ビデオでふり返る
2023年12月8日(金)から10日(日)の成果報告会までを記録した、ダイジェストビデオです。このビデオは、10日(日)の成果報告会のなかで上映したものを修正した最終バージョンです。
◉撮影・編集:小田 文太郎・木村 晃子・白井 朔太郎
2023年12月10日(日)成果報告会のようす(草枕温泉 てんすい)写真提供:木村 晃子・山本 幸歩
(2023年12月10日)今回は、8名のかたがたにインタビューをおこない、ひと晩でポスターをつくりました。“ポスター展のポスター”をふくめて9枚。取材にご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。なお、今回つくったポスターは、12月17日(日)まで、草枕温泉 てんすいで展示されることになりました。
(2023年11月11日)ページを作成。
【12月10日(日)|成果報告会のようす(草枕温泉 てんすい)】
ジョン・アーリ(2015)『モビリティーズ:移動の社会学』作品社
JST-SPRING「未来社会のグランドデザインを描く博士人材の育成」という慶應義塾のプロジェクトでは、「Art/Design/Communication(ADC)」というコアプログラムを、全塾13研究科の後期博士課程学生に提供している。博士課程になると、一人ひとりが博士論文に向けた研究に勤しむので、受給者どうしを出会わせるための仕組みだと理解することもできるだろう。たしかに、たくさんの大学院生がいるのに、横のつながりをつくる機会は(ぼくの知るかぎり)ほとんどなかった。
研究科委員長として、JST-SPRINGの企画・実施にかかわる委員会の末席にくわえていただき、昨年度は社会学研究科の科目のなかで「岩淵町界隈を歩く:人と暮らしに近づく」というまち歩きを実施した。
くわえて、SFCのβヴィレッジ(滞在棟)で「朝まで語る」ような時間を設けたいと考えていた。やはり寝食をともにする経験は大切だし、学生と教員がじっくりと「腹を割って」話をすると、研究のこと(そしてその前提となる生活のこと)も不思議と整理され、その後のコミュニケーションも円滑になる。これは、じぶん自身の体験からもいえることだ。
この滞在棟での企画は、1年くらい前から提案はしていたものの、COVID-19の影響で施設利用に制限があったり、夏はあまりにも暑いので涼しくなるのを待とうと思ったり。結局のところ、9月末に研究科委員長としての役目を終えてから実現することになった。
あらかじめ、以下のような内容を案内していた。
朝まで語ろう:「論文を書く」ということ
スケジュール(暫定版)
11月18日(土)
11月19日(日)
2023年11月18日(土)〜19日(日)にかけて、「朝まで語ろう」を実施することを決め、滞在棟1を予約した。もともと「集まって、飲んで食べてしゃべる」という、ただそれだけの集まりをひらきたかったのだが、「企画」として成り立つかどうかわからず、〈「論文を書く」ということ〉をテーマに掲げた。10月22日(日)にJST-SPRINGのSlackで案内し、参加者を募った。
最終的には大学院生 3名、JST-SPRINGメンター(かつての受給者で、すでに修了)1名、教員・チューター 3名というちいさな集まりになった。残念ながら、ADCの中心的な存在である岡原さん(じつは、この企画を楽しみにしていた…)は参加がかなわず。
11月18日(土)
16時過ぎに滞在棟を開けて、少しずつ夕食の準備。暑い夏が終わって、朝晩が冷え込むようになってきたので、温かいものを食べようと決めていた。夜から参加する予定だった1名をのぞいて、全員が集合。
あらかじめ、〈「論文を書く」ということ〉というテーマを設定していたが、ほぼフリーなかたちで時間を過ごした。なにより、研究室やセミナールームで向き合うのとはちがう。おでんの鍋を囲みながら、そして終電を気にしてソワソワすることもなく、のんびりと語らっていた。結果的には、人数もちょうどよかったように思う。
18時ごろから食べはじめて(語りはじめて)、日付が変わって午前2時近くまでしゃべっていた。ふり返ってみると、その間、スマホやPCを確認することはほとんどなく、いわゆる「デジタルデトックス」にもなった。ぼく自身も、ふだんならたくさん写真を撮ったはずなのだが、ほとんど撮らなかった(この記事に載せているのは参加者が写したもの)。
ずっと、他愛のないおしゃべりだった気もするが、それぞれの大学院生としての日常に触れることができたので、個人的にはとても面白かった。堅苦しくない自然な感じが、よかった。
11月19日(日)
学部の研究会や授業で、たびたび滞在棟を利用しているが、きちんと眠れたことがない。かならず何名かの学生たちが夜通し(それなりに大きな声で)しゃべっていて、寝ている人への配慮はない。
今回は、みんな「おとな」だったのでよかった。ひとしきりしゃべって、寝ようかという頃合いが午前2時くらいではあったものの、そのあとは静かに、よく眠ることができた。早起きして、近所の遠藤笹窪谷公園まで、朝の散歩。
8時ごろにはみんな起き出して、朝食の準備。テーブルを囲みながら、またのんびりとおしゃべりをしていた。チェックアウトの時刻を気にしなければ、そのまま数時間は話していたかもしれない。片づけをして10:00ごろには解散。
解散したあと、所属や名前を確認する連絡をしたところ、学生たちからは以下のようなコメントとともに情報が送られてきた。おおむね、楽しく過ごしてもらえたようだ。
ありがとうございました。本当に楽しい週末を過ごせました。…大学院から入学すると他のプログラムとの交流がほとんどないのでこのようなイベントに参加できて幸せでした。次回も楽しみにしています!(D1)
めちゃくちゃ楽しかったです!全く違う領域を研究している人たちと繋がれて、先生方とも贅沢にどっぷり話せて最高でした!!次回もよろしくお願いします!(D2)
短い間でしたが、ありがとうございました。久しぶりにパソコンから離れ、ゆっくりできました。(D1)
追記:
11月22日(水)
さらに数日後、参加者の一人からビデオのファイルが送られてきた。今回の2日間のダイジェストになるとともに、こうした反応があったこと自体、この企画が、大学院生の日常生活に多少なりとも潤いをもたらしたことの表れなのだと思う。
ジョン・アーリ(2015)『モビリティーズ:移動の社会学』作品社