まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

マイペンライでゆこう(4)

Day 4:2018年3月11日(日)

4日目。きょうは、35℃くらいまで気温が上がるみたいだ。少しずつ疲れも出てきたし、ポスターづくりの時間も必要なので、全員で行動するのは午後からにして、それまでは、自由に過ごすことにした。
そう言いながら、ゆっくり寝ている気分にもなれず、とくにまだ朝の涼しいうちに、少しでもまちを歩いておこうと思った。ヌイとなおと一緒に、近所のカフェで朝ごはん。善し悪しはともかく、とても「いまふう」のカフェだ。店内の設えも、家具も照明もメニューも、店内に入るとバンコクにいること感じさせない、「最近よくあるカフェ」の雰囲気だった。でも、これが“ユニバーサル”であるはずもなく、なんとなくぼくたちが「最近よくあるカフェ」に慣れてしまっただけのことだ。(英語が通じることもふくめて)ある種の安心感はあるが、どこに行っても同じような(とてもよく似ている)場所を求めてしまうのは、ちょっと寂しい気もする。

ほんの数ブロック歩くだけでも、新旧が混在しているようすがわかる。まちは、変化している。そのあと、ホテルのそばにあるBangkok Art and Culture Center(bacc)まで出かけた。時間がなくて展示を見ることはできなかったが、建物のなかをぐるっとめぐって、ブックストアでしばらく過ごした。数年前に日本を主題に開かれた展示のカタログや日本にかんするガイドブック(+エッセイ) を購入。
Tシャツや文房具、雑貨など、「日英タイ」が記されているモノもあった。うまく表現できないのだが、それは「無国籍」というよりは、いくつもの文化がブレンドされて「タイ流」になっているような感じだ。いろいろな形で、日本の文化(それも、すでに多文化がブレンドされたものかもしれないが)がしみ込んでいる。

正午。みんなで集まって、旧市街地のチャルンクルン通り(Charoen Krung Road)へ。Thailand Creative & Design Center(TCDC)を目指した。TCDCは、かつての場所から旧バンコク中央郵便局に移転し、昨年の5月にオープンした施設だ。古い建物のなかに、コワーキングスペースやライブラリー、ショップ、ギャラリーなどがある。フロアプランには、メイカースペースやMaterial & Design Innovation Centerという表示もある。この界隈は「Creative District」として位置づけられ、このTCDCを中心に整備される計画があるという。

f:id:who-me:20180311124101j:plain

まずは屋上に上がって、バンコクのまちを眺めてみた。手前には旧市街地の古い建物が見えて、その後ろには工事中の高層ビルが並ぶ。ここでも、新旧が混在しているようすを見てとれた。
コワーキングスペースを眺めてから、1Fのギャラリーへ。“Dear Elders”という展示を見た。タイトルどおり、高齢化社会をテーマにした展示で、とても面白かった。タイでは、まもなく高齢者の数が子供の数を上回るという。その現状をさまざまな観点から調査し、まちなかの空間(ストリートファニチャー)、人間関係(住まい方)など、未来に向けてどのような再編成が可能かという問題意識ですすめられたプロジェクトが紹介されていた。コンパクトな展示だったが(ギャラリーがもう少し広くてもいい?)、ゆっくりと時間を過ごした。いろいろ、参考になる。

f:id:who-me:20180311133633j:plain

ホテルのそばまで戻って、遅めの昼ごはん。そのあとは、もう昼寝をするしかなかった。
結局、滞在中に残された「作業」のことを考えて、晩ごはんはホテルで食べることにした。近所の屋台などで料理やくだものを買ってきて、大きな部屋(本当に広い)にみんなで集まった。海外で「キャンプ」を実施するときは、ふだんと条件がずいぶんちがう。それでも、滞在中に成果をまとめることができるかどうかが課題だ。「作業」の時間を確保するために簡単な食事にするつもりだったが、むしろアットホームな感じで、のんびりと過ごしてしまった。楽しい食事だった。早いもので、もう明日が最終日。🌶

(つづく)

f:id:who-me:20180311205712j:plain