まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

Day 2: フィールドワークとカレー 🐢

2024年5月25日(土)

いよいよ「美波キャンプ」のはじまり。ケアンズ(駅前のビジネスホテル)で目覚めた。調べたら、うみがめつながりで、美波町(旧 日和佐町)とケアンズ市(グレート・バリア・リーフの「玄関口」)は、姉妹都市を締結していることがわかった。すでに、2019年には締結50周年を迎えているようだ。よく晴れていて、きょうは、暑くなりそう。集合時間までまだ余裕があるので、大浜海岸まで行ってみた。

9:45ごろに谷屋に集まって、段取りの確認。名札やおみやげを配って、準備をした。約束の時刻が近づいてきて、学生たちはペアになって、それぞれの取材先に向かって出発した(一部のペアについては、谷屋で落ち合う)。

この「キャンプ」の試みは、すでに20年くらい続けているが、事前の準備がそれなりに大変だ。おなじ場所に通いつづけるような「実習」を組み立てるなら、少しずつなじんでいき、人びととの関係を深めてゆくことができる。しだいに地理感覚も養われるし、「見えない」ルールや土地の慣習も学ぶことになる。たまに行く「訪問者」であったとしても、なんとなく見留めてもらえるはずだ。
でも、ぼくは全国のいろいろなまちを巡ろうという方向性をえらんだ。そのため、いつも、出かける先はほとんど手がかりのない場所で、しかも2泊3日程度の滞在中に成果をまとめることになる。おなじ活動のくり返しだが、毎回、行った先々ではあたらしい気分で過ごす。

ただ、その準備にエネルギーと時間を使っておくと、「本番」は上手くいくように見守るだけになる。もちろん、なんかあったときには動けるようにしているが、丁寧に準備をしておけば、時間的にも心理的にも余裕が生まれる。今回は、午後にカレーをつくると決めていたので、「キャンプ」に参加する大学院生2名を「カレー要員」に任命し、さらに今回の「美波キャンプ」のことを聞いて訪ねて来てくれるという神山町の友人たちのこともあてにしつつ、5名でカレーをつくる計画だった。

まずは、かんちゃん(神社さん)から、「たまねぎがあるよ」とのメッセージをもらっていたので、畑に。にんにく、パセリ、ローズマリーもいただいた(カレーに使うたまねぎは買わずに済んだ)。昼頃に神山町の友人が到着し、うどん(やくよけうどん)を食べてから、買い出し。今回は、「うみがめラボ」という施設のキッチンを借りることができた。本当に気持ちのいい日で、開放的なキッチンを風が抜けてゆく。すぐそばにグラウンドがあって、野球をする声を聞きながら、カレーをつくりはじめた。

調理がはじまると、学生たちの取材やポスター制作のことは頭から離れてしまう。たまねぎをひたすら炒めて、スパイスの香りを吸い込みながら過ごす。こどもたちの野球に同行していたお父さんが「ここはお店ですか」とたずねてきた。カレーのにおいが風に乗って、グラウンドまではこばれていたのだろうか。17:00ごろにカレーが完成。ほどなく学生たちがやって来て、外にあるベンチに腰をおろしてカレーを食べた(カレーのことについては、別途まとめる予定なので、ここではこのくらいで…カレーの写真もあえて載せずにおく)。

片づけを終えて谷屋へ。畳の間で、みんなが作業をしている。この光景もひさしぶりで、懐かしい気分になる。PCの画面を二人でのぞき込みながら、ポスターづくりをすすめている。
すっかりカレーのモードになっていたが、プリンターのチェックのことは忘れていなかった。今回は、クルマに大判プリンターと調理器財を載せて来た。荷室はいっぱいだが、プリンターはクルマに載せたままポスターを印刷できる(ようになっている)ので、谷屋の駐車場で試しにポスターを印刷してみた。無事に動いたので、あとは、ポスターのデータが完成するのを待つだけだ。

「キャンプ」のあいだは、「待つ」ことが多い。鍋のなかのカレーは、しばらく待っていると味が決まってくる。ポスターもおなじだ。時間をかけていると、少しずつ整ってゆく。急いで仕上げようとせず、ゆっくり「待つ」こと。それは、そのあとが楽しみだからだ。
谷屋の利用は、22:00までと決まっていたので、ひとまず解散。すでにいくつかのポスターのデータは提出されている。ぼくは、ケアンズに戻って、データが揃うのを待つことにした。きょうは、朝からよく動いた。

やすらぎ - 日和佐/うどん | 食べログ