まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

研究会シラバス(2021年度春学期)

大学のオフィシャルサイト(SOL-A)にある「研究会シラバス」も参照してください。

※ 加藤研メンバー(2021年1月1日現在):大学院生 9名(博士課程 4名・修士課程 5名; 休学中の学生をふくむ)・学部生 22名(4年生 6名・3年生 11名・2年生 3名・1年生 2名)

 (2021年1月5日)現在シラバス入力中です。ひとまず、簡単な概要と資料のリスト、スケジュール案を公開しています。随時更新予定です。

はじめに

ぼくたちは、絶えずコミュニケーションしながら暮らしています。ワツラヴィックらは、『人間コミュニケーションの語用論』(二瓶社, 2007)のなかで「コミュニケーションにおけるいくつかの試案的公理」について述べています。その冒頭に挙げられているのが、「We cannot NOT communicate(コミュニケーションしないことの不可能性)」です。つまり、ぼくたちは、いつでも、どこにいても、コミュニケーションせざるをえない。非言語的なふるまいはもちろんのこと、沈黙もまたメッセージであることに、あらためて気づきます。
そして、コミュニケーションについて考えることは、(いつ・どこで・だれが)集い、(何を・ どのように)語らうのかを考えることだと理解することができます。つまり、コミュニケーションへの関心は、必然的に「場所」や「場づくり」への関心へと向かうのです。この研究会では、コミュニケーションという観点から、人びとの「移動」や人びとが集う「場所」の成り立ち、「場づくり」について実践的な調査・研究をすすめています。

ことばを大切に正確につかいたい。つねにそう思いながら活動することを心がけています。たとえば「地域活性化」「まちづくり」「コミュニティ」など、 それっぽくて、その気になるようなキーワードはできるかぎり排除して、慎重にことばをえらびたいと考えています。つまり、コミュニケーションに執着するということです。「わかったつもり」で、ことばをえらばないこと。そして、相手(受け手)を考えて丁寧に語る/表現する姿勢を執拗に求めることです。

ぼくたちは、フィールドワークやインタビューに代表される質的調査(定性的調査)を重視していますが、新型コロナウィルスの感染拡大にともない、方法そのものの再定義・再編成が必要となりました。とりわけ、人びとの暮らしに接近し、能動的にかかわりながらその意味や価値を理解しようという試みは、対面での「密な」コミュニケーションを前提として成り立っており、現在の状況下では、調査研究そのものが大きな制約を受けています。
いっぽう、現況下における会議や講義のオンライン化の試みをとおして、あらたな〈現場観〉が醸成されつつあります。さまざまなメディアを駆使し、さらに時間・空間を再編成することによって、定性的調査のありようはどのように変化するのか。2021年度春学期は、人びとの移動、集まり、社交などのふるまいをとらえなおし、オンライン環境における質的調査について検討することも、大切な課題になるでしょう。

 参考資料

たとえば、下記を読んでみてください。コミュニケーションやメディアについてどう考えているか、「キャンプ」や「場づくり」の実践、理論的・方法論的な関心、具体的な事例などについて知ることができます。

  • 荒井良雄ほか(1996)『都市の空間と時間:生活活動の時間地理学』古今書院
  • ジョン・アーリ(2015)『モビリティーズ:移動の社会学』作品社
  • 海野弘(2004)『足が未来をつくる:〈視覚の帝国〉から〈足の文化〉へ』洋泉社
  • アンソニー・エリオット+ジョン・アーリ(2016)『モバイルライブス:「移動」が社会を変える』ミネルヴァ書房
  • 佐藤郁哉(2006)『フィールドワーク(増補版):書を持って街に出よう』新曜社
  • 清水義晴・小山直(2002)『変革は、弱いところ、小さいところ、遠いところから』太郎次郎社
  • 橋本義夫(1978)『誰にでも書ける文章:「自分史」のすすめ』講談社現代新書
  • ドロレス・ハイデン(2002)『場所の力:パブリックヒストリーとしての都市景観』学芸出版社
  • エドワード・ヒュームズ(2016)『「移動」の未来』日経BP
  • ケン・プラマー(1991)『生活記録の社会学:方法としての生活史研究案内』光生館
  • パウロ・フレイレ(1979)『被抑圧者の教育学』亜紀書房
  • ウィリアム・ホワイト(2000)『ストリート・コーナーソサエティ』奥田道大・有里典三(訳)有斐閣
  • ジョン・ヴァン・マーネン(1988)『フィールドワークの物語:エスノグラフィーの文章作法』現代書館
  • 宮本常一・安渓遊地(2008)『調査されるという迷惑:フィールドに出る前に読んでおく本』みずのわ出版
  • ポール・ワツラヴィックほか(2007)『人間コミュニケーションの語用論:相互作用パターン、病理とパラドックスの研究』二瓶社
  • 加藤文俊(2018)『ワークショップをとらえなおす』ひつじ書房
  • 加藤文俊(2017)「ラボラトリー」とデザイン:問題解決から仮説生成へ『SFC Journal』第17巻第1号 特集:Design X*X Design: 未知の分野における新たなデザインの理論・方法の提案とその実践(pp. 110-130)
  • 加藤文俊(2016)『会議のマネジメント:周到な準備、即興的な判断』中公新書
  • 加藤文俊(2016)フィールドとの「別れ」(コラム) - 工藤保則 ・寺岡伸悟 ・宮垣元(編著)『質的調査の方法〔第2版〕』(pp. 156-157)法律文化社
  • 加藤文俊(2015)フィールドワークの成果をまちに還す - 伊藤香織・紫牟田伸子(監修)『シビックプライド2 国内編』第1部(p. 77-84)宣伝会議
  • 加藤文俊(2015)『おべんとうと日本人』草思社
  • 加藤文俊・木村健世・木村亜維子(2014)『つながるカレー:コミュニケーションを「味わう」場所をつくる』フィルムアート社
  • 加藤文俊(2013)「ふつうの人」のデザイン - 山中俊治・脇田玲・田中浩也(編著)『x-DESIGN:未来をプロトタイピングするために』(pp. 157-180)慶應義塾大学出版会
  • 加藤文俊(2009)『キャンプ論:あたらしいフィールドワーク』慶應義塾大学出版会
  • 加藤文俊研究室(2016-)Exploring the power of place → https://medium.com/exploring-the-power-of-place *2016年5月に刊行した、加藤研のウェブマガジンです。毎月1回、メンバーが分担して記事を書いています。テーマの方向性や雰囲気がわかるはずです。
  • 荒木優太×加藤文俊(2017)フィールドワークと在野研究の現代的方法論 → https://www.10plus1.jp/monthly/2017/04/issue-03.php
  • 加藤文俊(2014)まちの変化に「気づく力」を育むきっかけづくり(特集・フィールドワーカーになる)『東京人』5月号(no. 339, pp. 58-63)都市出版
  • 加藤文俊(2014) ツールを考えるということ(特集・フィールドワークとツール)『建築雑誌』12月号(Vol. 129, No. 1665, pp. 32-35)日本建築学会
  • 「瞬間」をつくる[AXIS jiku 連載コラム「x-DESIGN/未来をプロトタイピングするために」Vol. 4 加藤文俊×藤田修平(2013年6月)] [http://goo.gl/xSfKx]
  • まちを巡り、人びとの暮らしに近づく。 地域の魅力を照らす、フィールドワークという方法と態度。[SFCオフィシャルサイト:SFCの革命者(2011年7月)] [http://www.sfc.keio.ac.jp/vanguard/20110726.html]

2021年春学期の活動

キャンプ:全員(学部生+大学院生) 2021年度春学期は、「キャンプ」を2回実施する計画です。

  • 5月14日(金)〜16日(日):調整中
  • 6月18日(金)〜20日(日):調整中

卒業プロジェクト:7-8セメスター(個人) 4年生は、それぞれのテーマで「卒プロ1」「卒プロ2」に取り組みます。

フィールドワーク:1-6セメスター(グループ) グループに分かれてフィールドワークをおこないます。2021年度春学期のテーマは「」です。

研究会の履修について

◎新規履修希望者
何度かやりとりしながら、履修者をえらびたいと思います。ちょっと面倒かもしれませんが、お互いのためです。結局のところは「えらび、えらばれる」という関係が大事だからです。
まずは、このページ → https://camp.yaboten.net/entry/21s をじっくり時間をかけて読んでください。
それから、下記の (1) (2) をまとめてください。その上で(必要に応じて) (3) やりとりしたいと思います。

(1) エッセイ:以下のいずれかのタイトルで、エッセイ(600字程度)を書く。

  • 荷づくり
  • 原稿用紙
  • 写ルンです
  • 福袋
  • テールランプ
  • 仮病

(2) 志望理由 :なぜ、この研究会に興味をもったのか。じぶんはどのようにかかわるつもりかを文章化する(1000〜1200字程度)。過度な自己PRは避けるように。かならず、 https://camp.yaboten.net/entry/21s に書かれた内容と具体的に関係づけて書いてください。

  • 提出期限: 2021年2月22日(月)22:00 時間厳守
  • 提出方法:メールで 21s [at] fklab.net 宛てに送ってください。他のアドレスに送られらたものは、読まない(というより、見落とす)場合があるので注意。

かならず、学部、学年、名前、メールアドレスを明記すること。 質問・その他についても、同様に21s [at] fklab.net宛てにメールを送ってください。@の前は、21s(エスは小文字です。)

  • .txt、.doc(.docx)、または.pdf形式のファイルを添付してください。
  • メールの件名は、かならず「2021s」としてください。期限遅れ、宛先の誤り、内容の不備等がある場合は選考対象にはなりません。

(3) コミュニケーション :いつも、可能なかぎり、会って話をする機会をつくることにしています。

  • すすめかた: 2021年2月22日(月)以降に メールで連絡します。そのあとは、予定を調整してオンライン(状況によっては対面)で面談します(15〜20分程度)。

◎継続履修希望者
2020年度秋学期「研究会A」履修者で、2021年度春学期も継続履修を希望する学生については、別途連絡します。