Thailand Creative and Design Center (TCDC)
  3. The Jam Factory
  • 12:30- Lunch
  • 13:30- Site visits (cntd)
  • 18:00 Dinner

Day 4: Sunday March 11

  • 10:00- City tour/Modernological observation (2)
  • 12:00-13:00 Lunch
  • 13:30-17:30 Site visits (TBA)
  • 18:00- Dinner

Day 5: Monday, March 12

  • 8:00* Wrap up: Debriefing session; Reflection (video session) 

🇯🇵神奈川

Day 6: Monday, March 26

ふり返り(ディブリーフィング):プロジェクト全体のふり返りをおこないます。

  • 成果のまとめかた
  • 今後に向けて
  • その他

参考


「自分たちごと」について

故・渡辺保史さんの刺激を受けた人は、たくさんいるはずだ。ぼく自身も、そのひとり(自称)。その渡辺さんの遺稿をまとめて「本」にするというプロジェクトがすすんでいる。多くのサポートをえて、いよいよ刊行されるという。『Designing ours』を手にするのが楽しみだ。

ぼくは、2010年の秋ごろまで(不定期ながら)ブログを書いていた。検索してみたら、2010年2月20日付で“「自分たちごと」について”というタイトルの記事を書いていた。ちょうど8年くらい前のことだ。いま読み直してみると、ぼくの関心は、あの頃から変わっていないというか、ブレていない?というか。「キャンプ」も「カレーキャラバン」も、「自分たちごと」を大切にする精神と無関係ではないことに、あらためて気づいた。以下は、そのブログ記事を転載(原文のまま)。


 「自分たちごと」について(2010)

f:id:who-me:20180211074900j:plain

「自分ごと」と「他人ごと」のあいだに、「自分たちごと」があります。それは、マスでもなく、パーソナルでもない、中間の領域です。この、「自分たちごと」ということばをはじめて聞いたのは、2007年の2月、渡辺保史さんにお声がけいただいて、「縮小する都市の未来を語る:コミュニティに根ざした情報デザイン」というセッションに参加したときです。今年はじめにISCAR Asia2010に参加したときにも、杉浦裕樹さんの発表用スライドに書いてありました。渡辺さんに聞いてみたところ、もともとは、「共有のデザインを考える」というトークセッション(2002年5月:仙台メディアテーク)で、参加者のひとりが使ったことばのようです。

…一つは先ほど「自分事」「他人事」というお話がありましたが、僕自身、建築計画に関わる中で最近痛感しているのは、実はその二つの間にもう一つ、「自分たち事」という部分があるのではないかということです。
自分の部屋の中とか、あるいは自分が欲しいものといった個人的なことではなく、たとえば、プロジェクトにいろんな人たちが関わってうまく進んでいく。これは個人の内側にある自分事でも、自分とは全く無関係に切り離された他人事でもない、その中間です。…
「共有のデザインを考える」スタジオ・トークセッション記録 Chapter 1:人が生き生きとする場所のデザイン(p. 22-23)より

そして、「自分たち事」ということばが、とてもいい表現なので、みんなで使い始めた…とのこと。これは、ぼくたちが標榜する「キャンプ」の考え方を深めてゆく上でも、示唆に富んだコンセプトです。とくに、フィールドワーク先で制作するビデオクリップやポスターなど、“ちいさなメディア”と呼んでいるものは、マスメディアでも、パーソナルメディアでもない存在です。それは、特定少数の人びとを結びつける(さらに、その関係を維持する)ためにデザインされます。

いっぽう、最近、マーケティング的な観点から、注目されているのは「自分ごと」です。『「自分ごと」だと人は動く』(2009, ダイヤモンド社)という本のタイトルに象徴されるように、人は、何らかの形で当事者意識が刺激されたとき、具体的な行動へと駆り立てられることが多いようです。とくに、情報過多と呼ばれる時代においては、一人ひとりが、上手に情報を取捨選択する術を身につけています。そのなかで、“スルー”せずに敏感に反応するのは、「自分」に関係が深い内容なのかもしれません。どうやって、人びとにとっての「自分ごと」を理解し、メッセージを送るかがマーケティング的な課題になるはずです。その意味で、ぼくたちをとりまく情報環境の変化や、コミュニケーション行動を理解する上で、「自分ごと」という視点は大切です。

しかしながら、ぼくたちの仕事はマーケティングでありません。もちろん、調査・研究をすすめていく上では、読者を想定します。何らかの社会的貢献を目指す場合には、誰に成果を届けたいのかをはっきりさせておく必要があります。でも、それを(狭い意味での)“マーケット”としてとらえることが、ふさわしいかどうか。そろそろ、再考する時期が来ているように感じるのです。
20年ほど前、大学は、学生(新入生)を「顧客」に見立てて、カリキュラムや大学の役割の再定義を試みました。学生が「客」なら、大学は最良の「サービス」を提供し、「顧客満足度」を高めなければならない。これからは、学生一人ひとりの「自分ごと」を刺激するための講義や演習を提供しよう、ということになるのでしょうか。科目数を増やし、自由度を高めることは、「自分ごと」に向き合っていくためのカリキュラムづくりのように見えます。それでいいのか…。

大学とは? という大きなテーマにつながるので、そう簡単に整理することはできません。一人ひとりの能力や可能性を高めるという意味では、大学は、学生の「自分ごと」に応える準備をしておかなければならないでしょう。ただ、個人的には、「自分ごと」ばかりでなく、「自分たちごと」についてきちんと考えてみたいと思います。ぼくたちは、ひとり(自分だけ)ではなく、関係性のなかに生きているからです。大学は、「自分たちごと」に向き合い、関与者としての自分のあり方について模索する〈場〉なのではないか。ここ数年の「キャンプ」という実践をつうじて、その確信は強くなりました。少なくとも、従来型のマーケティング的なメタファーでは語り得ないような、「何か」を考えていく必要があると思います。

ぼくたちの関係性に目を向けるとき、誰かと共に居ること、何かに居合わせることの価値が際立ちます。それは、まさに「共有のデザイン」なのであり、「自分たちごと」について自覚的になるということなのでしょう。

(♪さあ冒険だ - 矢野顕子)

 

◎コピー元:2010年2月20日(土)のブログ → fklablog | ::「自分たちごと」について