まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

exploring the power of place - 025

【本日発行】️🌰暑かった夏も終わり。そろそろ、秋学期がはじまります。加藤研のウェブマガジン “exploring the power of place” をどうぞ。今回(2018年9月20日号)のお題は「そろそろ」です。→ https://medium.com/exploring-the-power-of-place/tagged/025

◎ 第25号(2018年9月20日号):そろそろ
  • レールの終わりに(塙 佳憲)
  • 少しの間、旅に出ます。(吉澤 茉里奈)
  • そろそろ試合か。(小島 信一郎)
  • せっかち(高島 秀二郎)
  • 帰ってきて、また会って(比留川 路乃)
  • 趣味とのやさしい付き合いかた(久慈 麻友)
  • 国境を越えたい!(佐々木 茅乃 )
  • そろそろな、余裕(牧野 岳)
  • いつも先には(保浦 眞莉子)
  • 目を見て話せること(松室 雄大)

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exploring the power of place - 024

【本日発行】️🚶ここ数日は、ちょっと秋の気配を感じられるようになりました。でも、まだしばらくは夏を楽しみたい。帰省ラッシュで疲れた身体をいたわりつつ、加藤研のウェブマガジン “exploring the power of place” をどうぞ。
今回(2018年8月20日号)のお題は「ぐるぐる」です。→ https://medium.com/exploring-the-power-of-place/tagged/024

◎ 第24号(2018年8月20日号):ぐるぐる🌀
  • “ループもの”というジャンルがある(太田 風美)
  • 間で(津田 ひかる)
  • Around the world in 80 days(クリスーラ パン)
  • まわらない時間(笹川 陽子)
  • Revisits(Nuey Pitcha Suphantarida)
  • まっすぐな月光(比留川 路乃)
  • いとおしい乗り物酔い(矢澤 咲子)
  • めぐりめぐる(森部 綾子)
  • 山手線を一周して(木村 真清)

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出雲キャンプ

出雲で考える・つくる

ぼくたちの「キャンプ」は、いつも幸運な出会いではじまります。2018年度秋学期は、あたらしいメンバーを迎えて、出雲市(島根県)に出かけることになりました。まちの人びとを対象に取材をおこない、その結果をもとに滞在中にポスター/ビデオなどを制作する予定です。

7月の中旬、渋谷の某所(高所)で、(かねてから知り合いの)浦山さん(うらりん)をはじめ、何人かとテーブルを囲む機会がありました。ぼくは、別の会合の帰り道で、最後にその集まりに加わったのですが、そこにいたメンバーは、大部分がその日が初対面という間柄。ぼくの隣りにいたのが、藤田さんでした(初めてお目にかかりました)。ポスターづくりの話をしたら、もう説明しなくてもわかっているというくらいの好感触で、ぼくとしては、島根県は「未踏」なので、ぜひお願いしますというアピール(もともと、うらりんからは、カレーキャラバンを島根で、と前からお声がけいただいていました)。今回は、カレーじゃないけど、出かけます。その場で、候補日を伝え、あとは、オンラインでやりとりして、実施することを決めました。藤田さんには、島根に戻ってからさっそく調整していただき、今回は、出雲市の中町商店街(協同組合中町商店会)の協力をえて、「キャンプ」が実現することになりました。これが、34か所目。ぼくたちのポスターづくりのプロジェクトは、今年の9月に10年目に入ります。

わずかな滞在時間ですが、まちを歩くこと、人と出会うこと、「ちいさなメディア」をつくること/流通させることの可能性や意味について考えてみたいと思います。最終日(30日)には、ポスター展と成果報告会をおこなう予定です。

 

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SOURCE:中町商店街 - 出雲市中心商店街公式ウェブサイト

  • 日時:2018年9月28日(金)〜30日(日)(原則として現地集合・現地解散)
  • 場所:出雲市(島根県
  • 本部(作業):ともに(〒693-0001出雲市今市町中町1374番1)*ツバメヤ向かい(元 学生服のヤマネ)
  • 参加メンバー(加藤文俊研究室)21名(学部生 19名;大学院生 1名;教員 1名)

📢プレスリリース:出雲キャンプ(フィールドワーク)について(2018年9月17日)→ pr_180917.pdf

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スケジュール(暫定版)

9月28日(金)

  • チェックイン
  • 18:00〜18:30 集合
  • 18:30〜 オリエンテーション・交流会

9月29日(土)

  • 10:00ごろ〜 フィールドワーク・インタビュー(グループごとに行動・取材先に応じて随時スタート):2名のグループで、インタビュー先に出かけて話を聞きます。もちろん、写真も撮ります。
  • 14:00ごろ〜 アイデア出し・デザイン作業(グループごとに行動):フィールドワークで集めてきた素材をもとに、ポスターのデザイン/編集作業をすすめます。
  • 17:30ごろ 夕食
  • 19:00ごろ〜 アイデア出し・デザイン作業(つづき)

9月30日(日)

  • 8:00 ポスターデータ入稿:データ提出(時間厳守)→ 印刷へ
  • 10:00〜 展示準備・設営 会場:ともに(〒693-0001出雲市今市町中町1374番1)
  • 12:00ごろ〜 「出雲の人びとのポスター展」
    (12:30〜 成果報告会;13:30〜 ふり返りビデオ鑑賞・まとめと講評)
  • 14:00ごろ 片づけ・解散

桜丘フィールドワーク(4)

 Day 4:ふり返る

 2018年8月9日(木)11:00〜(@大学)

⛅️4日目。台風の行方が心配だったので、1時間遅れでスタート。結局のところ、東京・神奈川はさほど影響を受けずに済んだようで、朝から蒸し暑くなった。きょうは、これまでの3日間のフィールドワークのふり返りをおこなう。

 

折り本

まず「折り本」は、データの一部を修正し、簡単な紹介文を添えて、PDFファイルとともにウェブで公開した。コンビニのネットプリントを利用して出力してみたが、なかなかキレイにできた。今回は、グループ(ペア)で一冊。やろうと思えば、ひとりで一冊もできるはずだ。そうなると、たとえば20人でまちを歩けば、20冊のちいさな本ができる。それは、まちがいなく楽しい。
[折り本をまとめてダウンロードする http://fklab.net/pdf/sakuragaoka_orihon.pdf

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マップ

つづいて、3日間のフィールドワークをふり返りながら、みんなでマップ上に「ピン」を立てた。8人が、それぞれの歩いた軌跡や出会った〈モノ・コト〉を思い出しつつ、同じマップ上に「ピン」を立て、コメントや写真を載せた。他愛のないものもあるが、もちろん、それでかまわない。一人20個くらいを目安に作業したので、地図はだいぶ賑やかになった。ひとまずひと区切りということで、このマップは、しばらくこのままにしておくつもりだ。というのも、できるかぎり(少なくともいまの段階では)、みんなの意見を集約するようなことはせずにおきたいからだ。

8人いれば、その数だけ、桜丘町での過ごし方がある。一つひとつの「ピン」は、じぶんの(あるいは誰かの)主観的・個人的な体験の記録だ。それをマップという形で一覧しながら、こんどはその断片をつなぎ合わせてみる。じぶんの「見え」を見つめ直して(Seeing the "seeing" of onself)、さらに他者の「見え」を参照しながら(Seeing the "seeing" of others)、桜丘町を再編成してゆく。そのプロセスで、ぼくたちはさまざまなことを学ぶ。そのためにも、すべての「ピン」を集めてグルーピングしたり、ラベルをあたえたりすることは、ちょっと保留しておく。ばらばらにしておくのだ。

 

桜丘のマップ|8月5日(日)〜7日(火)までの3日間、桜丘町を歩いて気づいたこと・感じたことを、一人ひとりがマップ上に位置づけた。(※アイコンをクリックするとコメントや写真を参照できます。)

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スライド資料から

この一連の考え方は、『キャンプ論』*1でも触れているが、『ものと人の社会学』*2の序文「スナップショットの方法」に負うところが大きい。実際に、今回のプロジェクトにかぎらず、ぼくたちのふだんの活動を整理し、実践的な活動に結びつけるさいに、この論考は役に立つ。

スライドに要約しているとおり、まずは、じっくりと眺めることから。ぼくたちは、まち歩き/フィールドワークの成果を、すぐに言語化・形式化しようとしがちである。言うまでもなく、その要請がある場合も少なくない。多くの人は、わかりやすい「こたえ」や「手がかり」が求めているからだ。だが上述のとおり、ことばを当てはめることは(ひとまず)しないでおく。
その上で、一つひとつの「ピン」(一枚一枚のスナップショット)を組み合わせて、じぶんなりのストーリーを構成してみる。そのプロセスをとおして、じぶんにとってのまちの理解がかたどられることになる。ひとたび輪郭が見えてくると、こんどは、その「外側」へと想像力をはたらかせることができる。

2007年の夏(もう、ずいぶん前だ)、「100人の浅草モダン」という企画にかかわる機会があった。100人の参加者が、それぞれレンズ付きカメラを手にして浅草のまちに散る。決められた時刻までに撮り終えて、あとですべての写真を展示するというものだ。東京駅、築地、東京タワーなど、対象地を変えながら、何年か続けて実施されたイベントだ。その概要などをまとめたリーフレットに、『みんなの写真』というタイトルの文章を寄せた。*3

ふだんは、気に入ったものだけえらんだり、適当に順番を並べかえたりして、写真を眺めることが多いのですが、この展示は、撮った写真がすべて、しかも撮った順番どおりに並べられてしまいます。これは、あとから編集することが許されない、「連写真」ともいうべきものです。正確な時間まではわかりませんが、27枚の写真を順番に見ていくと、どのような順序で、何を見ながら浅草での時間を過ごしたのか、歩いた軌跡を大まかに復原することができます。「連写真」は、紙芝居のように、じぶんの状況を追体験できることが愉しいのですが、写真と写真の「あいだ」の部分も気になります。コマとコマの「あいだ」にじぶんが何をしていたのか…。それを考えてしまいます。途中で学生たちと早めのお昼を食べて、ビールを一杯。その「あいだ」は、撮影が中断されます。シャッターを押さなかったという「記録」は、写真と写真の「あいだ」に残ります。

 

いうまでもなく、「記録」することに一生懸命になっていると、その場に「介入」することはできません。仲見世を歩きながら、焼きたてのアツアツのおせんべいを味見したいとき、カメラのファインダーをのぞいていたら、食べることはできません。食べていたら、試食の様子を「記録」として残すことはできなくなります。つまり、「記録」を残すという役割は、「介入」を放棄することによって成り立つのです。逆に、現場への「介入」は、まさに体験としてその場を味わうということなので、「記録」にこだわっていては、もったいないのかもしれません。ときどき、愉しく過ごしたときの写真が、一枚もないことに気づきます。きっと、シャッターを押す余裕がないほど、夢中になっていたからです。

 

写真がひとつの「記録」であることはまちがいないでしょう。でも、写真として残されてゆく〈モノ・コト〉は、もしかするとそれほど重要ではないのかもしれない…と考えることもできます。むしろ、意味があるのは、シャッターを押すことができなかった時、押さなかった時の「記憶」なのかもしれません。写真として展示されている〈モノ・コト〉の「あいだ」にこそ、ぼくたちの体験が写されているのです。

 

さらに興味ぶかいのは、あの日、まちを撮影していたのは、ひとりだけではないという点です。100人分の「連写真」を目の前にすると、まずはそのボリュームに圧倒されます。順番にじっくり、ゆっくり見ていくと、ひとりひとりの歩いた軌跡がわかります。だれかの写真が、じぶんの歩いた軌跡と重なったり、すれ違ったり。同時に、いくつもの「あいだ」を想い浮かべることもできます。じぶんの「あいだ」の時間を、だれかの写真が埋めてくれることもあるはずです。実現できるかはわかりませんが、いちど、みんなの写真をすべて床の上に並べて、それこそビールでも飲みながら、あれこれおしゃべりしながら、並べかえてみると面白いにちがいありません。それは、2700 の細片から成る巨大なジグソーパズルのようなものです。当然のことながら、完成予想図はないので、想像力も根気も必要な作業になります。そもそも、完成させる必要さえないのかもしれません。

 

一枚一枚の細片をつなぎ合わせ、いくつもの「あいだ」を埋める試みをつうじて、ぼくたちの日常生活が、じつに豊かで起伏に満ちていることに、あらためて気づくでしょう。100人が、1000人、10000人になったとしても、すべてを「記録」することは不可能です。ぼくたちが写真を撮れば撮るほど、ジグソーパズルは大きくなり、埋めるべき「あいだ」も増えてゆきます。それでもなお、カメラを持ってまちを歩きたくなるのは、みんなの写真があれば、探している細片に出会う可能性が広がるような気がするからです。

その翌年(2008年)には、「100人の東京タワー」のお手伝いをしたが、そのときは『ちょっとの力』というタイトルで文章を書いた(抜粋)。*4

(中略)

毎年、どこかのまちや建物が「お題」として与えられ、私たちは、「ちょっと」写真を撮りに出かけます。キラリと光る1枚も、指が写り込んでしまった失敗作も、すべての写真が束ねられたとき、あの雨模様の土曜日が、豊かに復原されます。少数の「専門家」が、記録写真を撮るのではなく、100人分の「ちょっと」が、東京の風景を残してゆくのです。「ちょっと」という気軽さのなかに、とても強い力を感じます。それは、私たちが、東京の風景に対していだいている、無償の愛情なのかもしれません。

1枚の写真でとらえられた「決定的瞬間」ではなく、100人が写した3000枚近い写真の連なりから、まちを感じ取ること。桜丘フィールドワークのマップも、基本的には同じ考え方にもとづいてつくっている。少数の「専門家」が語る桜丘町ではなく、たとえば100人が、少しずつでも桜丘町について語る。その細片をつなぎ合わせることこそが、ぼくたちの日常生活をいきいきとさせる。解釈が多様であることを前提に、まちを性格づけるための方法や態度に興味があるのだ。

 

ブックマーク(リンク集)

さらに、みんなでもう一つ作業に着手した。それは、ウェブ上で閲覧できる桜丘町にかんする情報のリスト(ブックマーク)づくりだ。自治体からのお知らせ、再開発計画の資料、ニュース、ブログ記事など、桜丘町にかかわるネタにアクセスするための「入口」として整えてみようと思う。全員で手を動かして、1時間足らずで70件ほどのリストができた。これについては、継続的に作業をすすめて、もう少し整理できたら公開しようと思う。

「桜丘フィールドワーク」は、ここでひと休み。1か月後にもう一度集まって、まとめをおこなう。ひとまず、お疲れさまでした!🐸(つづく)

*1:加藤文俊(2009)『キャンプ論:あたらしいフィールドワーク』慶應義塾大学出版会

*2:原田隆司・寺岡伸悟(2003)『ものと人の社会学』世界思想社

*3:この文章は、2007年のレンズ付フィルムによる写真展「100人の浅草」のリーフレットに掲載された。

*4:以下の引用は2008年のレンズ付フィルムによる写真展「100人の東京タワー」のリーフレットに掲載された(抜粋)。

桜丘フィールドワーク(折り本)

折り本をつくる

2018年8月7日(火)

3日目は、4つのグループに分かれて(今回の参加者がちょうど8人だったので、4ペアになった)、それぞれの観点から桜丘町をとらえて、「折り本」をつくった。A3サイズで面付けしておいて、下図のように中央に切り込みを入れて折りたたむと、8ページのちいさな本になる(仕上がりはA6サイズ)。

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まちなかでメディアをつくるときは、コンビニのプリンター(複合機)を活用すると便利だ。PDFファイルを出力することはもちろん、たとえばネットプリントのサービスをつかえば、「折り本」を配布(配信)することもできる。
現場でつくる(形にする)のは、いつもの「キャンプ」とおなじ。桜丘町で、桜丘町を素材にした4種類のちいさな本がうまれた。[折り本をまとめてダウンロードする http://fklab.net/pdf/sakuragaoka_orihon.pdf

 

◎THE COLOR OF SAKURAGAOKA(比留川 路乃+小梶 直)

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“THE COLOR OF SAKURAGAOKA”は、桜丘のまちの色をテーマとした折り本だ。私たちが気になった「色」をとおして桜丘を歩けるよう、ヒントとなるスケッチとともに写真を載せている。

 

◎桜丘 コンビニ歩き(牧野 岳+笹川 陽子)

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この冊子では、桜丘付近のコンビニ10店を紹介している。紹介といっても、「どこにどの会社のコンビニがある」という紹介ではない。編集者が全てのコンビニを歩き回った経験から、独断と偏見で10店を評価した。均質さの象徴であるコンビニから、それぞれの土地柄がわかる。そんな一冊になっている。

 

◎桜丘町の頑固な自転車たち。(小島 信一郎+ピッチャー スパンタリダー)

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桜丘には多くの放置自転車があった。私たちは街を歩き、それらを探した。面白いことに多くの自転車は街の周り、つまり坂の下にあった。坂を登ることを諦めた人が置いていったのだろうか。様々な場所で見つけた放置自転車をジャンルごとにまとめてみた。この本で桜丘の自転車達を知ってほしい。

 

◎桜丘 左回りツアー/桜丘 右回りツアー(太田 風美+久慈 麻友)

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今回私たちは、折本の特徴を活かし、右からも左からも読むことができる桜丘ツアーガイドを作成した。実際に歩いてみて感じた印象や特徴をもとに、桜丘をエリア分けしてそれぞれ名前をつけた。この本を片手に桜丘を歩けば、まるで某テーマパークにいるかのような気持ちを味わえる。かもしれない。