まちに還すコミュニケーション

場のチカラ プロジェクト|Camp as a participartory mode of learning.

鳥取でいきなりジン

2024年6月20日(木)

8月のはじめに予定されている高校生を対象とするワークショップの下準備(事前リサーチ)のために、鳥取に行くことになりました。ぼくは、これまでワークショップを担当してきましたが、今年はサバティカル(特別研究期間)なので8月は不参加。それでも、ワークショップを担当する高汐さん、瀧田さんのご厚意で、加藤研の学生・大学院生数名とともに、今回のリサーチにおじゃますることになりました。

ぼくたちのフィールドワークのやり方・まとめ方を紹介しつつ、8月のワークショップ参加者の課題設定に役立つような素材を集めて整理することを目指します。午前中は、キックオフミーティングで中心市街地の現況やさまざまな試みについて学び、午後は高汐研との混成チームで、鳥取駅界隈(おもに若桜街道)を歩き、その内容をまとめた折り本(ZINE)をつくることになりました。
ちなみに、4月の終わりに渋谷で実施した「いきなりジン」では、正味3時間でフィールドワークと制作をおこないました。今回は、5時間ちょっとで完成させることになります(下記のスケジュールを参照)。

ちがう研究室(研究会)に所属しているとはいえ、学生たちはおなじキャンパスに通っているわけで、(見たところ)難なく打ち解けていたようすでした。あらかじめ、前日の打ち合わせを経て、それぞれのグループがどのような着眼点でまちを歩くのか、ゆるやかに設定されていました。

スケジュール
  • 10:30〜 キックオフ ミーティング(鳥取市役所 会議室)
    • 未来構想キャンプの概要について
    • インプットトーク
  • 12:00ごろ〜 各グループでランチ → まち歩き
  • 15:00ごろ〜 アイデア出し、デザイン・レイアウト作業(鳥取県庁 会議室)
  • 17:30 印刷・加工(切る・折る)
  • 18:30ごろ〜 食事・成果報告/講評(鳥取港海鮮市場かろいち)
いきなりつくったZINE

[1] 歩きながら聴く(宇治川 遥祐・島田 愛里・宮下 理来)

街を歩くとき、惹かれるのは看板や匂いだけじゃないはず。私たちは街中の"音"に注目し、街歩きの方法を再提案しました。街に溢れる車のエンジン音が止み、一瞬の寂しさにつつまれたり。川のせせらぎが私たちを足止めしたり。街の音は私たちの歩くテンポを作り出します。街歩きは街という楽譜をなぞる行為なのかもしれません。

 

[2] GO OUT WITH かわいい(河井 彩花・坂本 紅都・松本 仁奈)

わたしたちは、「かわいいロボットとのインタラクションの研究」をテーマにまちを歩きました。折本は、まちを歩きながら注目したモノを左ページに、そこから発想したロボットのアイデアを右ページに載せました。いま目の前にあるものを見つめる視点と、これから作りたいものを考える視点が組み合わさった冊子になりました。

 

[3] 全力体現若桜街道(池本 次朗・小橋 龍人・塩谷 明日香)

看板の文字やモニュメント、植物にアーケード…。商店街には、私たちの気持ちを揺さぶるものがたくさんありました。私たちのグループは、そんな「心が動くもの」を文字通り全身で表現した写真集を製作しました。ただ見るだけでなく、見たものを表現しようとしながら歩くことで、街への向き合い方が大きく変化することに気づきました。

 

[4] でこぼこ(大浦 早貴・瀧澤 将音・瀧田 塁・蓮見 まどか)

私たちは「触覚」に注目して、街を歩きながらさまざまな物(形や素材は様々)に触れました。物に触れるとオノマトペを使って共有したくなり、個人の実感は共感へとつながります。また、物は触れられることでその歴史が更新され、過去から現在までのなりゆきを想像させます。触覚を通じて私たちは街と積極的に関われるかもしれません。

[01][04]は、A3サイズに片面で印刷し、一部に切り込みを入れてから折り本にします。
[02][03]は、A3サイズに両面で印刷し、一部に切り込みを入れてから折り本にします。