まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

人びとの世田谷線(ビデオ)

 ビデオでふり返る

「Every Person in Setagaya Line(人びとの世田谷線)」のダイジェストビデオです。11月13日(金)のドラフト会議(担当する駅を決める会議)から、15日(日)の成果報告会までのようすを記録しています。

Following the "People's Ikegami Line" project conducted in mid-October, we observed and sketched at each Tokyu Setagaya Line station (Tokyo). Gradually, a new style of fieldwork practice/workshop, combining online and on-site, came into view. Here is a video digest of the day's activities, from the first day's "draft meeting" (a meeting to decide which stations we would be responsible for), observations and sketches, and the last day's debriefing session.

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(イラスト:堤 飛鳥)

 ◎撮影・編集:中田 江玲・佐藤 しずく  *一部については、参加者がそれぞれの現場で撮影しました。

The Making of Every Person in Setagaya Line from who_me on Vimeo.

 

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2020年11月17日(火)|ダイジェストビデオの上映会(キャンパスで)* 写真提供:堤飛鳥

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人びとの世田谷線(スケッチ)

スケッチする

今回は、ペアで東急世田谷線の各駅(三軒茶屋駅は2ペア)に散って、観察とスケッチをおこない、ひと晩かけてA2サイズのページをつくりました(いずれは、これを組んでZINEにする予定です)。

”Every Person in Setagaya Line” 成果報告会
  • 日時:2020年11月15日(日)14:00ごろ〜
  • 会場:世田谷区立若林公園(〒154-0023 東京都世田谷区若林4-34-2)

* 15日(日)14:00〜 成果報告会をおこないます。 成果報告会は終了しました。ありがとうございました。

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2020年11月15日(日)|成果報告会(若林公園にて)

 

01:三軒茶屋

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02:西太子堂

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03:若林

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04:松陰神社前

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05:世田谷

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 06:上町

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 07:宮の坂

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 08:山下

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 09:松原

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 10:下高井戸

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人びとの世田谷線 - Every Person in Setagaya Line

観察とスケッチ - Observe and sketch

「人びとの世田谷線」は、10月16日(金)から18日(日)にかけて実施した「人びとの池上線(Every Person in Ikegai Line)」の“続編”として実施します。ペアで、東急世田谷線の各駅の往来を観察、スケッチし、人びとの姿をとおして「沿線(らしさ)」を描き出す試みです。成果は、ウェブにくわえて、ZINEやポスターなどの紙媒体にまとめます。また、駅や沿線の公共スペースでの成果公開など、多様な流通・掲出の可能性をさぐります。

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  • 日時:2020年11月13日(金)〜15日(日)
  • 場所:東急世田谷線各駅(東京都)
  • 参加メンバー(加藤文俊研究室):25名(学部生 22名・大学院生 2名・教員 1名)

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SOURCE: https://www.jorudan.co.jp/time/rosenzu/%E6%9D%B1%E6%80%A5%E4%B8%96%E7%94%B0%E8%B0%B7%E7%B7%9A/

スケジュール

前回の「キャンプ」のように、オンライン(Zoomなど)とオンサイト(駅での観察・スケッチ)を組み合わせつつ、2人ひと組(ペア)で活動します。今回は、全体の流れを映像で記録する「ビデオ班」(2名)をつくります。

11月13日(金)

  • 18:00〜 ドラフト会議(オンライン):この会議までに、それぞれのペアで対象とする駅を決めておきます。重複があった場合は調整し、決定します。
  • ドラフト会議を経て、担当する駅が決まりました。(11/13 18:50ごろ)

11月14日(土)

  • 10:00〜12:00 観察とスケッチ(1):2名で、担当の駅に滞在して観察とスケッチをおこないます。(オンサイト)
  • 13:00〜15:00 観察とスケッチ(2):2名で、担当の駅に滞在して観察とスケッチをおこないます。(オンサイト)

11月15日(日)

  • 10:00 データ入稿:データ提出(時間厳守)→ 印刷へ
  • 14:00ごろ〜 成果報告会(オンサイト):世田谷区立若林公園(〒154-0023 東京都世田谷区若林4-34-2)
  • 16:00ごろ 解散

f:id:who-me:20201108160753j:plain2020年11月8日(日)|世田谷区立若林公園

人びとの池上線(ふり返り)

通常だと、「キャンプ」を週末に実施し、週明けの「研究会(ゼミ)」の時間をつかってふり返りをおこなうのですが、今学期は開講日が少ないこともあって、時間をつくるのが難しい状況でした。そこで、いくつかの論点について、簡単にふり返るためのフォームをつくり、それぞれが記入することにしました。
以下、投稿された文章(原文)のまま(一部書式は変更)。

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今回の“Every Person in Ikegami Line”の試みを、ペアワークという観点からふり返って、気づいたこと、感じたことを書いてください。

2人でいることによってスケッチをする上で安心感が生まれました。ひとりで何時間もホームに座っていると周りの反応が気になってしまうのに対し、ペアで行ったことによって集中できました。ずっと会話を無理に続ける必要もなかったのも良い点です。逆にひとりで没頭しすぎると後でどっと疲れますが、たまに交わす会話によって程よい集中力を長時間保つことができたと思います。作業だけで終わってしまうと、長時間一緒にいたのにあまり話せなかったという実感が残りますが、セッションの間にお昼休みをとったことでそれも解消されました。絶妙なスケジューリングだったと思います。

ペアワークは、互いの信頼を重ねるプロセスでありお互いを知る機会であると再認識しました。互いのペースを配慮したり、相手が何かを我慢せず気持ち良く出来ているかを会話のなかで自然に確認することや、「何時までに送るね!」の約束を守りながら、相手への信頼を積み重ねていくのは楽しいプロセスです。
今回のお題の「池上線の人々を観察しスケッチする」そのものがとても面白かったのですが、それを超えるペアワークの面白さは相手を知ることのように思います。同じ状況であるいは同じ観察対象を見て、相手がどのように捉え表現するかを知ることは興味深く刺激を受けます。

同じ時間に同じ場所から人々を観察していても、誰のどんなところに注目するのかがペアで異なるため、観察対象に広がりが出ると思いました。
ペアワークといいつつも個人の時間が多かったという印象があります。二人で一つのものを作ろうというより、一つ一つを集合させてみようというような感覚でした。
たまにある会話と、一緒にお昼を食べるくらいが、話さなくてはというような気まずさもなくてちょうどよかったです。

今回はペアワークというよりは個人ワークに近かったように思う。土曜日に一緒にスケッチしたときも、かわるがわるやって来てはいなくなってしまう人びとのスケッチに集中してしまい、全体的に会話が少なかった。「私あの家族を描くね〜」「あの人オシャレ!」といった会話はあったが、そのひとことだけで終わってしまうことが多かった。スケッチを終えてからは、「時間とひとことのコメントを手書きで入れよう」といった簡単なまとめ方の確認をしただけで、(寒かったこともあり)帰宅して完全に個人作業だった。
その反面、駅のホームでひとりでいるよりは2人でいるほうが心強かったし、周囲の人からも不審がられずに済んだように思う。金曜日のドラフト会議も、2人で戦略を練るのが楽しかった。感染対策という観点では、向かい合うこともなく会話も少なく済むため、比較的安心感があった。そのため、コロナウイルスに関する状況が不安定ななかでは、このようなペアワークと個人作業のハイブリッド型のキャンプが適しているのかもしれない。

従来のキャンプに比べて二人で会話をしている時間は減り、それぞれ黙々と作業をする時間が増えた。気分転換におしゃべりをしたり、すごく面白い発見があったときに思わず共有したり、という相手である印象だった。従来キャンプでは「産みの苦しみを共に乗り越える相手」の側面が大きかったように思う。どちらの方が良いというわけではないが、今回のキャンプはペアワークの部分において「軽量版」らしかったかなと思う。

一つの駅にペアで配置されたため、その駅を自分以外の誰かも観察しているという状況は、駅に対して自分以外の視点が加わる上に、心強くもありました。仮に一人で行なっていた場合、不審者として見られることを恐れ、なかなかスケッチが出来なかったのではないかと思います。
また、共につくるという点では、スケッチをしている際はだいたい別々の人を見て、各々のスケッチブックに描いていたため、ワーク中はあまりペアワークを意識していませんでした。しかし、お互いのスケッチを統合しペアとして提出する時、たしかに同じ時間に同じ場所で一緒に描いていたんだなと感じ、ペアワークであったことを実感しました。
しかし、ペアワークであることの意味を自分たちで考え、実践できていたかというとそうではなく、上りと下りで担当を分けて描いたり、改札とホームといった別の場所を担当するなど、ペアワークであることを活かしきれていないなと反省している部分も多くあります。

自分の方が加藤研キャンプの経験が長いことから、初めは何か話さないと(ペアワークということで)という気持ちでいたが、それぞれが個人作業という形であったことから居心地の悪さというものはあまり感じなかった。しかし、全く会話がなかったというわけではなく、お互い手を止めて駅の人々を観察してみたり、描きながら会話するということができたのはよかった。多分1人だと半日はできても1日はしんどかったと思う。(特にあの日のコンディションだと)
昼食はふみさん、ショーンペアと合流し商店街を歩きつつラーメン屋に入った。1〜4年生で集まって話をするという機会はあまりないので良い時間。一緒に作業した後だと自然と距離が近くなったように思う。
スケッチ後、レイアウトの作業を行うために二子玉川のスタバに行った。それぞれが帰宅しオンラインで作業を進めるということもできたが、もう少し話す機会がほしかったことやレイアウトの相談はオフラインの方がしやすそうと思ったことから場所を変えて作業を終わらせることにした。
これまでのキャンプの経験から、先輩と作業する時間から学ぶことが(イラレやiPadの使い方など)たくさんあったので、ちかにとってそういう時間であったならば嬉しい。

何よりも研究会に入ってからの日が浅いペアワークだったので正直初めは緊張していた。メイさんについては台湾という共通点こそ知っていたものの,それ以外は何も知らなかったし,何ならクールな感じで近づきにくいかもしれないとさえ思っていた。しかし逆にペアワークというのはキョリをとても近づけてくれるものだった。グループではもうお互い既存の関係があり新入りとしてはついていきにくい話題も多かったりする。しかしペアワークではそれこそコミュニケーションが1対1で強制的に相手を意識するような空間が作られる。お互いに相手のことを何も知らないからこそ生まれる会話がある。そんな空間は自分にとって普段の研究会よりも楽しい時間だった。実際にペアだったメイさんとは自分としてはとても親しくなれたと思っているし,半日という長い時間をともにしたからこそ話しかけやすい人の一人となった。

隣に同じ作業をしている人がいるということが刺激になった。一人だったらもっとのんびりしていただろうし、スケッチの仕方についても一緒に取り組んだ相手の影響を受けていると思う。また同じ方向を向いて同じ作業をするという環境が多くの会話を必要せず、一対一で人と話す時によく発生する気まずさを感じなかったのもよかった。とても心地よく穏やかな時間・空間だった。また、人をスケッチすることに少し不安(誰かに不審な目で見られるかも、という類の不安)があったが、仲間がいることによってそれが軽減された。

今回の試みを2人で行なったことはちょうど良いと感じた。約2時間ずっと駅のベンチに座って観察をし、駅利用者に対してカメラを向けることもしていたので、2人よりも多い人数だと少し怪しまれそうだと思った。一方で、各々作業を進めるものの、一緒にがんばる存在があったことは1日を乗り切る心強さになっていた。特に最初はスケッチに対して不安も多かったので、些細なことでも褒め合い、苦手なもの同士がんばろうと励まし合えたことで、自信を持って取り組めた。1人で駅のベンチでスケッチをしていたら「こんなのでいいんだろうか」という不安との戦いだったと思う。
ペアワークだけどそれぞれの作業を進める、というのも個人的にはやりやすかった。最後まで2人で作業しなくてもよかったので、20人分一緒に描きあげたところで解散し、それぞれがレイアウトを考えて最後確認し合うという流れにできた。

2人という人数は、相手のことをゆっくり知ることができるし、池上線の駅の数を考慮するとちょうど良かったように思う。ただ、今回の取り組みはポスターの1×1の作業の形態とは異なって、1+1でお互いのスケッチが交わるような瞬間やペア同士が関わる瞬間が少なく、共に何かを作っている感覚が薄い。ペアの2人同士が同じ空間にいる時間も少なかった。キャンプではポスターや取材に関するおしゃべりを通してペアを理解するが、今回は話題の枠組みが広かったので、よりゆっくりペアについて知ることができたと思う。外で観察して中で黙々と作業をするのは、グループワーク初回を2人で行っているような気分になった。

今回のプロジェクトは、個人でもできるものではありましたが、ペアでやるからこその気づきが多くありました。私はどちらかというと少し突っ込みたくなるような不思議な格好をしたり特徴を持っている年配の方に目がいっていたところ、ペアのいずみの「なんか子ども多いね」という一言で子供たちに目がいくようになりました。一人の視点では見逃してしまっていた「小さい子ども連れの親子が多い」という駅の特徴にペアだからこそ気づくことができました。今回のプロジェクトの鍵になるのは、ペア間での対話だと私は考えました。もちろん一人で黙々とスケッチをする時間もありますが、「この人のこんなところ面白い」「この駅はこんな人が多いね」「雨の日の人々ってさ、」など小さな気づいたことをその場ですぐに言語化することに価値があるように感じました。

・現地に集合しペアと対面し現地で解散するのは、これまでのキャンプにあったゆるやかな集合と解散に通ずるものがあってよかった
・金曜日のzoom集合でふみとショーンが二人で繋いでいたが、他の人はバラバラに繋いでいた。ペアで夜ご飯を食べて打ち合わせをしたら、これまでのキャンプの類似点がより増えそう。
・オンラインとオフラインを併用する場合は、ペアワークがやりやすいと気づいた。3人以上のグループワークの場合は連絡ややりとりが意外と煩雑になってしまいそう。

私たちのペアはホームではスケッチをせず、写真だけを撮っていた。そのためほとんど雑談をしていたが、ようこさんときちんと話すのは初めてだったため個人的にはようこさんのことを知れるいい機会になった。お互い目線はホームにいる人に向け写真を撮りながら話していたため、駅の様子や駅にいる人たちから会話が広がることが多かった。今回は焼きながらもセットで行っていたが、お互いを知ろうと意気込んだ会話ではなく、ふと出てくる感情から相手のことを知ることができて、とても心地の良いコミュニケーションだった。私はオンラインの焼きながらしか経験したことがないが、バーベキューをやる実際の焼きながらに近いのではないかと思った。
また、私たちは後半のワーク中に寒くなったため電車に乗り、他の駅でいくつかのペアに会った。基本的にはペアワークだが隣の駅には別のペアがいて、進み具合を聞くことができるのは心強いと思った。春学期はすべての活動がオンラインだったが、やはりオンラインだと自分たち以外の人がなにをしているのかが見えなくなってしまう。整えられた結果だけを見るのではなく試行錯誤している様子が分かると、場を共有している感覚になると思った。

感染対策という面においては、非常に安心な環境づくりができていたと思う。また、スケッチや写真を撮りながらも、会話はすることができたので、お互いを知る機会(以前の焼きながらのような)としてはとても良かったと思う。その一方で、通常のキャンプで期待される、濃密なコミュニケーションや一緒に何かを作り上げるコラボレーションのようなチームワークがあまり必要なかったことから、プロセスにおいて物足りなさを感じることはあった。

ペアワークではあったのだが、慣れない作業であるということと個人の作業であったということがあり、ペアの人と話したりする余裕を持つのに時間がかかった。私の場合は午後になってやっと慣れ始めたので、ペアの話を十分に聞けなかったのが悔いとしてある。しかし、その不足感がその後の研究会で話すきっかけになったとも考えている。私個人としては、ペアと同じ方法(デジタル)ではやらないと謎の縛りを持っていたため、お互いのスケッチ方法の良さやタッチの違いが見えた。片方はデジタルもう片方はアナログにするのも良いのかなと思った。

やるべき作業内容が具体的に決まっていたので、ペアワークとして進めやすい内容だったと思う。一見、ひたすらスケッチすることは機械的で一人で出来ることのように思うが、自分たちのペアは各自がスケッチする人を独断で決めるのではなく、写真を何枚も撮り、2人でその中から40人選ぶ形で進めたのでペア視点からの人選びが出来た。なので、もし自分一人で描いた時とは異なる結果が得られたに違いない。ただ、スケッチするときは集中しすぎて無言になってしまう時間が多かったので、以前のキャンプに比べて二人で一つのものを作り上げていく感は薄れてしまったかもしれない。ただ、やはり現地に赴き、同じ空間で作業を進められたので、春に行ったオンラインキャンプよりも心理的安心感があった。他愛のない話も気軽に出来たので、新規生も取り組みやすかったのではないかと思う。

・4年生のあやかさんとペアだったからかもしれませんが、ペアワークはコミュニケーションが取りやすく、観察とスケッチに集中することもできました。研究会のメンバーと、2人だけで同じ時間と空間で作業することが初めてだったので、ペアのあやかさんとはじっくりと(?)コミュニケーションを取る機会になりました。
・ペアでの作業は楽しかったのですが、2日目に他のメンバーと全く顔を合わせなかったのは、少し寂しく感じました。全体で顔を合わせてから各自作業に入った方が、競争するわけではないけれど、これからペアで「やるぞ!」みたいな気持ちになったのかなと。全体を通して、キャンプの「はじめ」と「終わり」が曖昧だったなと感じます。

加藤研に所属して初めてのキャンプ。そして初めてお話しするガクさんとのペアワーク。初めてのことばかりでとてもワクワクしていました。元々人間観察が大好きなのでとても楽しかったです。私が面白い人を見つけてガクさんに話しかけると、ガクさんは全く別の人を見ていて、その人が個性的で面白かったりと、お互い発見があるとシェアできました。1人でいるよりも視野が広がり、”2人で人間観察をしている”とあう感じがとても楽しかったです。

担当駅が地下にあったということもあり、寒さや雨などによって影響を受けることなく、ペアと適度な頻度やペースで感想を言い合ったり、質問したり、柔軟にワークができたと感じている。一方で、これまでのキャンプ(前回のオンラインキャンプ含め)と比較すると、2人で何かを観察した上で分析をする時間が少なく、個人で作業する時間の方が長かった。

どちらかというと、「ペアワーク」よりも「個人ワーク×2人分」のような感覚でした。それがよいか否かは一概に言えないかもしれませんが、私個人の感想としてはとてもやりやすかったです。単純に集中してスケッチに取り組めたことや、かと言ってペア同士での会話が全くない訳ではなく、同じ場所を観察対象とし、同じ取り組みをすることでこそ生まれるふとした会話が心地よかったことなどが理由です。

ペアワークとしては、ペア同士がそこまで仲が深くない状態からのスタートだったとしても、とても取り組みやすかったように思う。オンライン上では、一対一のワークだと、嫌でも沈黙を埋めるように言葉を出さないと気まずい気がしてしまう。しかし今回のワークでは隣に座ってお互いの作業に没頭しながらも、4時間という長い時間を共有して手を動かしながら自由にポツリポツリと会話ができたため、ぎこちなさが感じられなかった。ペアワークだが、個人にノルマが課せられている作業というのが、目標がはっきりしていて取り組みやすかった。さらにお互いの手元を見ることができる状況なのはとてもありがたく、わからないことがあった時すぐにペアの人に聞きやすいのはもちろん、勝手に見て盗むこともできた。オンライン上であれこれ言葉で話し、画面共有をして情報を共有していたとしても、相手の手元を見て解決することの方が圧倒的に多いと感じた。

 

 "Every Person in New York"のJason Polanは、その場で描くやり方(クイックスケッチ)ですすめていました。あなたは、どのような方法で取り組みましたか?できかぎり具体的に紹介してください(つかった機材、方針の変更などなど)。

B5サイズの無地のノートに万年筆で描きました。パッと目がいくような特徴的な人を捉えるのも面白いですが、普通な人も記録したいと思ったのである範囲を決め、その間に立ち止まる人全員を描きました。53人描きました。写真や動画は使わず、限られた時間で描くことによって自分が目をつけているポイントが絵に強く現れました。いなくなってしまった時はすぐに諦め、次の人に切り替えることでその人の滞在時間や行動(動き続けている人はなかなか捉えづらいので、詳細に描けている絵はじっとしていた人です)も絵に現れています。

クイックスケッチについて調べていると、多くの人が万年筆が一番適しているというので私もそのスタイルで描いています。万年筆で描くことで、ボールペンやデジタルなイラストには出せないインクの溜まりやムラが出ます。描いたときの線の迷いや焦りが絵に現れて、現場感がにじみ出ます。

午前中:描きたい人をiphoneで写真で撮り、すぐにそれを見ながら現場でipadでスケッチをしました。ソフトはprocreateです。スケッチしている間は下を向いているので、時々顔をあげて新しい人物がホームに現れていないかを見ながら進めました。
午後:通行量が増え同時に面白い人が現れるようになり、その場でスケッチすることをやめ観察と写真撮影に専念しました。描く対象の20人の写真を撮り終えたところで駅での作業を終了しました。14:40分ぐらいでした。

最初の10分ほどは、対象者を見つけてそのままフィールドノートにスケッチをしていました。しかし、その人の特徴を捉えることが難しく、その人らしさのようなものを記録できませんでした。そこで、iPhoneで写真をとり、その写真と実物を見ながらその場でスケッチする方法に変更しました。この方法だと何時にその人がいたのかが分かり、さらに、あと少しのところでいなくなってしまうことがないなど、利点が多くやりやすかったです。

まず、正面から見やすく、かつ写真を撮ったりまじまじと見たりしても気づかれにくそうな向かいのホームのベンチに座った。スケッチに使用した機材はiPadとApple pencil、使用したアプリはibis Paint Xだ。最初は、その人を見ながらApple pencilで直接iPadに描いてみたたが、うまくいかなかった。そのため、描くと決めた人をiPhoneの無音カメラアプリで写真に収めてiPadに転送し、写真をなぞりながらスケッチした。慣れてくると、7〜8分に1人のペースで描き進めることができた。

ipadで写真を撮り、3,4枚溜まってからトレースをし出す。トレースはProcreateアプリを使用。写真を読み込んで、別レイヤーで線をひく。溜めていた分を書き終えるまでは基本的にトレースに集中するが、すごく気になる人を発見したら中断してまたカメラを起動する。20分に一回新しく写真を取るようなリズム。

初めはiphoneで写真を撮り、それをもとに紙とペン(A4のスケッチブックとピグマの05)でスケッチしようと試みましたが、対象となる人が電車を待つ数分間その場にいるということに気づいてから、その場で描くやり方に切り替えました。
そもそも僕たちのペアはお互いipadを持っていなかったので、トレースするという発想はもとからなく、どうせだったらJason Polanのようにその場で描こうと思い、クイックスケッチをすることになりました。
また、午後の部からは寒さのため、駅に隣接している建物の2階から描いてみました。しかし、上からのアングル、窓越し、対象との距離などといったそれまでと異なる状況から思うような線が引けなかったため、再び駅のホームに戻り同じ目線、似た状況(寒い中ホームにいる)で描くことにしました。

主にiPadのプロクリエイトを使用した。ペンはナリンダーペンシル。基本的に写真を撮りそれを元に描き進めた。
駅についてまずは2人で話しながら駅を眺めていた。その後、私はまず隣に座った人を描くようにした。次に反対側のホームに座った人を描いていった。写真は定期的に駅全体を写すように撮った。(動画など)レインコートやベビーカーなど質感を表すのが難しく時間が掛かってしまったのでクイックスケッチは僕の技量では難しかったように思う。

私は今回のスケッチの方法として写真を撮ってそれを見ながら直に紙に書くという方法を選んだ。ただ,紙にこだわりがあったわけではなく,タブレットを持っていなかっただけだ。理由はどうであれ,個人的には紙に直接描くほうがその場で作品ができあがっていく感じがして気に入った。他のタブレットを使っている先輩方を見て線はきれいに見えるし塗りつぶしもできるし羨ましいと思う部分はもちろんあったが,ペンにはペンの味があると感じた。ペンを使うと線の細さや雑さなどが更に現れ,自分の描く人々に少しばかりか自分の感情が乗り移るような,そんな表現の応用作用があったと個人的には感じた。
駅に到着した当初(10分間くらい)は対象を撮影していたが、ペアと合流してからはほとんどクイックスケッチで進めた。使ったのはA5サイズのノートと、水性の黒い細めのマーカー。

ホームのベンチから上下線のホームにいる人と電車から降りてきた人を観察し、気になった人の写真や動画をiPhoneで撮影した。午前中は下りのホーム、午後は上りのホームで観察。それを見ながらProcreateというアプリを使用し、iPadでスケッチを行なった。なるべく濃淡をつけたかったのと、絵に柔らかさを出したかったので、全て6B鉛筆というブラシを使用した。スケッチは1人あたり5分〜15分で描き上げ、細部まで正確に描くことよりも、特徴を捉えつつスピーディに描くことを意識した。
駅利用者に小さな子どもが多く、雨の日ならではのレインコートや長靴を着用している姿が印象的だったため、子どもを中心にスケッチを進めた。初めは20名全てを子どもにしようと考えていたが、子どもの他にもつい目を引いてしまうような人が観察できたため、子どもを中心にしつつも限定することはしなかった。

始めはosmopocket(片手に収まる無音撮影可能なカメラなので気付かれにくいもの)を使っていたが、画角の調整が難しく、画像確認も難しかったために諦めた。画像を撮り、次の電車が来るまでベンチでスケッチをすることも考えたが、寒くて手が悴むと思ったので、方針を変更。結局iPhoneのカメラを使用し、ベンチから下車する人の中で描きたい人を10人以上撮りためてから、改札外のカフェで描くことにした。午前中には良いペースで撮り溜め、ビデオを持った先生が到着するのを暫く待ってから、お昼をかねて改札外にあるカフェに駆け込んだ。ここでご飯を食べてiPadでイラストを描いて1時間半ほど過ごし、改札内に戻った。スケッチセッションをしようかと思ったが、他のグループの話を聞きに行こうと温かい電車に乗って移動。エレ・あゆなペア、めい・ゆうたペア、おーた・ショーンペアと交流した。他のグループと比べて圧倒的に進度が遅いことを実感しながら、14時頃に洗足池に戻って1時間集中して写真を撮り、解散した。帰宅後に作業を再開し、iPadを使用していた私は21時頃に描き終わったが、手書きで精緻に描いていたはなえは4時まで作業をしていた。ペアで使用できるツールが違い、相手のスケッチなので何かをすることもできなかったので、キャンプでの先輩の姿を思うと非常に申し訳なかった。

iPadのibisPaintというアプリを使用しスケッチを行いました。私は画力にあまり自信がなかったこともあり(クイックスケッチができない)、最初はホームの反対側にいる人の写真を撮っているだけでしたが、とても寒かったこともあり途中から写真を集めながらイラストも描くという方針に変更しました。おかげで体は温まりました。その後、4-5名ほどホームで電車を待っている人々のクイックスケッチに挑戦しました。ただその場合どうしても動きが出なくなってしまうというデメリットもあったので、基本的には写真を撮りながらそれを見てイラストを描く方針で進めました。それぞれが20人以上描きたい人の写真を集められた段階で駅を離れ、近くのカフェで一緒にイラストを描ききりました。イラストを描く上で、ただ線だけで表現するよりも濃淡をつけることでよりその人の特徴が浮かび上がることに気づきました。

・ipadを使用し、写真を見ながら書いた。
・はじめは写真を撮らずに書くことを試みたが上手にできなかったため、写真を見て書くやり方に変更した。
・後半はあまりに寒かったため、ペアと話をしながら写真だけを収集し、残りは家でスケッチをした。
・雪が谷大塚はホームが一つしかないため、正面を向いている人を書くことができなかったが、写真を撮るようになったことで正面の人もスケッチすることができた。

駅のホームが狭くベンチも数席しかなかったため、長い間居座るのは厳しいと判断し、ホームではスケッチをせずに前半と後半それぞれ20枚ずつiphoneで写真を撮って記録した。前半は五反田方面に向かう人が多かったため上りのホームで、後半は帰宅する学生や家族連れがいたため下りのホームで写真を撮った。反対側のホームにいる人の写真も撮ってみたが、雨だったからか写りが暗く画質が悪くなってしまったため、基本的に同じホームにいる人を撮っていた。お昼休憩の際にカフェで写真を元に2人ほどスケッチした。私はスケッチブック、ペアのようこさんはipadを使用した。寒さに耐えられなかったため早めに切り上げ、描き終わらなかった分はそれぞれ自宅で描いた。

持参した機材:iPad、Macbook、一眼カメラ
初めはiPadでクイックスケッチをしようと思っていたが、想像以上に気温が低かったのと、千鳥町の駅の環境があまり良くなく、スケッチに集中できる状況でなかった。そのため、カメラで気になる人を撮影して情報を得た上で、雨風と寒さをしのぐことができる場所で、それを参考にしてスケッチをすることになった。ペアで話しながらどんなテーマを設定して、スケッチ対象の人を選ぶかは話し合って、写真を撮っていた。

私は、クイックスケッチで進めた。スケッチブックに高校時代に美術室からパクった0.1cmのサインペンで描いた。1ページにつき2人を描いていたので、サイズ的には少し大きかったと思う。にじんだりしないように、見開きの左側は使わなかった。レイアウトはadobe scanを使って取り込み、Illustratorを使って配置した。大きく描いていたのが功を奏し、画質が落ちなかった。
当初はホームのベンチに座って描く予定であったが、ベンチがホームの端にありあまり人通りがなかったことや、雨や寒さによりその場で長時間スケッチするには難しいという判断に至った。そこからプライバシーに配慮しながらホームにいる人をiphoneで1〜2時間ほど撮影したのち、駅近くのカフェに入り写真を見ながらスケッチする方針へと変更した。スケッチにはスケッチブックとサインペンを用いた。

"・私たちのペアは、クイックスケッチではなく、iPhoneの無音カメラで撮り溜めた写真を手書きでスケッチするという方法を取りました。前日までは特にスケッチ方法は決めておらず、当日の状況を見て、このスケッチ方法に決めました。
・フィールドとなった大崎広小路駅のホームは屋根はあったものの、雨の日だったため寒く、また大きい駅ではなかったため、設置されていたベンチと電車の距離が近く、観察対象となる人と私たちとの距離が近すぎたため、一定の地点に止まって、観察するということはしませんでした。ただ、観察して写真を撮る過程で、改札に向かう階段に近い電車の降車口を利用する人が多いこと、年配の方やベビーカーがある家族は(普段自分たちが利用する駅よりも多く、)ホーム端にあるエレベーターを利用していたこと、ベンチを利用する人が多かったこと、時刻表のそばに立っている人が多かったこと…など、人々の動きのパターンが見えてきて、それぞれが注目したい場所が見える場所で観察していました。私はエレベーターとベンチ側、階段を降る人を観察して、あやかさんは時刻表の側と降車する人を観察することが多かった気がします。また、私が「上り」の電車が来る側に止まりがちだったのに対して、あやかさんは「上り」側にも「下り」側にも動きながら観察していました。大体、駅で観察して写真を撮っていた時間は30-50分ほどで、撮った写真をお互いに見せ合った後で、ドラフト会議をして、それぞれがどの人をスケッチするか決めました。同じ人を撮っていることも多かったですが、お互いが撮った写真の角度は違って、「なんとなくこっちの方が良い」「こっちの方がその人の味が出ている」という方を採用していました。

・写真を撮った後は、駅の隣にあったベローチェでスケッチをしました。午前の部は2時間ほどスケッチした後、13:00ぐらいに昼食を取るために、あやかさんの「気になるお店リスト」の中から選んだお店に行きました。お店が混んでいて、すぐには入れなかったため、整理券を貰って駅に戻り、午後の部の写真を撮ることにしました。また30-40分ほど写真を撮り溜めたところで、整理券の順番が回ってきたので、昼食を取り、その後またベローチェでスケッチをしました。午前の部は2時間で大体5-6人分書き終え、午後の部は2-2.5時間で8-9人分書いたところで解散し、残りは各自、自宅でスケッチをすることに決めました。私の場合、自宅に帰ってからは、ゆっくりと作業を進めたため、残りの人を描くのに1-2時間ほどかかりました。
・私はスケッチブックにサインペンで、あやかさんはスケッチブックにペンで、スケッチをしました。あやかさんはiPadを持っていたので、画像をトレースすることもできたのですが、2人が同じ方法でスケッチしました。なので、2人とも、1人分を描くスピードは大体同じでした。
・クイックスケッチではなかったので描くのに時間がかかって疲れました。はじめは細かく人を描いていたのですが、疲れてきたということもあって、だんだんと大雑把に人の特徴を掴んで描くようになりました。

とても寒かったのでスケッチをするのはやめて、とにかく写真に収めました。2人ともカメラを持っていたため、気になる人をどんどん写真に撮りました。そして2人で撮った写真を見返しながらなんとなくスケッチする人をピックアップして、お互い家に帰ってからスケッチをしました。

iPadのAdobe frescoとApple Pencilを用いて描いた。午前中は写真を撮らず、その場でクイックスケッチをした。午後は疲れたのもあり、より変わった人を細かく描きたくなったため、写真を撮り、家でその写真を見ながらスケッチを完成させた。

加藤研のスケッチブックに、油性ペンで描きました。「見知らぬ人を気づかれないように写真に収める」という行為に対する罪悪感がものすごく、写真は撮らずにクイックスケッチの手法をとりました。今振り返ると、クイックスケッチにして良かったのではないかと思います。写真を見ながら描くといくらでも細部を描けてしまい、リアルタイム感(即興感?)が失われていたかもしれません(試していないので実際にそうなのかは分かりません)し、何より盗撮というリスクを負ってしまいます。

最初はその場で見たままの人を描こうと試みたが、対象人物がすぐ電車に乗り込んでしまったり、移動をして途中まで描いていたものと姿勢が変わってしまうい、短時間で一人の人を詳細に描き切ることが困難であることを一人目のスケッチの時点で感じた。そこで、人が自分の近くや反対側のホームに来るたびに写真を撮り、それを見ながら描くことにした。電車から降りてくる人に対しては、写真だとブレてしまう可能性もあったうえ、電車から一斉に降りて歩いていく人々のうちから一瞬で写真を撮る対象人物を決めることは困難だったため、動画を撮影しその動画を停止して描く方法をとった。動画だと好きな動きの瞬間を自分で選んで停止することができるため、写真よりも汎用性が高かった。
写真や動画はズームもできるため、細かい部分が目で見るよりも捉えやすく、その場で描くよりも作業がしやすかった。
しかし、明らかに人にカメラを向けている様子を出すのは憚られたため、景色を撮っているような雰囲気を演出しながら写真を撮った。幸いにも駅が木造でできた雰囲気のある駅だったため、駅の記念撮影をしている人のように見えやすかったかもしれない。

 

今回は、半日の観察+ひと晩で、少なくとも20名分のスケッチを仕上げるという設定でした。作業量や作業内容について、気づいたこと、感じたことなどを書いてください。

現場でかき終えたことで、帰ってからの作業はスキャンとレイアウトをすることのみでした。セッションを終え、蒲田駅で少しおしゃべりしてから帰りました。データ化しておいて、夜ご飯食べ終わったらzoomで再集合ね、と決めて解散しました。zoomで2時間程度作業をして、仕上げました。特にトラブルなく、ゆとりを持って進めることができたので、大変ではありましたが純粋に楽しかったという気持ちが残りました。

今回はできるだけクイックに描く(一人あたり5分目安)をコンセプトにスケッチを進めましたので、20名分のスケッチを仕上げるはのは無理はありませんでした。後でディティールを足して、色をつけたバージョンを仕上げたいと思っています。

午前中は慣れていないのでスケッチするペースは遅いですが、人通りが多く対象を見つけやすかったです。午後は慣れてきたのでペースが早くなりましたが、人通りが午前に比べて少ないため自分が書きたいと思える人に出会うことが少なくなりました。そのため、結果的に、1日を通して1時間に5〜8人程度の速さで書くことができました。20名分のスケッチは作業量としてちょうどよかったです。
その場で書いていたため、家に帰ってからの作業も少なく、無理をしている感覚は全くありませんでした。

ちょうどいい作業量と作業内容だったと思う。
土曜日のスケッチに関しては、7〜8分に1人のペースで描けたとしても、写真を撮って転送する時間や描きたいと思う人がやって来るのを待つ時間を含めると1時間に5人が妥当だった。それに、慣れてきた頃には、1人ではなく1ペアまたは1グループに挑戦することもできたから、少し余力が残るくらいがちょうどいい。また、机がない状態でずっと同じ姿勢でスケッチし続けるには、身体のコンディション(主に肩こり)という観点でも4時間が限度のように感じた。
イラストレーターを使って1枚にまとめる作業は、解像度の設定に少し悪戦苦闘したものの、すごく時間をとられるわけではなく、これもちょうどよかった。

私はipadでトレースという一番簡単(?)な方法を使っていたため、心身ともに作業量に負担は感じなかった。ゆっくり人を観察したりペアとおしゃべりをする余裕があった。ただし天候によっては体力が大きく奪われる可能性があるというのは考慮に入れる必要があると感じた。(ペアのショーンは完全アナログで突き通していたため4時間ではやりきれないのではないかと勝手に心配していたが、むしろ私よりも手際良くやってのけていた。しかもスケッチと観察もしっかりできている。すごい。)

作業量に関しては、時間を持て余すこともなく、時間内に20名を描くというノルマは二人とも達成していたので(とはいえ、納得のいく線が引けず16時まで描いていました)適切だったと思います。
池上線はだいたい6分おきに電車がくるため、4,5分前にホームへやってきて電車を待つ人を対象に、1分くらいで描く人を決め、3,4分で描き、電車がやってきたら終了。ここまでを1サイクルとし、一回やって、一回休みを繰り返していました。
このように、自分たちでタイムキープをせずとも、正確な時間で運行している鉄道のおかげで、ペースを維持できたのは駅で行う利点だと思いました。
また、スケッチし始めた時は、これを4時間はかなり疲れるなと思いましたが、実際にやり始めるとペンを持つ手が描くに連れてノッテきて、だんだんと納得のいく線を引くことができていた印象でした。

20名というのは妥当な数であると思う。しかし、私は家族という縛りを途中からつけてしまったため結果的に計40名近くスケッチすることになった。1時間ちょい追加のスケッチの時間を費やした。終わりが見えるという点ではこれまでのポスター作りよりかは精神的に焦りは少なかった。
地味に大変だと感じたのは、描き終わったスケッチを一つ一つファイルに取り込み、余白の切り抜き、サイズ調整などだ。20人分は結構しんどかった。スケッチブックに描いた勢はスキャンやトリミングやある分なお大変だったのではないだろうか。次の日もあったので日付が変わるまでには終わらそうと目標にしていた。
キャンプだとご飯の時間に話せたり、意外と息抜きの時間にアイデアが浮かび上がることが多い。その体験がなかったのは少し寂しい。家に帰って作業をしていると夜ご飯を食べる時間が23時ごろになっていた。(疲れていたということもあったが)
オンラインだと細かな作業を伝えることが難しいと思われたので、15時解散という時間はちょうどよかった。終わって場所を変え、一息つくことが可能。
ただ、人によってはイラストレーターが入っていなかったり、重たくて作業ができなかったり埋め込みがうまくできなかったりとトラブルが多々あったように思う。出来る限り2人で作業を終わらせて解散などが理想かもしれない。

今回の作業量について感じたことは本来のクイックスケッチ的な描き方をしたなら20名という量は丁度いいと感じたが,思っていたより描いているうちにこだわってしまったため少し多いと感じた。これには特にあの日の気温も関係していると思う。寒すぎた気温のせいで自分たちの班も含め多くの班が写真だけ撮って後で描くというやり方を取ってしまったように思える。その日の自分たちを攻めるわけではないが,このやり方ならわざわざ半日も時間を取らずともぱぱっと写真を撮ってしまえば済む話しのように感じてしまう。寒さや忙しさなどその状況を駅にいる人達と共有しながらそれを描くとこで更にその絵に思いが現れるかもと考えるとある意味もったいないことをしていたなと反省させられる。

作業量は無理なく妥当だった。14時くらいには十分な人数のスケッチを終えたので、寒かったこともあり早めに切り上げた。クイックスケッチだったので、後から手を加えることがなく、(加えられたかもしれないがその場で仕上げた感じを残したかった)まとめ作業はすぐに終えることができた。二人ともクイックスケッチだったということも、まとめるスピードに影響したのではないか。また実際にクイックスケッチをしてみて、対象を描くのに時間制限があることが意外と良いなと思った。最初は慣れなかったが、電車が来るまでの限られた時間の中で焦りと戦いながら描くことでだんだんとコツを掴んでいくのが感覚でわかった。もちろん後から描く方が丁寧なのだけれど、どこまでも丁寧にできるため完成に時間がかかってしまう。また、その場で描く方がスケール感がつかみやすかった。家で撮影した写真をみてスケッチしてみたのだが、意外と体に対する頭の大きさや持ちもの大きさを掴むのが難しかった。
事前準備として渚が送ってくれた動画を見て練習していたことも良かった。練習していたことで、最初からクイックスケッチに対する抵抗を少なくすることができた。

電車が6分に1本来るため、初めは次の電車が来るまでに1人分を描けると理想的だと考えていたが、スケッチに慣れておらず、観察とスケッチを同時進行することが難しかった。定点カメラを設置していたわけではなかったので、描いているうちに面白い人が来るかもしれないと思ってしまい、最終的には観察に集中することにした。結局観察中に描けたのは5人分で、残りの15人分は観察を切り上げたあとに描いた。
20人のスケッチを描いてみて1人目と20人目を比較してみると、描くスピードが半分以下になっていたこと、描き始めに迷いがなくなったこと、捉えるべき特徴と省ける部分がわかるようになったこと、曲線が多い丸みのある絵を描きたがること、などの気づきが得られた。1日の間でも20人という数を経験することで、徐々に自分なりのスタイルが確立されてくることがわかった。そして、1つ1つのスケッチだけを見るとあまり自信を持てなくても、20人分を一枚にまとめると見応えもあり、それなりのスケッチができたという自信を持つことができた。

他のペアを見ていると、作業量は寒くなければちょうど良いと思った。私たちは午後にセッションをせず、帰宅後に宿題を残しすぎてしまったので、1人で家で行うスケッチは「作業」と化してしまったのが辛かった。ただ、これはこの企画自体の設計の問題というよりも、私たちが写真をトレースする手法を変更することや、寒さの対策をすることで防げたことだと思う。精密に写真をトレースする手法は、every personシリーズに不向きだと感じた。

スケジュールと作業量としてはちょうど良かったように感じます。20人という数も程よく多く、ただ多すぎず、集中して取り組める内容でした。また、今回のそれぞれが成果物を完成させる形も非常に良かったです。もし、二人で一つのものを作るとなった時には、zoomで繋ぎながらやっていたとしてもどうしても片方の作業量が多くなってしまうので、夜遅くまで一緒に一つの画面を見ながら作業する形が取れない現状、この手法はやりやすかったです。もし今後も継続してこのプロジェクトを行う場合、イラストの他にコメントをつけるなどもう少し最低限のルールを決めてもいいのかもしれないと思いました。(皆のコメントを見る中での気づきもあったので。)ただその一方であまりルールを決めすぎてしまうとそれぞれの個性が出るという面白さが半減してしまうという懸念もあるので、バランスが重要だと感じます。

・作用量はちょうどよかったが、写真をなぞることは避けたため、想定していた以上に時間がかかってしまった。
・作業中にzoomをつなげながペアで作業しても面白かったのではと感じた。
・全体を通して作業内容は分かりやすかったが、どこまで言葉をいれるべきかに少し戸惑った。公開されることが前提と考えると、言葉の使い方にも注意しなければならないと感じた。
・作業内容が分かりやすくなったのは、フォーマットが決まっていたからだと感じる。決めすぎず、でもゆるすぎないフォーマットをデザインする重要性に改めて気づいた。

上記のように、私たちのペアはホームでスケッチをすることはなかった。カフェで描いた2人以外は、自宅に帰ってからスケッチを行った。写真を見て描くから時間制限がなかったことや、スケッチの慣れなさから丁寧に描こうとしすぎてしまい、1人描くのに20分ほどかかってしまった。そのため次回同じような形式でやる際は、ホームの構造にもよるが、できるだけクイックスケッチをしたい。また、今回はスケッチする人数の倍の写真を撮ってどの人を描くか選定したため、実際にホームで目に入った人と描く人は選ぶ基準が異なっていたと思う(描きやすそうな人を描いてしまうなど)。クイックスケッチの方が時間も限られているため、その人のどこに注目しているかがより現れやすくなると思う。その場のリアルな感覚で描いてみるという意味でも、クイックスケッチができるように練習したい。

20名のスケッチは作業量としてはちょうど良かったように思える。その日のうちに作り上げるというキャンプのコンセプトにあった負担だったと思う。
ただ、前述したように、単純作業が多くなってしまうため、何か新しいものを作っているという感覚や最後まで悩むような疲労感は、従来のキャンプに比べて弱かった。経験者としては、キャンプのやり切った感を感じたかった。

今までのキャンプを体験してきたので比較はできないが、徹夜せずにすんだので、もう無理!と言うほど大変ではなかった。ただ、あの寒さの中で描き続けるのは体力的にしんどかった。私は集中し続けてやっと23名を描くことができたので、20名分の設定は非常にちょうど良かったと思う。

他のペアは駅でクイックスケッチをしたり、ipadでなぞったりしているところもあったが、私たちは写真を見ながらスケッチブックに描くという方法を取っていたので日中には終わらず自宅でも作業していたので時間は多く要したかもしれない。ただ、どう描けばその人の特徴を捉えられるのかを考えながらスケッチすることが楽しかったかつ、描けば描くほど達成感が生まれてくるので、作業量が多いとは感じなかった。また、以前のオンラインキャンプだと作業の分担のしづらさや一人当たりの作業量に差が出てしまうと感じていたが、今回は初めから一人20人と決められていたので、分担に関して悩むことがなくスムーズに進められたように思う。

・10人以下だと物足りなく、10人以上だと負担が大きかっただろうと思いました。私たちのペアはクイックスケッチではなく、30〜40分間程観察をした後に、スケッチをしていたので、どうしてもスケッチが丁寧になってしまい、作業時間が長かったので、10人以上は描くとなると、かなり負担になったと思います。
・とはいえ、「必ずクイックスケッチをしなければいけない」という条件が出された方が、個人的にはしんどかったです。自分の性格的に、観察した人を細かく描きたい、雰囲気が分かるように描きたいという気持ちがあったので、ゆっくり時間を取って作業をできたことが、最終的に成果物ができた時の満足感にも繋がりました。今回、絵が上手である必要はなかったですが、個人個人で得意不得意の差があるので、作業手段を選べたことは良かったです。
・個人的に、ペアで写真を撮り溜めて、その後一緒にスケッチをして、帰宅後も進捗を確認し合いながら、最終的に2人のページを作れて良かったと思っています。ショーンが「フミさんが寒そうにしていることに気づかなかった」と言っていたように、クイックスケッチのペアでは、同じ空間と時間を共有していても、それぞれスケッチブックと向き合う時間が長かったのではないかと思いました。あやかさんと写真を見せ合いながら「この人良い味が出てる」みたいな会話をたくさんしたので、ペアとして良い時間を過ごせたと感じます。

初めは20名分のスケッチは終わりが見えなさそうと思っていたのですが、いざ取り組んでみると丁度良い作業量でした。上手に書くことが目的じゃないとわかっていても私は変にこだわってしまうとこがあるため、もう少しシンプルでも伝わりやすいスケッチを描けるようになりたいな、と新たな目標もできました。

多すぎず、少なすぎず、ちょうど良い分量だった。家に帰ってからの方が、時間があるため、こだわりたくなった。夜に描いたものと午前中の作品とのクオリティの差が気になってしまった。

2時間×2で20名分、という作業量はとても丁度良かったと感じています。絵を描き慣れている人もいればそうでない人もいるので、全員にとってどの程度の作業量が適切なのか、少し気になります。もし今後また同様のキャンプをするとして、作業量を変えるのであれば、真ん中あるいは少し上くらいのラインに合わせるのが良いのではないでしょうか。簡単すぎず、難しすぎず、少し頑張るくらいのラインです。

20名という人数は妥当だったように思う。余裕で終わる人数でもないが、全く描き切れないわけでもなく、4時間の時間に対して程よかった。
半日の観察時間に加えて一晩の時間も与えられていたが、家で丁寧に描きなおしたりするのはまた絵の雰囲気が変わってしまう気がしたので私は家では作業を行わなかった。駅のベンチで荒削りながらも、引いた線には修正が効かないボールペン一本で同じ空間を共にした人々を描くようにした。

 

成果報告会は、時間は短かったものの対面でおこないました。成果報告会について、気づいたこと、感じたことを書いてください。

制作したページを見せ、それについて語ることはオンラインで十分にできたと思います。むしろ画面共有を使って見せる方が絵の詳細まではっきり見えます。しかし今回の成果報告会を通して、オンラインコミュニケーションはかなり一方的だと実感しました。近所の人が覗きにくることや、みんなでページを眺めて絵について話し合うことができないからです。描き方や人の見方など、それぞれのスタイルがあって刺激的でした。一種の報いを感じる時間だったし、ペアごとに取り組んでいたプロジェクトが、全体のプロジェクトだったという実感に変わりました。
自分の担当ページを回収する際、図工の時間を思い出しました。何時間もかけてつくってきた作品は制作中は学校で保管するためあまり自分のものとして認識できませんでしたが、持って帰るために返却される際に初めて自分がそれをつくったことを自覚します。佳作に選ばれると1年越しに返却をされますが、その時にはもう忘れ去っていて、受け取る喜びより「ああそんなのもつくったっけな」という驚きを強く感じます。
今回は出来上がってすぐに自分のものになったので、さらに報いを感じたし短期集中プロジェクトとしてそれが完璧な締め括りになった気がします。気持ちが熱いうちに物が手元に渡る大切さを実感しました。これも一種の儀式性かもしれません。

リアルで集まって顔を見ながら会話を交わすことで得られる一体感は、オンラインでは得られないものです。素直に「楽しい」という感情が残りました。

ポスターを床に並べると一気に見られてよかったです。
ファイルをパソコン上でみるよりも、紙と体を近づけたり離れたりしながら眺めている方が面白いなと思いました。
また、雑談が生まれたり、発見をしたりするのは、あのような場でしか生まれないものだと感じました。

特プロでキャンプ案を考えていたときに成果報告会はオンラインでもいいと思っていたが、やはり対面で行って、自由に見て回る時間を設けることが大切なのだと感じた。みんなが同じようにしゃがんだりかがんだりしながら言葉を交わしている光景は、普段のポスターの発表会のようだった。
ただ、端に座っていた人はたまに発表の声が聞き取れなかったと言っていて、それは惜しいなと思った。難しいかもしれないが、マイクなどの機材を用意できたらなお良いと思う。また、この音の問題と天候を考える必要があることをふまえると、広めの室内で行うという選択肢もあると思う。

晴れていたため外で対面で行うことができた。雨が降っていたら約20名が距離を保ちながら利用できる室内空間を確保する必要があると思うと、そこは難しいのかもしれない。(雨天オンライン・もしくは天候にかかわらず利用する室内空間を事前に予約しておくなど) 対面の良かったところは、鑑賞時間にあちらこちらからいろいろな感想が聞こえてきたことだと思う。「この感想、私がさっき見ていたあのイラストについてだな」とか、「私がこれから見に行こうとしているところにはそういう人がいるんだな」とか、他ペアが担当していたところも自分ごととして楽しみにできた。 

成果報告会で各々の成果を地面に並べてみて、駅を路線で見た時、駅には順番があることが今回のキャンプの面白い点のひとつなのかもしれないなと思いました。
駅には上りと下りの2方向しかなく(今回は多数の路線が通っている駅が対象外だった)、その駅が路線内のどこに位置するか、それを表す番号が各駅に振り分けられています。(例えば、御嶽山はIK10)
そのように方向と順番があることによって、「〇〇駅の隣は〇〇駅」、「〇〇駅の次は〇〇駅」という見方ができ、IK02(大崎広小路駅)からIK14(蓮沼駅)の順で発表する様子は、まるで一つの物語のを聞いているような感覚でした。

もう少し早めの開始でもよかったかもしれないと思った。成果報告会の前後でグルワをしていたからというのもあるが。ただ、成果が目の前で並んでいく様子は感動的だった。あの時間が好きだなと改めて感じた。それぞれともっと話したいという気持ちがあったが、成果報告会の時間自体はちょうどよかったと思う。
成果報告会を子供や散歩中の人たちが囲んでいたりたまに話しかけてきてくださる光景は好き。コロナが落ち着いたらもっと広く(公開するかたちで)成果報告会ができると良いなと思う。
野外教室のスクリーンでキャンプの映像をみんなで見たかったのを思い出した。

成果報告会を対面で行ったのはとても良かったと感じている。もちろんZoomでできるような内容だったと言われれば間違ってはいないが,みんなで一緒に作品を見て,感想を言い合い,話し合うということがシンプルに楽しかった。特にみんなで床においてある作品を囲い,眺めている様は大学でのコミュニティーがまだない自分にとっては仲間だなという懐かしい感覚を蘇らせてくれた。また,対面でのメリットとして作品を囲っているときに遠くの方で誰かがぼそっと言ったコメントに誰かが反応し,そこから話題が次々と生まれるということが感想を言い合う機会としてはとても良いものだったと感じた。

成果報告会が対面だったのはやっぱり楽しかったし、全く関係のない人たちがいたのも面白かった。webサイトを見てきてくださった方もいらっしゃって、内輪で発表するだけではなく、外にむけて開くことの大切さ、それによって発生した偶然の出会いやつながりの面白さを改めて感じた。周りの「何が始まるんだ?」という雰囲気もいつものキャンプとは少し違ったが、それはそれで楽しむことができたと思う。

成果報告会を対面で行なったことで、研究会全体で一つのプロジェクトとして繋がることができ、また開かれた公共空間で行なったことで研究会外との繋がりも生まれていたと感じた。
2日目は他のペアとほとんど会わなかったこともあり、みんながどのような方針でどのようなスケッチをしているのかが全くわからず、”2人でやっている感”が強かった。ただ、最終日に対面で会話を交わしながら成果報告をしたことで、同じ人をスケッチしていたり、自分の駅では降りなかったけど注目していた人が他の駅でスケッチされていたことがわかり、同じ日の同じ時間に同じ路線でフィールドワークをしていたんだという繋がりを感じられて嬉しかった。成果物を囲みながらスケッチに込められたこだわりや裏話を聞けて、1人ひとりの成果物に対してよりたくさんの情報を得られたことも対面ならではだと思った。
また公園で行なったことで、たまたま通りがかった人たちとの繋がりが生まれたことも個人的にはよかったことだと思う。先日丸の内を歩いているときにガラス張りのスペースである大学の研究室の展示が行われているのを見かけた。たまたま通りかかっただけだけど、外から見えた展示物がつい気になって中に入り、結局展示を1時間近く見ていた。これも、ガラス張りのスペースというある意味開かれたスペースだったからこそ私も気づけたし、新たな発見を得ることができた。成果報告会も、それが行われることを知らない人からも見える場所で行なったことで、研究会外の人との会話が生まれていた。もちろん偶然通りかかった人にも見てほしいのか、ちゃんと目指して来た人に見てほしいのか、目的に沿う必要があるが、一つの方法として面白いと感じた。

成果報告会で見たスケッチにはそれぞれの色が滲み出ていて並ぶだけでとても面白いと感じた。床に貼っていたことで後ろの通行人がチラ見しながら通り過ぎる通路を確保できていたのもとても良いなと思っていた。スケッチは選ぶペンが違えば、タッチも異なり、それぞれ「観察」する視点が色濃く出ている。スケッチを見ると、少しみんなに近づける気がして嬉しかった。
のだが、背広を着た人に付いた「負のオーラ」のキャプションを発表した時に笑いが起こっていたのが、正直ずっと引っかかっている。自分がもし観察対象で、少し疲れている時に写真を撮られていて、このキャプションが付けられて笑われていたら、どう思うだろうか。「公開性の原則」がある限りwebに公開されるし、池上線に還せば本人の目に付く可能性も高い。表現は自由と言うし、ゆうたの素直な感性とイラスト線はとても素敵だと思うけど、作者の言い方と鑑賞者の受け止め方次第で人は簡単に傷つけられると思った。あの場にいた人として、責任を感じてしまう。

床に成果物を並べていくという形が非常に良かったと感じます。今回はポスターのように遠目で見てもわかる大きいものではなかったので、よりそのように感じたのだと私は思います。イラストの詳細が見たい時にはしゃがみ、全体を引いて見たい時には立つなど自分自身が動くことで見え方が変わってくるということが面白かったです。(フィールドワーク法のプチ課題に近い)またやはり成果報告会は対面に限ると感じました。ただ発表を聞くだけではなく、そのあとにざっくばらんに皆で話しコメントしていく時間が非常に貴重でした。

・外でやったのはとてもよかった。近くで散歩していた人が覗きに来たり、小さな子供が近くで走り回っていたのは、会議室型の報告会でなら絶対に見られない光景だった。
・全員が立って囲むようにして成果物を眺めるかたちはよかった。近くに立っている人と短い感想を共有することが自然と起こっていたし、横一列でなら見るスペースが狭いのではと気を遣ってしまうこともなく自由に移動することができた。
・成果物はやはり実物があるのが良い。全員にPDFで共有する案もあったが、それよりは目に見えて触れるものがあった方がコミュニケーションは生まれやすいと感じた。

成果報告会は、普段の研究会に増して雑談の貴重さが現れていた気がする。今回の成果報告会では、成果物を囲みながらぐるっと一周する形で眺めていた。そのため、たまたま隣にいた人と「このイラスト誰のだろう」「こんな人いるんだね」と話す機会が何度もあった。もしオンラインで開催していたら、各ペアが発表したあとでそれぞれがパソコン上で他の人の成果物を眺め、先生がコメントをして終わっていただろう。チャット機能を使うにも、何かちゃんとしたことを言わないといけないと思ってしまうため、思ったことをぽろっと出すことはできない。今回はぽろっと出た言葉を誰かが拾う、というようなやりとりがなされていた。時間は短かったが、だからこそオンラインでやるよりも”終わった感”があったように思う。

成果報告会は研究会内部の良いコミュニケーションを生む機会になったと思う。地面に一列に並べていく展示スタイルも、路線図を彷彿とさせ、見やすかった。みんな、それぞれのスケッチを回りながら、そのスケッチを描いた人にコメントしあっているのは、通常のキャンプのポスター発表よりも、十分な内部でのコミュニケーションを生んでいたと思う。(キャンプのポスターについての振り返りを互いにしあうのは、いつも帰路の車の中で行われることが多く、一部の人しか参加できなかったため)

成果報告会で一つ一つのスケッチが並んで一列になった時、想像以上にパワーがある画であった。駅ごとの個性はもちろん、一人ひとりのタッチにも個性がみられて面白かった。また、そのスケッチを見ながらお互いで解説しあったり、絵を褒めたりするのがオフラインならではのことで楽しかった。やはりその場でリアクションがえられるのは良い。さらに対面だと、誰かの所に集まって話している様子が確認できる。注目されてる所は後でじっくり見てみようと思うことができるし、一つの絵に関して何人かで話しあえるのが良かった。自分の絵に関して誰かが話しているのが聞こえると、自ら解説しに向かうことができる。離れていてもそれぞれの素直な感想が自然と聞こえてくる環境に対面の魅力を感じとることができた。

対面で成果報告会という場を設け作品を見ながら語り合うことは以前のようなキャンプらしさ感じられてよかったと思う。22枚のスケッチが並べられ、それぞれの内容を比較しながら見た時に各駅での特徴や違いが見えてきたり、実際にものを目の前にしてみないと気づけないところがあったと思う。また、そのスケッチがメディアとなって新たな会話が生まれていたのでキャンプの醍醐味を味わうことができた。
ただ一つ気になったことは、ほとんどのペアが発表の時に各々が自分のスケッチをまとめた紙を持って「私は〜」「僕は〜」と話していたことで、ペアワークだったはずなのにそこで少し『個人ワーク』感が出ていたなと思った。だが以前とは違う内容なので仕方がないことであるし、スケッチの多様性も非常に面白かったのでこれはこれでとても良かったと思うが、少しだけ寂しさを感じた。

・多くのペアが、それぞれ1枚ずつレイアウトしていたのに対して、私たちのペアと渚さん/しずくさんペアは、お互いのスケッチを混ぜてレイアウトしていました。渚さんに言われて気付いたのですが、私たちペアのスケッチのテイストがとても似ていて、それはお互いのスケッチを混ぜたレイアウトにしたからだと思いました。2人でそれぞれのスケッチブックにスケッチしている時は、ペンの太さも違ったので、お互いのスケッチのテイストが似ているとは全く思いませんでした。また、2枚のアートボードに2人のスケッチを混ぜて配置した時も、自分が描いたスケッチがどれなのか把握していたからか、似ているとは感じませんでした。自分たちのページを客観視して見てもらった時、「私のスケッチらしさ」ではなく「私とあやかさんペアのスケッチらしさ」が出ていたのが良かったと思いました。また、2人のスケッチを混ぜた配置にすることで「大崎広小路駅らしさ」が増したような気もしました。
・また、私が「渚さん/しずくさん」ペアのページを見た時にも、どっちが描いた絵なのか、ぱっと見では判別できなかったのが面白かったです。
・同じ時間と空間でスケッチしたということも価値があるように、同じスケッチ方法で描くことにも価値があるのではないかと思いました。
・“Every Person in Ikegami Line”というメディアの中の「大崎広小路駅」のページを作ろうとした時、ペアで同じ時間と空間を共有した記録としても、大崎広小路らしさを提示するためにも、最後のアウトプットとして、各自1ページではなく、各駅2ページの方が良かったのではないかと思いました。
・公園という開かれた空間で、池上線沿線である五反田で、成果報告会をできて良かったと感じました。キャンパス内や室内で行う報告会は、成果物を見る人が予め決まっていたり、飛び入り参加することが難しい。それに対して、公園は成果報告会を行うだけの場所ではないから「経験」として記憶に残りやすいような気がした。また今回、エレさんは途中参加で、もし教室で行っていたら、ドアが開いた時に注目が集まってしまうかもしれなかったけれど、それがなかったのも良かった。そして、池上線に全く馴染みのない場所で成果報告会を行うのも違う気がする。(池上線ではなかったけれど、)電車の音に、声をかき消されながら行う発表が良かった。
・成果物を見る際に、何かコミュニケーションツールがあれば面白かったのではないかと思った。ほとんど誰が描いたスケッチかは把握していたけれど、全員にその場で「私はこの絵が好き」だとか、直接感想を伝えることができなかったから。いろんな色のポストイットを使って、みんなが「気に入ったスケッチ」「面白いスケッチ」「気になるスケッチ」を可視化させたら、どうなったか気になる。新しい発見があるかもしれないし、ただただランク付みたいになってしまうかもしれない。

川沿いで行ったのがとても心地良かったです。屋外で行う方が、いつもと違った雰囲気で発表者の発言にさらに集中できるように思いました。前回の研究会のプレゼンテーションのように、薄暗い屋外でプロジェクターを使った発表というのも良いと思います。屋外は、発表の雰囲気を決めるキーポイントであるように感じました。

外で行う成果報告会は本物のキャンプのようで、とても良かった。みんなの完成作品をひとつひとつじっくり見ながら、コメントをその場で交換できる環境がよかった。時間帯や場所も集まりやすく、充実していたと思う。

天気にもよりますが、外でやる成果報告会が気に入りました。開放感がありますし、また室内だとどうしても閉鎖的な空間になってしまうので、今回のような「キャンプを知らない人が成果物をふらっと見に来る」といったことは起こりにくいのではないでしょうか。オンラインなら尚更です。時間は確かに短かったですが、地面に並べられた成果物を見ながら「これいいね」などと話す時間はとても素敵に思えました。やはり対面の時間は少しでも取り入れたいです。

線路が延びていくように、各駅発表されていくごとに地面に貼られる紙が延びていく様子が良かった。紙を上から吊るしたり壁に貼ったりするよりも、地面にある紙を皆で上から覗き込むことで、順番に駅をたどって見ていくごとに自分自身も足で移動しなければならず、一箇所に留まって目線だけで成果を見るよりも、駅が繋がっていく流れを感じることができたように思う。自分の駅で見かけた電車に乗り込んで行った人が、先の駅で降りて他のペアに目撃されていた、というような事も起こっており、一人の人が電車に乗って降りる様子を勝手に加藤研で見届けていたという状況がとても面白かった。

 

 今回の試み全般について、感想やコメント、今後の課題などを書いてください。とくにCOVID−19の影響下でおこなう「外」での活動について、感じることなどあったら書いてください。

デザイン系(ハード)の研究会じゃないし、スケッチを練習させられる場面もないのに全員絵が上手で感動しました。20人も集まって、1人も余すことなく全員が実力とセンスを持ち揃えているコミュニティはなかなかないので、加藤研が一気に誇らしくなり一人一人に対する尊敬と憧れが増しました。
とてもパーソナルなエピソードですが、この活動を祖母に話したとき、「絵でも文章でも、ただの状況説明じゃつまらないからね〜〜そこに自分がなきゃ。感情だったり感性があってこそ面白くなるもんね〜!」と凄い勢いで言われました。本当にその通りだと思っていて、現場で描くことにこだわってよかったなと思いました。その場で描くことで絵にももちろん現場感は出たし、説明を書くときもそのときの感動やいかにそのポイントが重要だと感じたかが字に現れたと思います。フォーマットとしては活字のほうが綺麗に揃って見えますが感情が現れるのは手書きだなと思いました。
担当駅が屋外だったこともあり、今回のプロジェクトは安心して取り組むことができました。他の路線でもぜひ実施したいです。

駅での作業中は特に不安は感じませんでした。お昼の休憩時間中、食べている時は無言でおしゃべりするのは食べ終わってからをより意識する必要がありますね。

同じ場所に4時間留まり、その場にいた人たちをスケッチしていくという作業は、このような機会がないとなかなかできないのでとても楽しかったです。同じ路線上に散らばって、同時に人をスケッチするということ自体、とても面白いと思いました。またやりたいです。
人の多いところで何かをするということや、人と接しすぎることは抵抗感が多く、不安になりますが、今回のようにある程度の距離を持って作業や会話ができる場合は安心感がありました。

今回の試みと普段のキャンプとの大きな違いは、同じ3日間の開催でありながらも、金曜日は18時まで授業が優先されていたし、土日も他の用事も入れている人がいたことだと思う。つまり、普段のキャンプは3日間すべてをキャンプだけに注力できるのに対して、今回はスケッチをした日の夜に別の予定が入っていても問題がなかったりと、自分の他の予定と兼ね合わせながらキャンプが進んでいた。だからこそ、「キャンプ」というよりは、また別の、新たなプロジェクトのような印象を抱いている。
今回は駅を選ぶ際に、普段の混雑状況や駅周辺の施設などは考慮したが、駅自体のこと(地下か屋外か、ベンチはあるか、ホームは上下線同じか、など)はあまり考えていなかった。クイックスケッチをするにはベンチは(少なくとも私にとっては)必須だし、上下線のホームが同じだと観察が大変そうだなと思う。これらの条件が揃っていないとクイックスケッチはおそらく厳しいから、そうなると作業量や作業時間は多いと感じてしまいそうだ。それを防ぐには、路線を決める段階で全ての駅に条件が揃っていることを確認するか、ドラフト会議で頑張るかの2つの選択肢が今のところ考えられる。
COVID−19の影響下でおこなう「外」での活動については、今回の程度なら私は不安はなかった。駅自体も人で溢れかえるような混雑状況ではなかったことと、研究会メンバー以外との会話はなかったことが大きな理由だと思う。そのため、今後もこの活動を続けるとしたら、混雑する時間帯には被らせたくないと思うし、人の多い駅はなるべく避けたい。

気軽でやりやすかった。ペアとの関わりがもう少し濃いものになれば良いなと個人的には思うが、「それぞれ20名分のスケッチを描く」という設定がお喋り防止および飛沫防止にもなっていると考えるとこのEvery personの試みが今一番ちょうど良いのかもしれない。(黙々と作業する系なら飛沫防止にもなるね!なんて特プロでこの案を作ったときには全然考えていませんでしたが。) 外で活動したいと思うこと・そしてそれを実際に叶えることは大学外の人から見ればまだ「望みすぎ」なのかもしれないが、今回のやり方はそういった意味では安全圏内だったのではないかと思う。

自分たちのペアが行なっていることと同じことを、他のペアが池上線沿線の各駅で行なっていることが、とても心地よかったです。
キャンプ中、「同じ空のもと繋がってる」みたいに、「この線路で各ペアが繋がってるんだな」「この電車から降りてきた人たちは、他のペアが観察している駅から来たのかもな」と思うと、自分たちの観察が他のペアの観察に繋がっている気がして、勝手にグルーブ感なるものを感じていました。
COVID−19の影響がありながらも、今回のキャンプは感染に配慮ができた試みだったと思います。また、今回のように「外」での活動は、何か工夫をして感染対策を行い実施するというよりも、そもそも感染対策という観点において都合のいいフィールド、観察の仕方を見つけることが大事なのではないかと思いました。

キャンプ前日まではイメージがつかず正直ものすごく不安だった。駅=人がたくさん出入りする場所であり、その場所に半日待機するということは一体何人の人たちとすれ違うんだろうと。また、池上線までは1時間30ぐらい時間を所要するので行き帰りも不安だった。(ただ、都内勢は毎日これで通っているんだと思うと何も言えない)
戸越銀座は屋根もあるしトイレも片ホームにはあったので環境としては良い方に分類されると思う。隣の駅は地下だったけど。開けているということや人の出入りの数などから考えると、コロナ的には快適な場所ほど危険であり、過酷な環境ほど安全なのかもしれないと考えていた。
一つ懸念点は、かなりの体力を消耗するということ。寒さや2日連続現地までの移動。またグループワークや他授業の課題など。(最後の点は自分の管理能力の問題でもあるが)キャンプ後も翌週は徹夜気味に課題に追われていたので少し体調を崩している。移動時間的には、むしろ少し遠くに行っても良いかもと思った。小田原や熱海、他県にも。電車で乗り換えもなくのんびりとなら課題もゆっくりこなすことができるし、個人で宿泊も可能。都内はほとんど見知らぬ地であるので感染リスク的に怖いイメージがある。池上線全体で行ったという実感がまだ持てていない気がしている。もちろん、成果報告会で池上線全体の並んだ様子を見たが、ポスター作りの時に全体を通して見える景色というものがいまだに掴めていない。なぜだろう。離れてみた時の圧倒される感がないからか、上から眺めるように見たからか、広い空間でやったからか分からない。池上線に対しての知識もイメージもほとんどないからか。駅の中の世界しかよく知らないからなのか(空港のゲートの外に出ていない感じ)池上線を各駅回った先生の感想をぜひ聞きたい。多分この活動も数を重ねることが重要なのだと考える。
「外」での活動は十分に気をつけた上で参加したいとは思うが、危機感が少し失われている自分に怖いと感じる。

これは研究会だけに当てはまることではないが,自分としてはオンラインでの活動を結構気に入っている。もちろん課題やワークによっては集まるほうがいいというシチュエーションも多数あると思う。しかし家は感染リスクはもちろん下がるが,それだけでなく何より楽である。火曜日の2限に体育を入れているが,正直一時間前に家を出ざるをえないのはとてもしんどい。研究会については先生が最近良くおっしゃっているように,プレゼンする側と数人は登校しても数人は家でそれを聞くという形は現実的であり,効率的だと感じる。

とても面白く、気づきの多かったキャンプだった。個人的に外で活動すること(宿泊には不安が伴う)は大賛成なので、今後もできればオンラインではなく、外で活動したい。もし可能であれば、普段のキャンプのように直接人と関わることのできる活動がしたい。

初めてのオンラインキャンプから、2回目のキャンプ。外でのフィールドワークで予測できない・巻き戻せない一瞬一瞬を追うことにもどかしさを感じた。「面白い人来ないかな」と思ったときに限って全然電車から人が降りてこないし、「今の瞬間写真におさめたかった!」と思ってもその瞬間は二度と見ることはできない。こういう「一度きり」の積み重ねが今回の成果物だと思った。
また、こちら側が一方的に観察をしていて、観察されている側はそれを知らないという関係性。わたしがカメラを向けていることに若干気づき、少し不愉快そうな表情をされたときに悪いことをしている気持ちになった。もちろん悪用をしているわけではないけど、知らない人にカメラを向けられた時の恐怖や心地の悪さは十分わかる。COVID−19の影響下の外で人を対象にフィールドワークをするとなると、感染予防の観点では今回の距離感と関係性が安全なのだと思う。でも、観察する側・される側の心地良さ・安心感の観点では、そうとも言えない気がした。

外の活動は、内に入るタイミングを見極めることができれば、この時期には心理的にも抵抗が少なく、良いと思った。ただ、covidにかかる心理的不安が少なくても、風邪を引きそうだと思ってしまったら意味がない。キャンプと屋外研究会を経て、加藤研で体調を崩している(それによって精神的にも影響が出ている)人が多いように思うので、気温や服装には十分に気を使って、事前に対策をする意識/内に入る区切りを決めるなどの工夫をしたいと思った。そして、ドラフトで決めたあとなど、情報をslackで共有するスレッドを作ったり、もっと積極的に情報を集める仕組みを作ればよかったと思っている。その意味で、今回は個人で綴った振り返りを、全員で共有する時間が欲しいなと思っています。

今回の試みは個人的にはとても楽しかったです。また、COVID-19の影響下でも安心して取り組める環境でした。このプロジェクト後、人を観察する癖がつき、街を歩いていても人々の細かい部分を見て、「この人描きたい!」と思う瞬間が増えました。街の人々を見る新たな視点を獲得できた気がします。今後も継続してこのプロジェクトを行う場合には、何線を選ぶのかというのがかなり重要になってくると思います。(以下ジャーナルにも書きましたが)例えば世田谷線は駅数や電車の本数といい「ちょうどよさ」はある気がした一方で、池上線よりも各駅は非常に小さく座る場所も少ない&お年寄りが多く利用するという理由で駅に長く滞在することは難しいかもしれないと感じました。そういう意味では規模は少し大きくなりますが、井の頭線などはやりやすいかもしれません。今回の経験(成果物も含め)から「外」で行われているため気候に左右されるプロジェクトではあるなと感じたので、スケッチ自体はいつでもできますが、「キャンプ」においてはいつどこでやるかがかなり重要になると思いました。

十分に感染防止対策を行なっていれば問題はないと感じている。極端に会わないようなシステムを作ることよりも、一人ひとりの感染防止への意識を上げながら、それでも会えるような場を作っていく方が創造的で、豊かであると感じる。

人々のスケッチを通して池上線を描き出す試みは面白かった。しかし、ジャーナルにも書いたが、同意がない状態で”観察者”となり観察を可視化するのは怖いと思った。成果物の中には、見た目だけでレッテルを貼るようなキャプションも見られた。人々の何気ない動作や暮らしの様子を観察し、また相手に不審がられることも少ないため観察者という立場を忘れがちだが、そこには明らかな上下関係(支配関係?)があると思う。観察という名の下、どこまで許されるのかが分からないと思った。
「外」での活動について、今回は駅のホームということもあり、ある程度ひらけた場所かつ人が長居する場所ではなかったため、コロナを気にすることはほとんどなかった。

上記をまとめると、カトウケンの活動としてはとても面白い企画になったと思う。ただ、従来のキャンプの代替案として考えると、負荷とコラボレーションに物足りなさを感じてしまうと思った。COVID−19の影響下で安全にプロジェクトを進めるためには、従来のキャンプのようなコラボレーションを生みだすためには、オンライン(一緒に考える作業)とオフライン(フィールドワーク)の両立が必要になるかもしれない。

感染拡大で、人々が以前より神経質になっている気がする。特に、接触や会話に関しては他の行動の何倍も注意しなければならなくなった。以前まではタイミングや言葉遣いに注意を向けさえすれば会話は成立したのだが、今では話しかけることが非常識な気がしてそもそも一声目をかけることができない。

同じ路線で活動していたが、他ペアと合流する機会がなく勿体無い気持ちがあったので、次回は他のペアとも一緒に作業できる空間などがあったらなお良いのではないかと思う。
次に、作業方法について、駅の構造(屋根の有無・地下or地上)によってペアごとに進め方を必要に応じて変更したと思うが、来月だともっと屋外での作業がしづらいと思うので、その点が少し気がかりである。
最後に、印刷について。今回は出来上がりまで日を要するところや、日曜定休のところが多かったりと印刷所を見つけることができず、結局先生に頼ることになってしまったので、活動前にあらかじめ印刷係決めと計画を立てるべき(金銭面についても)だと感じた。

・観察、スケッチの作業自体は、密にならない状況でできたので良かったと思います。ただ、年配の方などと暮らしている生徒にとっては、池上線に来るまでの間に不安要素はあったのかなと思います。私は最寄駅から新宿駅を経由して、五反田駅から歩いて大崎広小路駅に向かったのですが、土曜日の新宿駅は人が多く、電車も混んでいました。人によって、生活環境も住んでいる場所も違うため、不安度合いは人によって異なりますが、誰もが不安のない状態で「オフラインキャンプ」をするのは難しいと思いました。
・今回は池上線という、東京の中でもローカルな駅でのフィールドワークで、人との接触が少なかったですが、もっと安全に行うのであれば、”Every Person in New York”のように、駅以外のフィールドで案を考えてみても良いのかと思いました。例えば、それぞれの自宅から徒歩で行けるスポットを探して、時間だけは揃えるみたいに。作業方法もクイックスケッチに統一すれば、一体感はあるのかと思います。

藤沢に住んでいるため、初めは都内で行うことに少しだけ不安を感じていましたが、実際に行ってみると、何も問題なく楽しむことができました。小さい駅で、外で、2人で、といった条件がコロナ予防対策の面からしてもよかったのだと思います。また、山登りしながら、などともっと大自然の中で行うのも楽しそうだなと思いました。

今回のキャンプは、三密を避けながら、フィールドに出ることを実現できたため、最初から最後まで個人的には安心して取り組むことができた。ぜひ電車の路線のみならず、地域や広場という括りでもやってみたいと思った。

今回のような「特定の人に密着せず、ある程度距離を保ち、俯瞰的な視点で行う活動」であれば、外での取り組みでも続けていけそうな感触がしました。唯一懸念する点とすると、やはり撮影に関する問題でしょうか。相手は自分たちのことを知らないどころか認識すらしていない可能性が高いため、同じ撮影でも「焼きながら」や従来のキャンプとはもちろん訳が違います。それを言ってしまえば、「じっと視線を向け続ける」という行為自体も、相手に気付かれれば不快感を与えてしまいそうではありますが…。今後同様のキャンプを行う際には、全員クイックスケッチで行うという決まりにするのも有りなのかなと思います。

春学期もオンラインでキャンプは行ったが、やはり外での活動は良いと改めて思った。今回のキャンプは不特定多数の人の観察であったが、その場その場で生きた情報を得ながらも、人との距離は保っているという状況が良かった。キャンプをする上で外でやるのは大賛成であるが、そこで外部の人に対面のインタビューをお願いしたりして、相手に少しでも不安な要素を残してしまうべきではないし、だからといってオンラインで相手にインタビューするのは雰囲気などの伝わり方がやはり生にはかなわないだろうから、あまり新しい発見ができるワクワクするものではないのかなと思う。

 

最後にもう一つ。たとえば11月の「キャンプ」も、今回と同様の試みを別の路線で実施するという案がありますが、どう思いますか?

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賛成ではありますが、他の取り組みに挑戦してみたい気持ちがある。 ペアで色々な駅を回るのは楽しかったので、別の路線でやってみるとしたら、作業時間内にペア同士の交流が組み込まれるような、全体で取り組むようなタイミングがあると嬉しい。そして、次回はその路線の人びとに還すところをみんなで見届けることをやってみたい。今まで行ったことのない場所に行く「旅」ができると、初対面同士のペアだとやりやすいと思っている。 実現可能性はとても低いけれど、やはり最後にキャンプで数人とでもいいから、滞在型を経験したい気持ちがある。

またやってみたいが、どうせなら別のことにチャレンジしたい。

世田谷線の人々是非やってみたいです。2月の展示を考えると、池上線分のみより2線分のボリュームのスケッチがあった方が迫力が出そうです。ちなみに世田谷線の各駅は池上線よりローカルで、ほぼ駅は外環境なので天気が良いことを祈ります。一方で他の活動も試してみたい気持ちもあります。

exploring the power of place - 046

【本日発行】️秋学期のはじまり。あたらしいメンバーも加わって、およそ半年ぶりにキャンパスで集まりました。加藤研のウェブマガジン“exploring the power of place” 第46号(2020年10月20日号)のテーマは、「距離」です。→ https://medium.com/exploring-the-power-of-place/tagged/046

◎ 第46号(2020年10月20日号):距離(1)
  • 遠いからこそ近い(染谷 めい)
  • 変わりゆく距離(喜安 千香)
  • 名のない距離(笹川 陽子)
  • 選択的距離感(青木 日向子)
  • 新たな公園との距離(入江 桜子)
  • わたしの見ているあなたの世界(堤 飛鳥)
  • 触れない手助け(日下 真緒)
  • あの頃の街へ(坂本 彩夏)
  • ファクシミリの距離(佐藤 しずく)

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